きょう最初にお送りした曲は、2020年9月リリース、台湾ネオソウルの新星・LINIONの2ndアルバム『Leisurely』から、ちょっと懐かしい香りのするノリの良いナンバー『Oh Girl』でした。
令和3年8月21日、土曜日。時刻は午後4時4分を回りました。
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。
いよいよ始まりますよ~、2ヶ月遅れの第32回金曲獎が~。
先週の番組で受賞者予想を半分だけやりましたけども、今回はその後半部分ですね、お送りいたします。
と言いたいところなのですが、放送設備(人間)の不調というか、老朽化が酷くてですね、夜になるとすぅ~ぐに電源が落ちてしまうんですね~。で、けっきょく編集作業が間に合わず、予定していた番組を放送することが出来なくなってしまいました。申し訳ございません。お詫び申し上げます。
さて、どうしましょうか。
金曲獎が始まるまで、まだちょっと時間がありますけども。
せっかくですので候補をツマミながら、ダラダラと取り留めのないお喋りでもして時間をつぶしますか。
その前に1曲。2020年11月リリース、昨年芸能界デビュー20周年を迎えました楊丞琳Rainie Yangの12thアルバム『Like a Star』から、ダンナさん・李榮浩が作詞とプロデュースをしたナンバー『像是一顆星星』をどうぞ。
では、後半の歌手部門です。
前回の放送のときに、各部門この人は何回目のノミネートですよ~、とイチイチ言うようにしていましたが、コレ、なんでかというとですね、この人すげえな、という目安になるからですね。いろいろ説明をしなくても、なんとなくそのへん感じてもらえるかな〜という、早い話が手抜きです。後半も同じ手を使っていきます。各アーティストの詳細についてはリンクをいろいろ付けておりますので、ご興味のある方はお手数ですが、そちらを参考になさってくださいませ。
《歌手部門》
【最佳華語男歌手獎】
最優秀華語男性歌手賞です。
瘦子E.SO(陳昱榕)『Outta body靈魂出竅』
林俊傑JJ Lin『倖存者・如你』
吳青峰Wu Tsing-Fong『冊葉一:一與一』
杜振熙(蛋堡Soft Lipa)『家常音樂』[*1]
韋禮安WeiBird『Sounds of My Life』
李泉James Li『十日彈』
この部門のノミネート経験者は4名です。金曲歌王・林俊傑は5年ぶり7回目のノミネートで、2016年(第27屆)と2014年(第25屆)の二度受賞。昨年のWINNER・吳青峰は2年連続2回目。韋禮安は6年ぶり3回目。杜振熙(蛋堡)は7年ぶり2回目で、林俊傑が受賞した2014年(第25屆)に一度ノミネートされています。瘦子E.SOと李泉は今回が初ノミネートです。
ここは女性歌手部門と比べるとどうしてもね~、華がないというか、目立つ柱がないというか。とくに最近はいまいちパッとしない感じだったのですが、今回は強いメンツが並んでますよ。突出して目立っていた人はいないものの、6人とも個性的で、それぞれに華があって。久しぶりに良い意味で頭を抱えてしまいました。
「瘦子E.SOってヘンな名前やな、なんでE.SOて言うの?」
ああ、もちろんニックネームですけど、Eは彼の英語名のEddieの頭文字で、SOは痩せっぽち(瘦)という字の…て、アナタ誰?
「誰て…キミの中に居るもうひとりのキミやがな。現実逃避くんて呼んで」
ぇ゛ぇ〜…。そのゲンジツ…トゥ…、名前長いからトーヒくんでいい?
「まあ…好きに呼び」
はい。そのトーヒくんがなんで突然に?
「相方が居ったほうがハナシ進めやすいやろと思て、わざわざ出てきてやったんやで」
あぁ〜…そうなんですね。お気遣いどうもありがとうございます…。で、トーヒくんは台湾の音楽とか聴いたりするんですか?
