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第33屆金曲獎予想【反省会】

令和4年7月17日、日曜日。時刻は午後10時になりました。

皆さん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

今回は、第33屆金曲獎予想の反省会です。

本当は先週お送りする予定だったのですが、皆さん御存じのとおり衝撃的な事件がありまして、1週間延期することにいたしました。正直、まだ鬱々とした気分は抜けておりません。まあ事件のショックというよりも、その後の故人や家族に浴びせられる心無い言葉…ですか、それを軽々しく口に出来る人のあまりの多さ、そっちの闇の深さのほうにやられてしまった感じで、それで第2廣播(Twitter)でもほとんど呟く気が起きないような状態となっておりました。申し訳ございません。そろそろ気持ちを立て直していかないと、ということで、少々テンションを上げ気味でやっていこうと思っております。よろしければしばらくお付き合いくださいませ。

 

 

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第33屆金曲獎
The 33rd Golden Melody Awards

 

第33屆金曲獎星光大道及頒獎典禮Live直播
第33屆金曲獎星光大道Live直播
第33屆星光大道媒體訪問區
第33屆金曲獎頒獎典禮Live直播
第33屆頒獎典禮得獎感言區

 

 

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さて、先々週の土曜日、7月2日ですね、第33屆金曲獎の発表授賞式が無事開催されました。通常のスケジュールどおり滞りなく行なわれたのは、2019年の第30屆以来3年ぶりとなります。コロナ禍の影響で2020年の第31屆は10月に延期、昨年の第32屆は8月に延期されて、会場はいつものTaipei Arena(台北小巨蛋)ではなく、Taipei Music Center(台北流行音樂中心)というキャパが半分くらいの場所で、しかも昨年はレッドカーペットから無観客、関係者のみでの開催でしたからね。やや物足りなさが残る金曲獎となってしまいましたが、今回は南部・高雄にありますK-Arena(高雄巨蛋)、Taipei Arenaと同等規模の大きな会場で、有観客で行なわれました。

まあ~始まる前は、ノミネートリストを見て、なんだコレは、と。不可解だ~、こんなの予想ムリだ~、なんて文句ばっかり言ってましたけどもww。終わってみれば獲るべき人が獲った、意外とオーソドックスな結果だったのかなという印象でした。蔡健雅の4部門受賞然り、黃連煜の3部門受賞然り。魏如萱が1つも獲れなかったのはかなり気の毒でしたけども…。そう、羅時豐の司会も良かったですよ~。國民姑丈(国民のオジサン)ね。男性が司会を務めたのは2018年の第29屆、蕭敬騰以来ですか。最初発表されたときは、エェ~…大丈夫かぁ~、と心配をしましたが、さすが国民のオジサン。落ち着いた雰囲気で、ゲストの子供たちとのふれあいもあったりして。こんな優しい金曲獎もいいな、来年も彼でいいんじゃないかしらと思いました。OPで風邪薬のカプセルに乗って登場するのは、やり過ぎのような気がしないでもなかったですがww(羅時豐は風邪薬《斯斯感冒膠囊》のCMでお馴染み)。

 

 

では、予想と結果を振り返っていきましょうか。

 

第33屆金曲獎《年度歌曲獎》:茄子蛋『愛情你比我想的閣較偉大』

 

今回はイキナリ年度歌曲獎から始まってビックリしました~。日本で言えばレコード大賞に相当する部門です。それを最初に発表したのですが、見事に予想を外しましたね。というか深読みをしすぎました。昨年のKKBOX年間シングルチャートで第1位を獲得した茄子蛋『愛情你比我想的閣較偉大』、言い訳になりますが予感はしていたのですよ。でも前回の受賞作が映画の主題歌だったので(盧廣仲『刻在我心底的名字』)、同じく映画の主題歌である『愛情你比我想的閣較偉大』は今回は来ないかな~と読みました。ここは素直に予感に従っておけばよかったと後悔しております。まさに出鼻を挫かれた、というヤツです。あ、最後は『如果可以』(韋禮安)、『玻璃心』(黃明志)との決選投票になったのですか。『玻璃心』、これが受賞するシーン(大陸がどんな反応をするのか)も見てみたかったですねww。

 

 

第33屆金曲獎《最佳新人獎》:珂拉琪

 

ここは的中いたしました。今回の金曲獎は多様性を重視しているということだったので、これは文句なしの受賞でしょう。僕もずっと彼らに注目をしていたので本当に嬉しいです。演奏機会も用意されていて良かったですよね。今回初めて彼らの歌を聴いて興味を持ったという日本のC-POPファンも少なくなかったようですよ。

 

 

第33屆金曲獎《最佳MV》:『甘吧爹ㄋㄟ』(導演:蔡宜豫)

 

ここも的中です。S電賞2021のほうでも2021年度のBest Music Videoの1本に選んでいた作品で、今回の候補の中ではコレしかないよなあという感じでしたよね。むしろどうして今回はこんなラインナップになってしまったのか、そっちのほうが気になりました。とにかく『甘吧爹ㄋㄟ』はぜひ受賞してほしかった作品なので本当に嬉しいです。

 

 

