sasanoji電台【台湾ポップス専門】

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『溫柔天團』て、アンタたち…(笑)。

溫柔天團『溫柔小確幸(2011)

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え~と…アンタたち、旺福Wonfu(ワンフー)でしょ~。化けてますがw。

先日たまたまこのMVを発見して、どう見ても旺福だったので維基百科でチェックしたところ、昨年2曲入りシングル『溫柔小確幸』を発表していました。どうやらダウンロード版のみの作品みたいです、残念。でもおもしろいのでピックアップしておきますね。

 

靠得住溫柔宣言廣告代言主題曲、『小小的溫柔』。

 

MV等を見るとみんな若そうですが、結成は1998年とけっこう古いです。現メンバーは小民(Gt)、推機Twiggy(Ba)、Mami(Vo)、肚皮(Dr)の4名[*1]。インディーズからスタートしたバンドで、アルバムデビューは2003年。2007年には4thアルバム『青春舞曲』の日本盤で日本デビューもしています。現在まで6枚のアルバムをリリース(日本盤は除く)。メジャーになってもインディーズスタイルのライブやイベントなどを中心にユニークな音楽活動を展開しています。昨年10月、1年半ぶりくらいでしょうか、久しぶりに来日して下北沢でライブを行なっていましたね。2005年、2006年、2008年と、金曲獎の最優秀バンド部門に3度ノミネートされている、日本でも知名度の高い台湾を代表するポップバンドです。

あ、いちおう團長はRingo、副團長はBonjourということになってます。
ビーグル犬なんですけどね、マスコットの^^。

 

靠得住溫柔宣言廣告代言曲、『溫柔小確幸』。

Unofficial

 

この2本のMVは女性用衛生用品メーカー・台湾靠得住Kotexと旺福がコラボしたCM作品で、誰の日常の中にもある小さいけれどたしかに存在する幸せ、たとえばピカピカになった窓、座り心地の良い椅子、一冊の良書に出会ったり、目玉焼きがキレイに焼けたりとか、そんな小さな幸せに気づかせてくれる、ツライけど頑張っている女性たちを優しく応援する内容となっています。

 

2006年2月、初代ボーカルのJudyが脱退。新ボーカルとして加入した瑪靡Mamiは以前日本語を学んでいたそうで、2005年頃から旺福と交流のあった日本のネオモッズバンド・The Collectors加藤ひさし氏は、3rdアルバム『旺福誌』収録の1曲『Do Re Mi』を日本語シングルにすることを提案。リリースしたこの日本語版『Do Re Mi』は高い評価を受け、旺福は同年5月渋谷クラブクアトロで行なわれたモッズの祭典『TOKYO MODS MAYDAY 2006』に招聘され、初来日しました。その後『青春舞曲日文版』(日本語歌3曲は加藤氏が作詞)に続き、2008年には日本向けベスト盤『the wonderful world of wonfu』、2009年には『旺福愛你日文版』をリリースしています。

 

5thアルバム『旺福愛你』(2009年)から、復古調のナンバー『咖啡戀曲』[*2] 。

 

2010年10月、旺福はLegacy Taipeiのライブで突然活動休止を発表…したかと思いきや、間髪入れず小旺福Wonfu Jr.として登場(メンバーは同じ^^)。

以前このブログ中でも少し触れたことがありますが、台湾の行政機関の1つ行政院新聞局は、優れた才能を持つ若手アーティストたちを助成する政策を行なっていて、旺福はその援助を受け2009年にアメリカで巡回ライブを行ないました。その際訪れた8~18歳までの女子を対象としたロックアーティスト養成ボランティアプロジェクト、『Rock and Roll Camp for Girls』に参加していた子供たちの音楽知識の広さに深く感動し触発されたようです。2010年12月に小旺福名義でリリースした6th標準中国語(華語)アルバム『飛向你飛向我』は、台湾の子供たちにも聴きやすく馴染みやすいロック、カントリー、ルンバなど多彩な楽曲展開でアプローチしたコンセプトアルバムとなっています。

 

『飛向你飛向我』から、小旺福『童謠滾』(很多鵝+醜小鴨+小綿羊趕集)。

 

『溫柔小確幸』のMV中では『溫柔天團』に化けていますが、『旺福』の作品ということでよいようです。旺福休止宣言→小旺福再結成というのも彼ららしいシャレなのでしょう。今後『飛向你飛向我』的な作品を出すときには、また化けるかもしれませんね~^^。

 

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旺福 - Blog

 

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脚注

*1:オリジナルメンバーの茱蒂Judy(Vo)は2006年、濯羽Chris(Dr)は2001年に退団。

*2:加藤氏が作詞した『咖啡戀曲』の日本語版『コーヒー・ラブソング』は、『旺福愛你日文版』と、The Collectorsのギタリスト・古市コータロー氏と加藤氏が結成したバンド・Kotaro and The Bizarre MenとのコラボEP『テスコ・グランド・ビザール!』(2011)にも収録されている。