「多少な。どっちかというと、インディーズよりメジャーのほうが好みやけどな」
あ、僕もです。似てますね。
「そらあ、もうひとりのキミやからな」
‥‥‥。
「瘦子は金曲獎初めてっぽいけど、前にグループでは受賞してたな」
はい。彼が所属する3人組ラップグループ・頑童MJ116で、2018年(第29屆)に最佳演唱組合獎(最優秀ボーカルグループ賞)を獲ってます。2019年からはグループでの活動を休止して、メンバーそれぞれにソロ活動を充実させているみたいですね。[*2]
「瘦子、意外とメロウでソウルフルやったわ。頑童はガツンとくる系のラップで好んでは聴いてへんかったけど、コレはなかなかエエんとちゃうかな」
中華音樂人交流協會の年度十大專輯にも選ばれていました。
他にこの部門の候補で気になる人います?
「ん〜、やっぱり李泉が気になるな」
1995年デビューの大陸の音樂才子ですね。今の若い子たちの中にはオーディション番組の審査員としての彼しか知らない人も居そうです。
「あと、楽曲提供とかな。范曉萱の『我要我們在一起』や林宥嘉の『眼色』は有名やな」
李泉は今回の金曲獎が初めてかと思ったら、2009年(第20屆)にその林宥嘉の『眼色』で最佳作曲人獎に一度ノミネートされたことがあったんですね。
「基本、大陸の人やし、なかなか台湾の音楽賞に掛かる機会はないやろ。今回は索尼音樂Sony Musicからのリリース?」
はい。よく見てますね。
「まあ…な。台湾内でリリースされれば当然入ってくる人やろな」
では、sasanoji電台の予想です。
本命 韋禮安WeiBird
単穴 李泉James Li
パッと見は気の良い「うたのお兄さん」風で本当に飾らない人なのに、じつは超天才。昨年アルバムデビュー10周年を迎えた韋禮安を本命にしました。今回のアルバムは彼の人柄と才能がメチャクチャ溢れていて、これであげなかったらいつあげるんだよ、と思ってしまったくらい充実してます。そろそろ来そうな予感がしました。
「10年前、デビュー作でイキナリ最佳國語男歌手、最佳新人、最佳國語專輯、最佳作曲人の4部門にノミネートされて新人賞を獲得したんやな。アレは本当に衝撃的やった。とんでもない才人が出てきたなと。マイペースの寡作の人やけど、出してくる作品に間違いはないし、たしかに時期やと思うわ。それより対抗の吳青峰、2年連続受賞あると思う?」
今回の吳青峰も…良いのですよ~。過去に彼がミュージカルや他の歌手に提供した楽曲の2枚組セルフカバー集で、CD1(上冊)に吳青峰作曲のナンバー、CD2(下冊)に吳青峰作詞のナンバーを収録した、選曲にもとてもこだわりが感じられる超一級品のボーカルアルバムとなっています。吳青峰もありそうな気がするんですよね~。
「他の言語の歌手部門では連続受賞あるみたいやけど、華語部門は男女共まだないからな。もし獲ったらこれは大事件やで。まあ、獲らさんつもりやったら最初から入れるなっちゅう話やしな」
単穴は李泉でいいですよね。
「うん、エエと思う。この人の名前があるだけで、この部門の空気がビシィッと締まった気がするわ。先生が本気出したらこんな凄いことになるんやで、みたいなアルバムや」
追記:
第32屆金曲獎【最佳華語男歌手獎】は、杜振熙が受賞しました。おめでとうございます!予想、外しました~!
【最佳華語女歌手獎】
最優秀華語女性歌手賞です。
萬芳Wan Fang『給你們』
巴奈Panai『愛,不到』
孫盛希Shi Shi『出沒地帶』
蘇慧倫Tarcy Su『面面』
田馥甄Hebe『無人知曉』
譚維維Sitar Tan『3811』
この部門でノミネート経験があるのは、萬芳、孫盛希、田馥甄の3名です。萬芳は2011年の第22屆以来10年ぶり2回目。田馥甄は2012年の第23屆以来9年ぶり2回目。孫盛希は2019年の第30屆以来2回目で、いずれも受賞経験はありません。誰が獲っても初受賞となります。
毎年最も華やかで熾烈、次から次へと若手が台頭してきてトップにいた人たちがアッという間に食われてしまう下剋上感漂う部門なのですが、今回はそれがほとんどなくて、上位ランカー同士の戦いの様相を呈しています。ここも男性部門と同様に予想が難しそうですね。
何をニヤニヤしているんですか?
「いや、キミもこの部門好きやろと思って」
はい。ずっとここで喋っていたいですね。トーヒくんは誰推しですか?