第33屆金曲獎《最佳演唱組合獎》:新寶島康樂隊

 

ここは外しました。新寶島康樂隊、最初は対抗に入れていたのですけどね^^;。今回の金曲獎は全体的に顔の入れ替えを図っているような感じがして、土壇場で外してしまいました。ここも最初の予感に従っておけばよかったと後悔しています。新寶島康樂隊は他に年度專輯獎と最佳台語專輯獎にもノミネートされていましたが、今回はこの1部門のみに終わっています。

 

 

第33屆金曲獎《最佳台語男歌手獎》:王俊傑

 

ここは的中です。2013年の第24屆以来9年ぶり2回目のノミネートで初受賞です。王俊傑はほとんど聴いたことがありませんでしたが、作品部門(年度專輯獎,最佳台語專輯獎)と同時ノミネートされているのが彼だけだったので、本命に選んでみました。完全にまぐれですね^^。

 

 

第33屆金曲獎《最佳台語女歌手獎》:江惠儀

 

ほぼ的中です。江惠儀は4回目のノミネートで、2019年の第30屆以来二度目の受賞となります。本命と予想した張涵雅は、残念ながら今回も及びませんでした。昨年受賞した曹雅雯も従来の台湾語歌謡を覆すエモーショナルなスタイルでしたが、今回の江惠儀もかなり独創的ですね。ただクセが強めなので、台湾語歌に馴染みのない日本の音楽ファンに曹雅雯と同じように推すのは難しいかもしれませんね。

 

 

第33屆金曲獎《最佳台語專輯獎》:百合花『不是路』
第33屆金曲獎《最佳裝幀設計獎》:百合花『不是路』(陳念瑩)

 

ここは完全に的中いたしました。2年前、獲ると予想して外したリベンジ成りました。今回もしもコレを外したらマジで金曲獎を見限るつもりでいたくらい、凄いアルバムだと思います。伝統と現代の融合を具現化した、まさに今の台湾を象徴する作品でしょう。百合花は今回、主要関連合わせて5部門にノミネートされていましたが、なぜバンド部門の候補に選ばれなかったのか、その理由を知りたいです。

 

 

第33屆金曲獎《最佳原住民語歌手獎》:簡燕春

 

ここは外しました…が、ちょっと異議アリですかね。歌手賞というのは文字どおり歌手、アーティスト個人を対象とした部門と僕は認識しているのですが、どうなのでしょう。この作品はプロデューサー・簡朝崙Titanの手腕によるところがかなり大きくて、アルバム部門のほうで評価すべきなのかなという気がしました、実際、原住民語アルバム部門でもノミネートされていますからね。2020年の第31屆で盧靜子が受賞したときの状況と似ていますが、やや、お年寄りに甘めの判定が出ているのかなという印象です。

 

 

第33屆金曲獎《最佳原住民語專輯獎》:陳建年『pongso no Tao』

 

ここも外しましたが、陳建年、やっぱり来たかという感じでした。予想編のところでも言ったとおり、彼はノミネートされた回、これまで全部もれなく受賞しているので、ひょっとしたらという気持ちもありました。今回は年度專輯獎、最佳原住民語歌手獎と合わせて3部門にノミネートされていましたが、原住民金曲歌王、やっぱり強かったですね。やられました。

 

 

第33屆金曲獎《最佳客語專輯獎》:黃連煜『滅人山』
第33屆金曲獎《最佳客語歌手獎》:黃連煜
第33屆金曲獎《評審團獎》:黃連煜

 

今回の金曲獎の目玉アーティストの1人、黃連煜です。7部門ノミネートは魏如萱と同率で第2位。トップはもちろん8部門ノミネートの蔡健雅…ですが、黃連煜は新寶島康樂隊のメンバーとしても活動しているので、そちらの3部門も加えると全部で10部門ということになります。おそろしい~。しかも獲得数は評審團獎が当日プラス1されているので、新寶島康樂隊の最佳演唱組合獎と合わせると4部門となって、蔡健雅に並ぶんですね。おそろしいww。まあ、あまり意味のない数字ではありますが。

さて、最佳客語專輯獎ですね。ここはほぼ的中いたしました。難しい作品ですが、本当にズッシリとした聴き応えのあるアルバムだと思います。でもやっぱり、日本人の僕には難しかった…かな。さあ聴くぞ、という…なんというか心の準備みたいなものはあったような気がします。

最佳客語歌手獎は、外しました~。最佳演唱組合獎と同じ理由で入れなかったのですけど、フツーに考えればそうだよなということです。今回はちょっと審査員の考えを深読みし過ぎました。審査員の人たち、みんな素直ですね。僕も来年はもっと素直に考えようと思います^^;。

 

 

第33屆金曲獎《最佳樂團獎》:血肉果汁機

 

ここはほぼ的中です。血肉果汁機、ふだんあまり好んでは聴いていなかったのですが、気分が合っているときに聴くとけっこうハマるもんですね。気持ち良かったです。ヘビーメタルの市場は広いですし、これからさらに注目を集める機会も増えてくるでしょう。活躍を期待します。

 

 

第33屆金曲獎《最佳編曲人獎》:黃少雍(夏子『fu’is 星星歌』)

