sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

たぶんこれが最後のS電賞。

2018

 

こんばんは。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

今年も近づいてきましたよ~、金曲獎シーズンが~。
ということで2018年を振り返る独断と偏見の個人アワード、sasanoji radio Awards 2018もそろそろ始めねばなりませんが~。果たして金曲奬までに間に合うのでしょうか~。

 

まずは1曲。たしかな歌唱力と清楚な容姿が魅力の正統派女性シンガー・朱俐靜Miuが、ついに弾けました~^^。最新EP『懂你的獨特』(2018年3月30日リリース)から、オープニングナンバー『其實沒聊甚麼 feat. RPGをどうぞ~。

 

それでは2018年のおさらいです。
昨年度購入したEP、アルバムの数は、ダウンロード版を含めて86タイトル(…1月27日現在)。前回2017年は自分のフトコロ事情も考えず買い過ぎてしまったので、今回は反省をしてちょっと控えめにしました。そのかわり今年からSpotifyを使い始めまして、そこで聴いたものを合わせると100タイトル余というところでしょうか(…で、また欲しいCDが出てきてしまうという沼^^;)

 

2018年はバンド、ソロ共に新人が豊作でした。充実度がハンパなかったです。全体的な印象もまずまず良好で、大物が何人か久しぶりに新作をリリースしていますが、突出して目立った感じはなく、平穏な2018年だったと思います。最近は毎年同じようなことを言っている気がしますね。ただ、台湾の音楽に対する僕ら日本側の状況、こちらのほうが劇的に変わってきました。それはもちろん良い方向への変化です。

昨年は2017年以上に数多くのバンドや歌手が来日し、ライブを行ないました。日本の独立系レーベルからは彼らのアルバムが国内向けにリリースされ、ライブハウスやショップ、レーベル、音楽専門WEBメディアといった現場やそれに近い場所にいる先達(せんだつ)たちからの情報発信も活発化しています。今はまだバンドのほうに人気が寄っている感はありますが、台湾のポップス、ポストロックに興味を持った一般の音楽ファンは確実に増えている、そう実感出来る状況となっています。

 

6、7年前だったか、TW-POP(台湾ポップス)を洋楽のように聴いてもらえたら…と、このブログで書きました。マスメディアや業界の主導による阿漕な流行らせ方ではない、先達たちが押し付けがましくなく水先案内人となり、興味を持ったリスナーに対しては十分な量の情報を提供する。その理想に近いムーブメントがようやく生まれつつあると、僕はいま感じています。

 

今夜の2曲目。先日1月24日と25日に大阪と東京でライブを行なったばかりのクォーターセンチュリー(四半世紀)バンド、四分衛Quarterbackの8thアルバム『練習對抗的過程』(2018年6月1日リリース)から、『當我們不在一起』をどうぞ。

 

さて、ようやく兆しが見えてきたところで1つネックとなってくるのが、やはり一般に於けるC-POP(TW-POPを含む)の認知度の低さでしょうか。とにかく低い。圧倒的に低い。周りで聴いている人が誰もいない。絶望してうなだれてしまうくらい低いです。韓国語のK-POPは人気なのですから、言語の問題ではないはずです。これはもうマスメディアの取り上げ方、売りたい側のプロモーション戦略の規模の違いでしょう。そこへ今から台流が割って入るのは至難です。さらに言えば、現場から売れ始めるのは喜ばしいことではあるのですが、同時にハードルを高くしてしまうという副作用も伴います。このハードルを如何に低く抑えるかも、C-POPを広く認知してもらう上で配慮しなければならない、重要なポイントになりそうです。

 

聴きたい人だけ聴けばいいじゃない、という声もたしかにあります。それはそうなのですが、でも一部ファンの嗜好品にとどめておくだけでは余りにももったいなさすぎる。それくらいの魅力と熱量が今の台湾の音楽にはあります。もっとたくさんの人に台湾ポップスを聴いてほしい…というのが僕の本音です。

 

今夜3曲目は、昨年も日本でたくさんライブをしてくれました、今年ももう四分衛と一緒に大阪と東京でライブやってます、PiAの全曲日本語によるEP『PiAの日本語、超ヤバイ!』(2018年3月5日リリース)から、『行きたい場所』をどうぞ。

 