「まあズバリ、萬芳やな。歌手としての大きさ、深さ、どれを取ってもこの6人の中ではダントツやろ。女優業でも成功しとるしな」
ですね~。萬芳は1990年にアルバムデビューして以降、毎年のように新作を発表する人気歌手でしたが、2002年に突然歌の世界から退いてしまったんですよね。
「当時、『自分にとって歌うことはただの職業ではないのに、ヒットソングを歌い続けるうちに歌うこと自体が職業化してしまった』と語ってたみたいやけど、その後はラジオのパーソナリティーや女優として活躍、2004年には台湾のエミー賞こと金鐘獎で、最優秀主演女優賞も獲得した」
それらの経験を積んで2010年に歌手活動を再開、今作を含めて4枚のアルバムをリリースしています。復帰後は家族や友人とのつながり、老いや別れをテーマに描いた歌が多いですね。
「ボクらもそうやけど、これくらいの歳になるといろんな人との別れを経験するわな。彼女もそうやと思う。せやから彼女の歌を聴くとそれが伝わってきて、言葉もようわからんのにホロリとしてしまうんやろうな」
蘇慧倫も萬芳と同じ1990年のデビューで、13年ぶりの新作だそうです。僕が台湾ポップスを積極的に聴き始めたのは2009年、2010年あたりからなので、正直、名前しか知らなかったけど、美しい方ですね。とても50歳には見えない。元々はアイドルからスタートした人?
「みたいやね。ボクもよく知らんのやけど。清純派歌手として一世を風靡して、2001年頃から女優業のほうに主軸を移したらしい。ただ萬芳と違って、ドラマの主題歌を歌ったり、コンサートをやったり、完全に歌謡界から離れていたわけではなさそうやね」
1990年といえば、孫盛希が生まれた年なんですよね。その彼女がデビュー30周年を迎えた萬芳、蘇慧倫と同じ部門の候補に選ばれているって、なんだか感動しません?
「へえ~、孫盛希が…!もう30歳かぁ…」
ぇぇ~…、そっちですか…。
「ボクが1stアルバムから聴いている歌手の中で、この人はホンマに凄いな、と思っている1人が孫盛希です」
ほう。どのあたりが凄いなと思いました?
「メリメリ感」
は…?
「新作を出すたび、古い殻をメリメリッと破るように急激に成長していくやろ。このメリメリを感じさせるパワーとスピードを備えた人には、なかなか出会えないと思う」
たしかに。デビューして僅か6年でもう金曲獎の常連になりつつあります。
原住民族・卑南(プユマ)族と阿美(アミ)族のハーフの女性歌手・巴奈はどうですかね。2018年のEP『凱道巴奈流浪記』から2年ぶり、アルバムとしては2000年のデビュー作『泥娃娃』以来20年ぶりだそうです。
「活動家のイメージもけっこう強い人やね…。政府に対して原住民族運動をやったり、2011年の福島原発事故を機に反核運動をやったり。母語ではなくて華語で歌う…いうのんも、なんかな…」
今作はそっちのほうとはあまり関係がなさそうなタンゴアルバムで、中華音樂人交流協會の年度十大專輯にも選ばれていますよ。
「まあ…純粋に音楽としては楽しめたな。なんでタンゴなのかは、ようわからんかったけど」
ははぁ、あまり好きなタイプの歌手ではないと…。
中国四川省出身の実力派歌手・譚維維がここに入っているのは、かなり唐突な感じがしました。彼女、大陸のメジャーレーベル・太合麥田Taihe Rye所属の歌手なんですが…。
「昨年12月リリースのダウンロード版[*3]やな。そこまで候補対象を拡げるようになったんか、それとも男性部門のほうも李泉が入ってたけど、大陸枠みたいなもんでもあるんか…、ちょっとようわからんです」
実は10年くらい前、少しですがココで譚維維を取り上げたことがあって。
「10年前いうたらメッチャ台湾に拘ってた頃やん。よう大陸の歌手を取り上げたな」
後でCDも購入しているので、かなり気に入ったのだと思います。まさか今になって金曲獎で名前を見ることになるとは想像もしていませんでしたが。
「実力は折り紙付きやからな。台湾で作品が流通してるなら普通に候補争いに入ってくる歌手やと思うけど、それでもホンマにあの最後の枠を取れる台湾歌手が他にいなかったのか…、やっぱりモヤモヤするもんがあるな」
手厳しいですね。じゃあ最後、僕らが大好きな田馥甄Hebeいきますか。
Hebe、相変わらず可愛いですよね。
「うん…」
S.H.Eの三女・Hebeも、今年で38歳になりました。
「年齢はカンケーあらへん」
2010年9月に1stアルバム『To Hebe』でソロデビューして10年。今回の金曲獎では曹雅雯と桑布伊の8部門に次ぐ7部門にノミネートされてます。トーヒくんは10年前、Hebeがここまで大きなソロシンガーになると思ってた?