 

第33屆金曲獎《最佳作曲人獎》:HUSH(HUSH『衣櫃歌手』)

 

第33屆金曲獎《最佳作詞人獎》:熊信寬(熊仔『88BARS』)

 

第33屆金曲獎《最佳單曲製作人獎》:陳君豪 / 徐佳瑩(徐佳瑩『以上皆非』)

 

第33屆金曲獎《最佳專輯製作人獎》:李權哲『愛情一陣風』

 

関連部門は今回かなりバラけまして、主要部門と同時受賞している人はいませんでした。注目はHUSHと李權哲ですね。HUSHの最佳作曲人獎は2年連続で、あまり話題になっていませんが、これは金曲獎史上初の快挙です。素晴らしい。李權哲は最佳華語專輯獎との同時ノミネートで、ちょっと唐突な感じはしましたが、最佳專輯製作人獎のほうを受賞しています。ホントこの人はセンスが良いですよね。まだ25歳ですか。期待度大でしょう。

 

 

第33屆金曲獎《最佳華語男歌手獎》:崔健

 

ここは外しました。大陸アーティストの受賞はこの部門初となります。評審では盧廣仲、裘德、黃宣、崔健で3回決選投票が行なわれて、最後1票差で崔健が黃宣に競り勝ったそうですが、大陸のレジェンド・崔健、たしかに素晴らしいアルバムで、聴いた瞬間、僕もオオッと思いました。思いましたが、なんかしっくり来ないんだな。なんだろう…、大陸作品をどう扱おうとしているのか、金曲獎側の準備不足というか中途半端な感じがしたんですよね。サブスクが音楽聴取スタイルの主流となって、台湾が《マンドポップのゆりかご》と呼ばれた時代が終わって、中華圏に於けるこれまでの金曲獎の影響力も薄れつつある。そんな状況下で大陸作品を受け入れたら金曲獎はどうなってしまうのだろうという不安、迷い、それが最も大きく表れたのが今回のこの部門だったような気がします。アーティストの数ではぜったい大陸に敵わないわけで、今後受け入れるとしても海外部門みたいなものを別に作ったほうがいいのかな…と、僕は思うのですけど…。それはそれで海外に仕分けられた大陸側の人の反応が怖い気もしますが^^;。

 

 

第33屆金曲獎《年度專輯獎》:蔡健雅『DEPART』
第33屆金曲獎《最佳華語專輯獎》:蔡健雅『DEPART』
第33屆金曲獎《最佳華語女歌手獎》:蔡健雅
第33屆金曲獎《最佳演唱錄音專輯獎》:蔡健雅『DEPART』

 

蔡健雅の4部門受賞、良かった~。本当にホッとしました。序盤で最佳演唱錄音專輯獎を貰ったときは、今回はこの1部門だけで終わるのではないかと、イヤ~な予感がしたのですよ~。金曲獎は期待をさせておいて平気でそういう無慈悲なことをしますからね。実際、魏如萱は7部門にノミネートされて1つも獲れていませんから~。

で、最佳華語女歌手獎…ですが、完全に外してしまいましたww。蔡健雅はこの部門10回目のノミネートで、過去に三度受賞しています。なので今回はないだろうと敢えて予想から外したのですが…、四度目の受賞、ありましたね。ここを外したのはかなり悔しいですし、かなり恥ずかしいですww。

最佳華語專輯獎のほうは的中です。この部門6回目のノミネートで初めての受賞です。たぶん彼女、これがイチバン嬉しいんじゃないですかね。本当に待ち望んだ賞だったと思います。おめでとうございます。

そして最後の年度專輯獎、ここは毎回選考基準がわからないので、ほぼ予想を放棄しております。高雄での開催だったので台湾語アルバムが獲るのでは…と大した根拠もなく予想しましたが、やっぱりそんな単純に決まるわけないですよねww。でもおかげでねじれることもなく、スッキリとラストを迎えることが出来ました。良かった良かった。

 

 

以上、第33屆金曲獎予想の反省会をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか。

なんだかんだ言っても今回は蔡健雅の回でしたね。4部門受賞は2016年の第27屆で蘇打綠Sodagreen(現・魚丁糸Oaeen)が5つ獲って以降最多ですから、見ているコッチとしても、蔡健雅ようやく恵まれたなと、そんな気持ちでいっぱいです。次は、魏如萱が恵まれる番かな。その前に、梁靜茹も恵まれてほしいですね。

 

それでは最後に、7月15日にリリースされました周杰倫Jay Chouの15枚目のアルバム『 最偉大的作品』から、タイトルナンバー『最偉大的作品』を聴きながらお別れです。明日は《海の日》の祝日。お休みの方も多いと思いますが、あいにく天気のほうがハッキリしませんね。そういうときは部屋の中で台湾ポップスを聴きながら、ノンビリと身体を休めるのも良いかもしれませんよ。

では今夜はこの辺で。お相手はsasanoji電台でした。皆さん、ごきげんよう。拜拜!

 

 

週休3日だと、精神的にも肉体的にもかなりラクだよね。

 

 

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本日のオンエア曲

 

 

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