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白安、ニューアルバムリリース&誕生日、おめでとう!

白安Ann『接下來是什麼 What's next?』(2014)

ann2014
複雑に折り畳まれたリーフレット、思い切って広げてみればナルホドと納得。

 

今回は9月5日リリース、相信音樂B'in Music所属の若手女性シンガーソングライター・白安(バイアン)の2ndアルバム『接下來是什麼 What's next?』(Sony Music)をピックアップします。

 

1曲目に収録、アルバムタイトルナンバー『接下來是什麼』。

 

白安は1991年9月27日生まれ。本日、23歳の誕生日を迎えました。ヽ(*´∀`)ノオメデト─ッ♪

 

2008年、16歳のときにクリエイターズサイト・StreetVoice上で発表した楽曲が好評を博し、同年台北で開催された巨大音楽イベント・簡單生活節Simple Lifeに出演。名プロデューサー・李宗盛Jonathan Leeに認められ、4年後の2012年12月、彼の直弟子・李劍青プロデュースによる1stアルバム『麥田捕手』(Sony Music)でCDデビューしました。彼女はこの作品で第18屆新加坡(シンガポール)金曲獎最佳新人獎を受賞。本家台湾の第24屆金曲獎でも新人賞候補となり、また、ラストナンバー『是什麼讓我遇見這樣的你』は中華音樂人交流協會による『年度十大優良單曲』にも選ばれています。本作『接下來是什麼 What`s next?』は、その衝撃のデビュー作から1年8ヶ月ぶりにリリースされた待望の2ndアルバムです。

 

5曲目に収録、『若你真的有想過』。10曲目収録の『Don't Go』はこの曲のアコースティックバージョン。

 

プロデュースは恩師・李宗盛が務めました[*1]。デビュー作をプロデュースした李劍青は編曲やバイオリン、ギターの演奏等を一手に引き受け、彼女を強力にサポートしています。2人とも良質の素材に手を加え過ぎることなく、その輝きを増すことのみに専念しているようです。キレのあるストリングスやホーンサウンドも加わって、アルバム全体の雰囲気は前作以上にクールです。このままヨーロッパに持って行っても売れるんじゃないかしら…と思うくらい^^。

そして今回とくに驚いたのが、いったいどういう経緯で、どんな繋がりでこうなったのかまったく想像が出来ないのですが、なんと日本でも人気急上昇中のテクノジャズトリオ・Archie Pelago[*2]が参加しているのですよ~。1曲目『接下來是什麼』と9曲目『安慰』の2曲だけですけど、ひょっとするとこれが全体のカラーを決定するキーになったのかもしれません。

 

9曲目に収録、『安慰』。

 

収録されている10曲は前作と同様すべて彼女自身が作詞作曲をしたものですが、この1年半という時間は、どうやら実年齢以上の成長を彼女にもたらしたようです。そもそもデビュー作自体、とても20歳そこそこの女の子が作ったとは思えない大人っぽさを備えた作品でしたが、それでも楽曲のアチラコチラから悩み多き少女が持っているロマンティックな部分が垣間見えていた気がします。それが今作では意図的に…なのか、そういった甘さはかなり抑えられていて、むしろ自己の内面に踏み込んで自問自答するような苦さを感じさせる内容となっています。僕はこのアルバムを聴きながら、蔡健雅Tanya Chuaの『若你碰到他』を思い浮かべてしまったのですが、それくらい円熟味が増して聞こえます。

 

VOGUEほか、女性ファッション誌の表紙やグラビアも飾っている。

 

デビューアルバムの瞬間的吸引力があまりにも強烈だったので、今回はどんなもんかいな…と期待半分心配半分で購入してみたというのが正直なところですが、参りました。相当に聴き応えのある作品に仕上がっています。この舌っ足らずの歌唱スタイルが大丈夫な方であれば、買って損はしないアルバムだと思います。推しです!

 

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脚注

*1:個人アルバムのフルプロデュースは、2011年の楊宗緯『原色』以来ほぼ3年ぶり。

*2:2010年にHirshi、Cosmo D、Krobaの3名によって結成されたNYブルックリン発のフュージョントリオ。エレクトロ、DJイングにチェロ、サックス、トランペットなどの生演奏を融合させたクリエイティブなスタイルで注目を集めている。