「う~ん、どうだったやろ…。プロデュースの関係もあったと思うけど、アイドルからアーティストの方向に大きく舵を切ろうとしていたのは感じたな。『S.H.EのHebe』が一所懸命背伸びしているふうに見えた」
メンバー3人ともソロ活動を活発化させていた時期で、S.H.E解散説もチラホラ流れていた。
「そう。もし…、もしもの話をするけど、あのとき任家萱Selinaの事故がなかったら、ひょっとしたらあそこでS.H.Eは解散して、今のHebeとは違う、別のHebeがここにいたかもしれない、と考えることがたまにある」
2010年10月に起きた上海でのドラマ撮影中の事故だね。あれは本当にショックな出来事でした。
「言い方が適切じゃないかもしれへんけど、ちょっと離れつつあった3人の距離が、あの後またグッ…と縮まって、本当の三姉妹のような、より強いアットホームな雰囲気が感じられるようになったなと。で、S.H.Eの3人は温かいトライアングルを保ったまま、2018年に長年彼女たちを育てた所属レーベル・華研國際音樂HIMからそれぞれに巣立っていったんやね」
Hebeのこの4年ぶりの新作は「S.H.Eの…」という冠が取れた初めてのアルバムになります。僕はとても穏やかで温かいものを感じたんだけど、プロデューサー陣やクリエイター陣を大きく変えたことも影響しているのかな。
「それもあるやろな。でもやっぱりHebeやと思う。まろ味が出たというか、肩の力が抜けたというか、とてもリラックスして歌ってるのがわかる。あぁ~、良いボーカルアルバムやな~て素直に思うわ」
僕も同感です。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 田馥甄Hebe
対抗 萬芳Wan Fang
単穴 巴奈Panai
「Hebeを本命にしたか~。ここは迷うわな~」
マジ迷う。Hebeと萬芳、どちらかだと思うけど~。もし他の人が来たらショックで倒れるかもしれない。
「巴奈とか?」
アヤシイよね~、どう考えても。いくら久しぶりにアルバムを出したからってさ~。ここに入れるかあ~?何か選考委員たちの思惑を感じるんですよね~。
「で、単穴に置いといたか」
そう。
「今夜が楽しみやな」
追記:
第32屆金曲獎【最佳華語女歌手獎】は、本命・田馥甄が受賞しました。おめでとうございます!
それではここで1曲いっておきましょうか。2020年6月リリース、高雄出身の男女4人組バンド・淺堤Shallow Levéeの1stアルバム『不完整的村莊』から、誰かが隣に居てくれることの幸運を描いた、本当に瑞々しい青春いっぱいのナンバー『信天翁』をどうぞ。
ほらあ~、女性歌手賞のとこでダラダラ喋りすぎたせいで~、時間が足りなくなってしまったじゃないですか~。どうするんですか~。
「知らんがな。だいたいそれ、キミの目論見どおりやろ」
‥‥‥。
「‥‥‥」
予想だけ、しときますか。
「‥‥‥」
【最佳台語男歌手獎】
最優秀台湾語男性歌手賞です。
許富凱Henry『拾歌』
楊肅浩Yang Su Hao『噶瑪蘭的風吹』
伍佰Wu Bai『透南風演唱會影音全紀錄』
浩子Haozi『共你惜惜』
荒山亮Ric Jan『等待好天』
許富凱は2年ぶり7回目のノミネートで、これまで受賞はナシ。伍佰先生は4年ぶり4回目で2006年(第17屆)に一度受賞。荒山亮は3年ぶり5回目で2012年(第23屆)に一度受賞。楊肅浩と浩子は1stアルバムで初ノミネートとなっております。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 許富凱Henry
対抗 荒山亮Ric Jan
単穴 浩子Haozi
ここはぶっちゃけ、許富凱一択でしょう~。7回目のノミネートですよ?この歌唱力で受賞出来ないんだったら、あと何を頑張ればいいんだという話ですよね。
「その希望をアッサリ砕いてきたのも、金曲獎やからね…」
‥‥‥。
追記:
第32屆金曲獎【最佳台語男歌手獎】は、本命・許富凱が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳台語女歌手獎】
最優秀台湾語女性歌手賞です。
朱海君Angel Chu『夢見蘇西』
