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復活、林凡。

林凡Freya Lim『眼涙流回去』(2010)

Freya-lim2010

 

1979年台湾生まれ、マレーシア国籍[*1]を持つ実力派女性シンガー・林凡(リンファン)の4thアルバムです。前作『非愛不可・心林凡』が全編英語の洋楽カバーアルバムだったので、國語のオリジナル作品としては2001年の2ndアルバム『都是他』以来、じつに9年ぶり。全11曲のうち1曲はこのアルバムの楽曲をメドレーにしたもの、また歌詞を英語にしたバージョンも1曲含まれていますので、9曲が新曲という感じですね。
今夜(9日)23時からBS日テレでスタートする台湾ドラマ『結婚って、幸せですか』(原題:犀利人妻)では、このアルバムの曲を主題歌、挿入歌としてフィーチャーしています。

 

3曲目に収録、ドラマ『犀利人妻』のOPナンバー『五天幾年』。

『犀利人妻』は昨年11月から台湾で放送されていた全23回の連続ドラマです。4月に最終回がオンエアされたばかりですが、もう日本でやるのですねー。台湾ではたいへんな高視聴率を獲得していて、『小三』という流行語を生み出したほど。『第三者』を意味する言葉だそうですが、このドラマでの『小三』とは…『不倫相手』を指しているのですね~。『犀利人妻』とは、そーいうドラマです^^。使い古されたテーマですが、既にハマッた日本の華流ファンも大勢いるようですよ~。

 

林凡は1999年に友人たちとカラオケで歌っているところをスカウトされ、2000年に自身の名を冠したアルバム『林凡』でデビューしました。このアルバムは台湾の大手CDショップの売り上げランキングで半年間もトップをキープ、12万枚を超える大ヒットとなりました。そして翌2001年、彼女は第12屆金曲獎『最佳新人』部門にノミネートされるのですが、巡り合わせといいますか、同期にはシンガポールの歌姫・孫燕姿やマレーシアの才女・戴佩妮、男性陣では周杰倫らもいて、実力がありながら以降注目される機会に恵まれてきませんでした[*2]。

 

6曲目『眼涙流回去』。ひと昔前のカラオケビデオっぽい雰囲気が漂うところは大目に…^^;。

 

2ndアルバム『都是他』をリリースした翌年、アメリカの大学を卒業した林凡は心機一転新たなレコード会社で新作のリリースに向け準備していました。ところが相次ぐ担当者の入れ替えによってこの企画は頓挫…。その後しばらくは懐かしの洋楽を紹介する番組などを担当していたようです。2007年、それがキッカケで全編英語による洋楽カバーアルバム『非愛不可・心林凡』をリリース出来たものの、再び渡米…。同期が活躍する中、彼女の心境は如何ばかりであったことか…。

 

林凡は米大学でマスコミ学の修士号を取得し、2009年に帰国。再び新会社に移り、ようやく待望の標準中国語(華語)によるオリジナルアルバム『眼涙流回去』(滾石唱片)をリリースすることができました。そしてこのアルバムの曲が台湾ドラマの主題歌・挿入歌に採用され大ブレイク。今年の第22屆金曲獎では『最佳國語女歌手』部門にノミネートされています。
彼女自身はこれまでのことを振りかえって、『悔しいけれど、人は前向きに考えないと。芸能人にも運が必要なのだから』と割り切っているようです。

 

ドラマのED主題歌となった『重傷』は、金曲獎『最佳年度歌曲』部門にノミネートされています。

 

C-POPアルバムでは珍しくありませんが、この『眼涙流回去』にも複数の特別バージョンがあって、特別寵愛版はアロマリップクリーム付き。台湾預購版は『眼涙流回去』の限定シングルと、ライブ『犀利女聲大河岸』の入場券付き…という日本では微妙なお得感^^;。ドラマ『犀利人妻』の挿入歌7曲入りのコンピレーションアルバムも4月に発売されていますが、OPとED含め4曲がこの新作からのものです。HMVにはカラオケを含む全20曲入りのサウンドトラック(香港盤)がラインナップされていました。僕は買いませんけどネ。洋楽カバーの英語アルバム『非愛不可・心林凡』はとても良い出来らしいので、機会があればぜひ聴いてみたいです。

 

復活成った林凡。彼女の憧れの人は、いま台湾のネット上で大人気のダンスおじさん『舞棍阿伯』なのだとか…。60歳になる社交ダンスの先生だそうですが…。フレヤ、大丈夫か…。

 

『はやし・ぼん』って言っちゃうゾ^^。

 

* * * * * *

脚注

*1:父親がマレーシア華僑。

*2:最佳新人獎は孫燕姿が受賞した。