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第24屆金曲獎・最優秀年間楽曲賞 -ノミネート編-

昨年は自信を持って胡夏の『那些年』と予想しましたが、結果は五月天の『諾亞方舟』でした。これはもう、完全にハズしました…^^;。

今回の最佳年度歌曲獎候補は、以下の5作品です。

 

【第24屆金曲獎最佳年度歌曲獎】

黃韻玲『回味』《永恆。承諾》
林憶蓮『無言歌』《蓋亞》
陳永龍『海岸線』《海岸線》
張懸『玫瑰色的你』《神的遊戲》
蔡依林『大藝術家』《MUSE

 

中華音樂人交流協會の年度十大優良單曲と共通しているのは張懸の『玫瑰色的你』のみ。また、音樂推動者大獎の年度歌曲部門候補には蔡依林以外の4名が入っていますが、黃韻玲は『回味』ではなく『冰島』が、林憶蓮は『無言歌』ではなく『柿子』が選ばれています。

ここは試行錯誤した様子が窺えるラインナップです。5曲それぞれスタイルが異なり、全体的に渋い雰囲気を醸し出しています。僕が選んだ個人的Song of the Yearとも全く重なっていませんが、これはこれでアリだと思いました。黃韻玲と張懸が入っているだけで点数高いです^^。

 

黃韻玲Kay Huangは歌だけでなく女優や司会、オーディション番組の審査員などでも活躍する芸能キャリア30年を超えるベテランシンガーソングライターですが、同部門でのノミネートは意外なことにこれが初めてのようです。『永恆。承諾』は2010年の『美好歲月』以来2年ぶりにリリースした10枚目のスタジオ録音アルバム。『回味』は1994年製作の映画『飲食男女』の続編『飲食男女 好遠又好近』の主題歌で、黃韻玲は今回、最佳作曲人部門にもノミネートされています。また、アルバムをプロデュースした鍾興民が最佳專輯製作人部門の候補となっています。

落ち着いた温かみのある彼女の歌声はしみじみ系の映画やドラマによく合います。同じく『永恆。承諾』に収録されている『女朋友男朋友』は、60~70年代のプログレを思わせる曲調が耳に残る1曲。こちらは張孝全、桂綸鎂、鳳小岳主演による微妙な三角関係を描いた映画『女朋友。男朋友』の主題歌です。

 

林憶蓮Sandy Lamの『無言歌』は、イントロのグレゴリオ聖歌がひじょうに印象的。新生・林憶蓮を象徴する、前衛的で優美な1曲です。が、最優秀年間楽曲とするにはやや難解でしょうか…。

 

陳永龍は台湾東海岸地域に多く住む原住民族・卑南プユマ族出身のフォークシンガーです。20歳の頃から陳建年、紀曉君、重鎮・胡德夫、Suming、昊恩、阿洛らと活動を共にし、2009年、1stアルバム『日光・雨中』でCDデビューしました。候補曲『海岸線』は2ndアルバム『海岸線』のタイトルナンバー。都会に出た若者たちがふと思う故郷の山や海、川、陽光、田園、田舎の家…。台湾人も日本人も変わらない、そんなノスタルジックな気持ちがギュ~ッと詰まっています。

 

張懸Deserts Xuanが3年ぶりにリリースしたアルバム『神的遊戲』とリードナンバー『玫瑰色的你』は、このブログで最も推していた1枚、1曲です。以前『玫瑰色的你』は年度十大優良單曲、音樂推動者大獎の年度歌曲候補に選ばれるだろうと書きましたが、実際そのとおりとなりました。でも、金曲獎の最佳年度歌曲部門候補に入ることまでは予想していなかった。『玫瑰色的眼鏡』(rose-coloured glasses… バラ色のメガネ、あるいは楽観的の意)をキーワードとしたMVを含めかなり難解な歌で、ノミネートされるならむしろ最佳音樂錄影帶部門のほうではないかと思っていたくらいです。今回、候補が発表されたときここに『玫瑰色的你』を見つけて、なんとなく今年の金曲獎は雰囲気が違うと感じました。張懸は本名の焦安溥で最佳作詞人部門にもノミネートされています。

 

蔡依林の『大藝術家』は…、とても金曲獎らしいと思いました^^。

 

僕は『台流』を最も強く感じた陳永龍の『海岸線』を本命に推します。対抗は歌詞に込められた鋭いメッセージが耳に痛い張懸の『玫瑰色的你』、単穴は落ち着いた歌声が耳に優しい黃韻玲の『回味』でどうでしょう。