曹雅雯Olivia Tsao『自本』
蔡家蓁Kelly Tsai『若是你 想欲了解我』
黃妃Huang Fei『色違』
張涵雅Hanya『上半場』
黃妃は4年ぶり9回目で2016年(第27屆)と2011年(第22屆)の二度受賞。曹雅雯は4年ぶり3回目で2017年(第28屆)に一度受賞。昨年の受賞者・朱海君は2年連続3回目。張涵雅は2年連続5回目ですが、受賞はまだありません。蔡家蓁は2ndアルバムで初ノミネートです。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 張涵雅Hanya
単穴 黃妃Huang Fei
朱海君がSpotifyにラインナップされてなくて聴けていないんですけど…。
「それ、前回同じ理由で濁水溪公社を予想から外したら、濁水溪公社が最佳台語專輯獎を獲ったパターンがあったな」
そうなんですけどね。でも朱海君は前回の受賞者だから…、ここの2年連続はたぶん無い。むしろ黃妃の三度目がありそうな気がする。
追記:
第32屆金曲獎【最佳台語女歌手獎】は、対抗・曹雅雯が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳客語歌手獎】
最優秀客家語歌手賞です。
曾仲瑋Robin Tseng『O Nga O Nga』
謝宇威Hsieh Yu-Wei『那三年』
黃珮舒Huang Pei Shu『出門看看』
春麵樂隊ChuNoodle『到底』
羅文裕Wing『當太陽升起時』
謝宇威は2年ぶり5回目で2004年(第15屆)に一度受賞。羅文裕は5年ぶり2回目で2016年(第27屆)に一度受賞。曾仲瑋は4年ぶり2回目。黃珮舒は2年連続3回目。春麵樂隊は1stアルバムで初ノミネートです。
では、sasanoji電台の予想です。
対抗 羅文裕Wing
「知ってるやつ、並べただけやろ」
だって~、何を基準に評価すればいいのかわからないのですよぉ~。
「もう、本命も穴もカンケーないな…」
追記:
第32屆金曲獎【最佳客語歌手獎】は、対抗・羅文裕が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳原住民語歌手獎】
最優秀原住民語歌手賞です。
達卡鬧Dakanow『流浪的 NaLuWan』
桑布伊Sangpuy『得力量 pulu'em』
姚宇謙Lowking『散步到地平線』
馬曉安Ciwas Losin『早安』
žž瑋琪『žž』
桑布伊は4年ぶり3回目で2017年(第28屆)と2013年(第24屆)の二度受賞。達卡鬧は8年ぶり2回目。姚宇謙、馬曉安、žž瑋琪は1stアルバムで初ノミネートです。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 桑布伊Sangpuy
対抗 達卡鬧Dakanow
単穴 žž瑋琪
ここはやっぱり桑布伊を本命にしてしまいますよね~。さすがに姚宇謙、馬曉安、žž瑋琪ら若い世代は持って来れなかった。桑布伊や達卡鬧があまりにも大きすぎます。
「単穴のžž瑋琪はなんで?」
まだ若いのに、けっこう渋めのボーカルで気に入ったので…。
「たしかに、要注目やな」
追記:
第32屆金曲獎【最佳原住民語歌手獎】は、本命・桑布伊が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳樂團獎】
最優秀バンド賞です。
OVDS『黑的韌性』
生祥樂隊Sheng Xiang & Band『野蓮出莊』
康士坦的變化球KST『更迭』
告五人Accusefive『運氣來得若有似無』
落日飛車Sunset Rollercoaster『SOFT STORM』
漂流出口Outlet Drift『海女』
deca joins『鳥鳥鳥』
OVDSと生祥樂隊は3rdアルバムで、康士坦的變化球、漂流出口、deca joinsは2ndアルバムでそれぞれ初ノミネート。告五人は2年連続2回目。落日飛車は2年ぶり2回目です。ここに麋先生Mixerの名前が無いのは、けっこうショッキングな光景ですね。同じ相信音樂所属の告五人は選ばれているのに…。
では、sasanoji電台の予想です。
単穴 康士坦的變化球KST
