sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

第33屆金曲獎のノミネートリストを見て、sasanoji電台がグチります。

 

今夜最初にお送りした曲は、2021年12月リリース、女性シンガーソングライター・吳蓓雅PiAの初台湾語アルバム成功的人から、タイトルナンバー成功的人でした。

 

 

令和4年5月22日、日曜日。時刻は午後10時5分になるところです。

皆さん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

台湾最大の音楽賞・第33屆流行音樂金曲獎The 33rd Golden Melody Awardsの開催スケジュールとノミネートリストが、先日発表されました。

今回はEPを含む1,544枚のアルバム、20,721の作品がエントリー。うちデジタルリリース作品は前回よりも176件増1,103件ということで、まあそういう時代になりました。その2万以上ある作品を83名の評審員が約3ヶ月を掛けて絞り込み、27の部門に173の候補を選出しています。

今年の開催地はいつもの台北ではなく、台湾語の話者数が最も多い地域、台湾南部の高雄です。コロナ感染者数がまた増加しているのがちょっと心配ですけども、現在までのところ、プレイベント・金曲國際音樂節Golden Melody Festival6月24日~26日高雄流行音樂中心Kaohsiung Music Centerで、授賞式典7月2日土曜日高雄市現代化綜合體育館Kaohsiung Arena(通称・高雄巨蛋K-Arena)で行なう予定となっています。
近年、台湾では言語を含め民族独自の文化を重視しよう、回帰しようとする動きが加速していますが、高雄での開催には、これまで《中華圏で最も影響力がある音楽賞》と呼ばれていた金曲獎を、《台湾の独自色を強く押し出した音楽賞》に変えていこうという、そんな意図も見える気がしますね。

 

 

今夜の2曲目です。2021年5月リリース、2005年結成の男性3人組台湾語バンド・拍謝少年Sorry Youthの3rdアルバム歹勢好勢から、タイトルナンバー歹勢好勢をどうぞ。

 

 

候補をざっと見てみました。シンガポール出身の金曲女王、実力派女性シンガーソングライター・蔡健雅Tanya Chuaが主要関連合わせて最多の8部門にノミネートされて、久しぶりに大きな注目を集めていますね。次いで多いのが、コチラも金曲獎の常連です、魏如萱Waa Weiが最佳裝幀設計獎を含めて7部門新寶島康樂隊New Formosa Bandのメンバーとしても活躍している客家金曲歌王・黃連煜Ayugoも最佳裝幀設計獎を含めて同じく7部門…、あ、新寶島康樂隊でもノミネートされているので…それも入れると全部で10部門ですか。スゴッ^^;。2011年結成の台湾語バンド・百合花Liliumは最佳裝幀設計獎を含めて5部門。元・F.I.R.(飛兒樂團)のボーカル・詹雯婷Fayeは2ndアルバムで4部門。それから、僕はこの方のこと名前しか知らなかったのですが、大陸のレジェンド・崔健Cui Jian4部門にノミネートされて驚きの声が上がっています。血肉果汁機Flesh Juicer盧廣仲Crowd Lu4部門ですが、盧廣仲が今回少なめなのが少々気になるところでしょうか。僕の推し、新進客家シンガーソングライターの黃宇寒Hanが主要3部門でノミネートされていて、これは嬉しいですね。最佳新人獎の候補に珂拉琪Collageの名前があったのも感激いたしました。

 

 

今夜の3曲目です。2021年6月リリース、パンクロックバンド・巨大的轟鳴Gigantic Roarのボーカルで、春艷Chunyanとのユニット・夜貓組Yeemaoのメンバーとしても活躍中。2019年の第30屆金曲獎で最佳國語男歌手獎を受賞しております男性シンガーソングライター・Leo王のソロ5枚目のEP消化不良から、白飯をどうぞ。

 

 

一方で遺珠と呼ばれる選から漏れた歌手や作品が話題となるのも、この金曲獎という音楽賞の特色…と言いますか恒例と言いますか、毎度モヤモヤさせられるところです。
候補発表後、この《遺珠》に関して今回の評審団長を務める音楽プロデューサーの阿弟仔Adiaがコメントしておりました[*1]。まず最初に《最大遺珠》として蕭敬騰Jam Hsiaoがファイナリストに残っていないことへの質問が記者からあって、それについては『個人部門への応募が無かった』と答えています。そうなんですよね、金曲獎は推薦制ではなくて、アーティストやレーベルからの応募制なのですよ。蕭敬騰は今回新しい人に機会を与えたいということで、所属する華納音樂Warner Musicに申し出て敢えてエントリーしなかったようです[*2]。それから《4大遺珠》として、蘇打綠Sodagreen改め魚丁糸Oaeen艾怡良Eve Ai彭佳慧Julia Peng小宇(宋念宇)Xiao Yuら実力者4組の名前も挙がっていましたが…、まあそうですね、魚丁糸と彭佳慧はノミネート無し、艾怡良と小宇は最佳作曲人獎の1部門のみですから、これは…う~ん、たしかに寂しいですよね。なんでコレが入っててあのアーティストや作品が入っていないのかな、という疑問は毎回あるのですけどね。

 

 

今夜の4曲目は、2012年の第12屆金曲獎で孫燕姿戴佩妮周杰倫范瑋琪らと新人賞を競ったベテランです。2021年6月、療愛歌姬・林凡Freya Limが7年ぶりにリリースした新作、7thアルバム再見から、タイトルナンバー再見をどうぞ。

 

 

もう1つ気になる話がありまして。金曲獎では毎年重視する基準を変えているのですか?その年の評審団長を務める人の意向が大きく反映されるという噂を聞いたことがあるのですが、もし事実だとしたら、それもどうなのかなと思いますね。今回は《多様性》を重視すると評審団長の阿弟仔は言っているようですけども、だってそれって完全に巡り合わせになってしまうわけじゃないですか。候補から外れた、受賞を逃した最終的な理由がもしもソレだとしたら、精魂込めて作品を生み出している側からすれば、何かモヤるものが残りますよね。そういった基準が安定しないところも、金曲獎をわかり難くしている要因の1つではないのかなという気がします。ま、台湾人のお祭りですので、日本人の僕がどうこう口出しする話でもないですが…。

 

結局今夜は最後まで愚痴ばかりになってしまって~。ごめんなさい^^;。

とにかく今年も金曲獎シーズンが始まりましたよ。予想、どうしましょうかね~。前回は、候補の顔ぶれにはほとんど文句なかったです。実力伯仲、良い選出だなと思いました。その分、受賞者予想が激ムズだったのですけども。今回は候補の選出自体に謎の部分が多くて、なんだか中途半端な出来に感じられて…。まあ時間あと1ヶ月ありますので、気が向いたらやってみようかなと思っております。

 

 

それでは今夜最後の曲にまいりましょう。2021年10月リリース、童顔ですが先日32歳になりました。信じられないでしょ^^。魏嘉瑩Arrow Weiの3rdアルバム你好嗎?から、4曲目に収録の石之心を聴きながらお別れです。

来週あたりから東京も梅雨に入るんですかね。また鬱陶しい季節がやって来ますが、皆さん、体調管理には十分に気をつけてお過ごしくださいませ。では今夜はこの辺で。お相手はsasanoji電台でした。ごきげんよう。拜拜!

 

 

冰球樂團とか、LEEとか、淺堤とか、傻子與白痴とか、南西肯恩とか、……とか、……とか、……。

 

 

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本日のオンエア曲

 

 

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脚注