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sasanoji radio Awards 2013 【Best Group】編

【Best Group】部門です。選んだ候補は以下の5組。

 

光引擎Light Engine Band『沿途風景』(3月)

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光引擎(グワンインチン)は、女性ボーカル・賴彥均Engineとジャズギタリスト・周岳澄Ken Chouが2011年に結成したオルタナティブフォークユニットです。ベースやドラム、キーボードを加えたバンドスタイルでの演奏も聴かせてくれますが、基本的にはこの2人での活動がメインとなっているようなのでコチラの部門に入れてみました。

本作『沿途風景』は、2012年3月リリースの1st EP『My Journey』収録の4曲とStreetVoiceにUPされている2曲に未発表曲3曲を加えた彼女たちの1stアルバム。ヘタウマ…と言うと語弊があるかもしれませんが、賴彥均のフラットでありながら温かみを感じさせる特徴的なボーカルと、アメリカで有名ジャズプレイヤーに師事したプロフェッショナル・周岳澄の渋いギターサウンドという、字面だけ見ればミスマッチとも思えそうなこの2つが絶妙のバランスで融合し、とても聴き心地の良い、クルーズ感のあるシティフォークに仕上がっています。周岳澄は昨年の第24屆金曲獎で最優秀客家語アルバム賞を受賞した男性ユニット・暗黑白領階級Dark White Collarのメンバーとしても活躍中です。

 

伍家輝Wu Jiahui✕李欣怡Cheryl Lee『The Impressoul 01』(6月,マレーシア)

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さて、どの部門に入れたものか…と迷ったあげく、ここに突っ込みました。マレーシア出身の実力派男性シンガーソングライター・伍家輝(ウージャーフイ)と、同じくマレーシア出身で、TV番組の司会やラジオのDJ、女優、エッセイストとして活躍中の才媛・李欣怡(リーシンイー)のコラボレートアルバム『The Impressoul 01』、伍家輝が2012年に起ち上げた個人レーベル・Dreammy Studioの第1号作品です。
収録されている全7曲のうち6曲の作詞を李欣怡が担当(作曲は全て伍家輝)。爽やかなデュエットあり、それぞれのソロでは互いにバックコーラスを務めるなど、2人の音楽的交感が伝わってくるロマンティックなナンバーが揃っています。李欣怡はこれまで映画の主題歌などは歌っているようですが、正式なアルバム作品はこれが初めてになるのでしょうか、とても可愛らしい歌声ですね。伍家輝のプロデュースで彼女のフルアルバムをぜひとも聴いてみたい、そう思わせてくれる1枚です。なお、このアルバムは台湾盤が出ていないので、僕はYesAsiaからマレーシア盤を購入しました。

 

喇叭嘴愛裝熟The LaBa Connection(L.B.C.)『從之前到現在』(11月)

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喇叭嘴愛裝熟(ラーバーズイアイジュワンシュー)は、2005年にミャンマー移民2世の巧克力ChocoLAte、排灣パイワン族出身の茫去Drunkey、阿美アミ族出身の紅一点・艾琳Irene、漢族出身の大頭Da Dealerらルーツの異なる4名のラッパーによって結成された多民族・多言語ヒップホップユニットです。以前、高雄市が主催した音楽イベント『南方大賞-原創影音大獎』を取り上げたときに、この名前出ていましたね。

『從之前到現在』は、昨年11月7日にリリースされた彼らの1stアルバムです。2PacやN.W.A.、Snoop Doggといった80年代末から90年代初めにかけて流行したウエストコーストヒップホップのような懐かしい香りをベースに、メタル風やテクノ風などIntro、Outroを含む全15トラックを収録。CDを手にするまではジャケットの雰囲気からもっとベッタリとしたサウンドを想像していたのですが、実際に聴いてみると心地良い陽光を感じさせる、フォルモサコーストヒップホップとでも呼びたくなるスムースなサウンドで好印象。個人的評価がグンと上がりました。12曲目収録の赤ん坊の鳴き声をサンプリングしたインストゥルメンタル『從之前到現在』、これはケッサクです(笑)。

 

Robynn & Kendy『Sail Away』(11月,香港)