台湾ポップスの存在を知らない一般の音楽ファンにどうすれば伝わるのか、しかもマスメディアの積極的な協力もなしに…。それは渡ることの出来ない大河のように、ずっと目の前に横たわり続ける難題でした。ところが最近になって、その難題解決の一助になるかもしれないと思わせる手が意外なところから出てきたのです。

 

マンドポップ(Mandopop)という言葉をご存知でしょうか。

 

C-POPを聴いていらっしゃる方ならご存知ですよね。北京語をベースとした標準中国語華語(Mandarin)によるポップスという意味です。この言葉、数年前まで日本ではあまり馴染みがありませんでしたが、iTunesがジャンルの1つに設定したあたりから徐々に認知され始めてきたようです(僕はiTunesを使っていないので、正確なことはわからないのですが…)。その頃からでしょうか、2012年に書いた「『マンドポップ』という呼称は…なんかイヤ。」という記事へのアクセスが増え始めて、最近はほぼ一定数で落ち着いていたのですけど、それが今年に入ってなぜかまた急増してきたんですね。最初は訳が分からず、訝しんでいろいろと情報を探っていたところ、どうやら韓国の芸能プロダクション・SMエンターテイメントが今年1月に中国で新たにデビューさせた男性7人組グループ、WayV(威神V)に関連したものであるらしいことが分かりました。

 

そうです。彼らは華語(Mandarin)で歌うグループなのです。

 

ではここで、WayVの1stデジタルEP『The Vision(2019年1月リリース)から、『Dream Launch』を聴いてみましょう。

 

いいじゃないですか~、すごくいい^^。

僕はK-POPに関しては門外漢なので語れませんけど、これは売れるのではないでしょうか。既に彼らに食いついている日本のK-POPファンもたくさんいて(…やっぱり言語はカンケーない^^;)iTunesからダウンロードするときにそこで初めてマンドポップというジャンル、マンダリンという言葉があることを知った人も多いようです。その若者たちがこれからさらに興味の幅を広げてくれるかどうかは分かりませんが、とりあえずマンドポップの存在はインプットされた。年を経てK-POP以外の音楽を聴いてみたくなったとき、彼らの選択肢の中にマンドポップがあってくれると嬉しいです。どうかそのときまで忘れないで^^;。

韓流商法、個人的にはあまり好きではないのですけど、この件については素直にお礼を言います。ありがとう^^。

 

今夜はロングバージョンになってしまいましたね。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

 

ここで1つ、お知らせがあります。

これまでに何度か書いてきましたが、僕がこのブログを台湾ポップス専門に特化したのは、2011年の東日本大震災がキッカケでした。そのとき莫大な支援をしてくれた台湾の皆さまに何か個人としても恩返しが出来ないか、そう考えて台湾のCDを積極的に購入し、台湾の話題と共に自分のブログで取り上げることを始めました。

その当時は1台湾元(NT$)=2円台半ば、CDの値段はNT$360前後が普通でした。日本のCD1枚の値段で台湾のCDが2枚買えた、僕にとってはいい時代でした。それが今では1台湾元=3.6円オーバー、CDの値段はNT$400オーバーが普通となり、近頃ではNT$500オーバーという物もチラホラ見かけるようになりました。さすがにこうなってくると、今までのようなバカ買いをしていては財布が持ちません。台湾のCDを買って台湾に感謝しよう!の気持ちで始めたことで自分が火の車になってしまっては本末転倒です。そこで、このあたりでひと区切りつけたほうがよいと考えました。

というわけで、2011年から続けてきましたsasanoji radio Awardsは、今回の2018年度版をもってひとまず終了といたします。後から見直せば、コレを入れておけば良かった、アレを忘れていたと反省、後悔することばかりでしたが、アンチ金曲奬として始めたこの企画、自分でもけっこう楽しかったです。これからは無理をせず、違う形の楽み方が出来たら…と考えています。

 

それでは今夜のラストナンバー、昨年10月に謝和弦R-chordと一緒に来日コンサートを行なった陳零九Nine Chenの最新アルバム『情歌』から、『給我妳的愛』を聴きながらお別れです。
皆さま、おやすみなさい。sasanoji電台でした。

 

ブログとTwitterはこれからも続けていきますので、よろしくお願いしますね~^^。
最後のS電賞、お楽しみに。

 

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