「告五人は2017年結成でまだ新しいバンドやけど、評価が高いな。いろんな音楽賞で名前を見掛けるわ」
2017年の1st EP『迷霧之子』でもう話題になってましたよね。曲によってスタイルを変えてくるのが、ちょっと抵抗あるところですけど、そこを乗り越えればスッと懐に入ってくるバンドですよね。
「落日飛車は文句なしか」
いや、正直どれも来そうな気がしてよくわからんです。
「またそれか…」
追記:
第32屆金曲獎【最佳樂團獎】は、本命・落日飛車が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳演唱組合獎】
最優秀ボーカルグループ賞です。
守夜人Night Keepers『使者』
追風少女FALI『玖貳玖』
張三李四Chang & Lee『Seen it all?』
原子邦妮Astro Bunny『樂遊原』
尋人啟事The Wanted『Dear Adult』
張三李四は3年ぶり3回目で2016年(第27屆)に一度受賞。原子邦妮も3年ぶり3回目ですが、コチラは受賞はナシ。守夜人は2年連続2回目。追風少女と尋人啟事は1stアルバムで初ノミネートです。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 追風少女FALI
今回のこの部門は凄いメンツを並べてきましたね。全部本命にしたいくらい。
「追風少女て、おもろい名前やな。キミの推し?」
双子の姉妹ともう1人の女の子が2017年に結成した3人組原住民族ユニットで、全員誕生日が一緒という。
「ナルホド、その設定だけでキミ食いつきそうやな」
‥‥‥。
追記:
第32屆金曲獎【最佳演唱組合獎】は、対抗・尋人啟事が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳新人獎】
最優秀新人賞です。
YELLOW黃宣『浮世擊』
熱寫生heat sketch『豆皮少年』
李浩瑋Howard Lee『Diamond In The Rough』
青虫aoi『有你的故事』
理想混蛋Bestards『愚者』
李友廷Yo Lee『如果你也愛我就好了』
壞特?te(Whyte)『A Bedroom of One's Own』
バンドが3組、イケメン男子2組、謎の帽子の美女1組、スキンヘッドのナイスガイ1組…。これは面白い~。2020年の新人は数も多かったですが、個性派揃いですね。ここも選ぶのが難しそうです。
では、sasanoji電台の予想です。
本命 青虫aoi
対抗 理想混蛋Bestards
単穴 壞特?te(Whyte)
「YELLOWて見た目もアレやけど、新人やったんか!ていうくらい露出が多かったな。前回の9m88的なポジション?」
大方の予想を覆して、まさかの~持修、みたいな。
「今回もそれがあると?そういえば前回、その持修を予言してたな」
なんか今回もどんでん返しがありそうな気がするんですよね~。個人的には壞特?teに獲ってもらいたいですけどね。
「彼女みたいなタイプは金曲獎ではちょっと不利やな。言語部門に振り分けにくいやろ」
たしかに。ちょっと気の毒だった。言語縛りがネックになる場合もあるんですね。
追記:
第32屆金曲獎【最佳新人獎】は、単穴・壞特?teが受賞しました。おめでとうございます!
以上が主要部門の候補と予想でした。
関連部門の予想は時間の関係で省略いたします。アーティスト等の詳しい情報はリンクをいろいろ付けておりますので、ご興味のある方、ぜひチェックしてみてくださいね。それから演奏類(インストゥルメンタル部門)のほうで、台湾で活躍する日本人バンド・東京中央線(大竹研,早川徹,福島紀明)のアルバム『Fly By Light』が最佳演奏錄音專輯獎にノミネートされておりますので、コチラも注目しておきましょう。
《関連部門》
【最佳作曲人獎】
曹雅雯,鍾興民(曹雅雯『鹹汫』)
HUSH(蘇慧倫『安和』)
潘雲安(告五人『在這座城市遺失了你』)
桑布伊(桑布伊『maava / 擁抱 / Embrace』)
韋禮安(韋禮安『I Wrote a Song for You』)
艾怡良(艾怡良『我這個人』)
追記:
第32屆金曲獎【最佳作曲人獎】は、HUSHが受賞しました。おめでとうございます!