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2011年結成、香港出身の葉晴晴Robynn Yipと孫曉慧Kendy Suenによる女性デュオ、Robynn & Kendyの3rdアルバムです。2ndアルバム『Dear Diary』のリリースが2013年2月、デビューアルバム『Robynn & Kendy』は2012年6月ですから、1年半の間に3タイトルというハイペースでのリリースです。また2人はユニット結成直後から現在に至るまで、自作のプライベートMVをコンスタントにYouTubeにUPし続けていて、その旺盛な創作活動には本当に驚かされます。

本作『Sail Away』は、前2作のようなオリジナルとカバーそれぞれ5曲ずつを収録したCD2枚組ではありません。初めての1枚モノです。収録されている10曲(英語バージョン1曲とインストゥルメンタルバージョン1曲を含む)全てが2人のオリジナル。Robynn & Kendyのカバーナンバーはアイデアに溢れていて、たしかに楽しいのですが、もっとオリジナルを聴きたいな~と思っていた側にしてみれば、これまでの2作には少々物足りなさが残ったのも事実。本作ではOPのタイトルナンバー『Sail Away』からアクセル全開、軽快なものから今まで見られなかったようなややハードなものまで、彼女たちの魅力がたっぷり詰まった1枚となっています。CDはYesAsiaで購入可能。

 

Nora Says『Nora Says』(12月)

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ツインギターユニット・Nora Saysは、5人組ロックバンド・機動現場Live Machineのギタリスト2名、梁耿斌Gregと曾獻恩Samuelが2013年にスタートしたアナザープロジェクトです。

機動現場は2009年の結成以来これまでに数百本ものライブをこなしているという、五月天の石頭も絶賛する、まさに『現場』重視の実力派ロックバンドですが、この新ユニット・Nora Saysでは外部から招いたボーカリストやミュージシャンらと共に、MVなど視覚効果も含め機動現場とは違ったスタイルでの音楽表現にアプローチしています。第1弾MV『Machine Gun』でボーカルを務めるのは、Sumingや張震嶽ら優れたアーティストを多数輩出している原住民族・阿美アミ族出身のスーパーモデル、黃莉Lea Huang。本職でないにもかかわらず、このままNora Says専属でやってくれないかしら…と思うくらい雰囲気のあるボーカルを聴かせてくれていますが、じつは彼女、あの『天生歌姬』の美称を戴く実力派女性シンガー・黃麗玲A-Linのお姉さんなのですね。なるほど、華があるワケです。彼女のほかにも、UZやRebecca、放客兄弟Funky Brothersの小伶Airyら魅力的な女性ボーカリストがゲストとして参加しています。ちなみにユニット名の『Nora Says』は、2012年に誕生したSamuelの娘さんの名前『Nora』に由来しているそうです。

 

今回の候補は5組としました。【Best Newcomer】部門から外した男女ユニット・光引擎はココに入れています。丹念に調べれば候補に挙げるべき自分好みの作品がもっとあったかもしれませんが、昨年はチェック不足で…^^;。

前作から4年ぶりにニューアルバムをリリースした1997年結成のベテラン男性デュオ・動力火車Power Stationは要注目…ですが、個人的なストライクゾーンからはやや外れているので見送りました。大物音楽家・李正帆と奥さん・李王若涵のアルバムも話題を呼んでいますが、見送っています。香港の男性4人組ボーカルグループ・C AllStarと、台湾の男性6人組アカペラグループ・玩聲樂團VOXも要注目です。とくに昨年1stアルバムをリリースした玩聲樂團は、歐開合唱團O-Kai Singersや爵諾人聲樂團Voco Novoらと並ぶ、いま台湾で最も人気のあるアカペラグループの1つです。それから、ギター&ドラムという変則女性デュオ・青衣Ching yiも期待度大。興味を持たれた方、CD購入はお早めに。

 

Cozy diary_輕日記『一場小聰明』
自由發揮『跨出界』
動力火車『光』
Robynn & Kendy『Dear Diary』
冰果甜心Bingirls『首張同名EP』
Popu Lady『小未來』
BY2『MY.遊樂園』
C AllStar『Cantopopsibility』(香港)
Asian 4 Front『A4F WORLD』
依錚依靜『和我在一起』
青鳥合唱團『青鳥合唱團』
LADYZ『Monster』
Super 7『講啥米Love me』
玩聲樂團『朱古力
李正帆&李王若涵『無界』
Dream Girls『美麗頭條』
OK繃『全世界都閉上了眼睛』
Candy Cola『Candy Cola』
師子吼『1/84000』
青衣『新鮮魚』