【最佳作詞人獎】
黃婷(萬芳『阿峰今天沒有來』)
陳昱榕(瘦子E.SO『伯父』)
武雄(曹雅雯『罔市只能回味』)
小寒(林俊傑『倖存者』)
葛大為(田馥甄『無人知曉』)
杜振熙(蛋堡Soft Lipa (杜振熙『蜘蛛』)
追記:
第32屆金曲獎【最佳作詞人獎】は、葛大為が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳編曲人獎】
黃少雍(萬芳『好風景』)
鍾興民(曹雅雯『鹹汫』)
蔡侑良(鄭興『戀物癖』)
YELLOW黃宣(呂薔『你是不是誤會什麼』)
嘟嘟(JADE『Last Animals』)
大象體操(大象體操『敬啟者』)
追記:
第32屆金曲獎【最佳編曲人獎】は、鍾興民が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳專輯製作人獎】
黃韻玲(萬芳『給你們』)
張三,曹雅雯(曹雅雯『自本』)
米奇林,剃刀蔣,孫盛希(孫盛希『出沒地帶』)
陳建騏(田馥甄『無人知曉』)
曾仁義,洪子龍,桑布伊(桑布伊『得力量 pulu'em』)
李泉,嚴俊(李泉『十日彈』)
追記:
第32屆金曲獎【最佳專輯製作人獎】は、陳建騏が受賞しました。おめでとうございます!
【最佳單曲製作人獎】
李欣芸(光良『爛天氣』)
周杰倫(周杰倫『Mojito』)
YELLOW黃宣,余佳倫(YELLOW黃宣,9m88『怪天氣』)
方大同(方大同『麵麵』)
黃雨勳(盧廣仲『刻在我心底的名字』)
荒井十一(莫文蔚,郭一凡『自洽』)
追記:
第32屆金曲獎【最佳單曲製作人獎】は、方大同が受賞しました。おめでとうございます!
後半、駆け足になってしまって申し訳ありませんでした。
今回の第32屆金曲獎の候補を眺めてみて、台湾語にしても、客家語にしても、原住民語にしても、若者たちに馴染みやすい現代的なスタイルの作品やアーティストを、いつもより多めに配している印象を持ちました。民族固有の言語や伝統文化を如何に守り、次の世代に継承していくかという今の台湾の重要な問題、それを改めて意識させるような候補選定が為されていたんじゃないかなと、僕は日本人ですけども、そんなふうに感じました。
それにしても今回は難しかったですよ~。どれもありそうな気がして、聴けば聴くほど分からなくなってしまいました。よくもこんなメンツ並べてくれましたね選考委員、と恨み言を言いながら選びましたよww。
まあ~、なんでアレが入っていないのとか、コレが入っているのって実際どうよとか、思うところはいろいろありましたけどね。なんだかんだ言って金曲獎は台湾のお祭りですから。僕ら日本人は予想して遊びながら、今夜の結果発表を楽しみに待ちましょう。
それではこの時間最後の曲です。2020年5月リリース、問題總部It's Your Faultの1stアルバム『User Guide: I』から、5曲目に収録のナンバー『Monday Morning』を聴きながら一旦お別れです。金曲獎後の反省会で、またお会いしましょう。お相手はsasanoji電台でした。
「あ、この人の予想な、ほとんど当たらへんねん。選ばれた候補の人、お気の毒やったな」
* * * * * *
本日のオンエア曲
* * * * * *
関連記事
第32屆金曲獎の予想は、激ムズ!(2021年8月14日)
* * * * * *
脚注
*1:杜振熙(蛋堡)の 『家常音樂』は、CD版(完売)、ダウンロード版ともに2019年に彼が起ち上げた個人レーベル・任性的人からの購入に限られるため、全体を確認することが出来ませんでした。蛋堡曰く、今後も他のプラットフォームで公開する気は全くない、とのことです。
*2:今年4月、久しぶりに頑童としての新曲『Sweet Baby』を発表。健在をアピールしている。
*3:候補発表後の2021年6月、海蝶音樂からCD版もリリースされた。