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sasanoji radio Awards 2014 【Song of the Year】編

sasanoji radio Awards 2014、今回は【Song of the Year】部門です。選んだ候補は以下の6作品。

 

楊培安Roger Yang『說好各走五十步』(作詞:淺紫/作曲:都智文)

roger-yang2014 

 

李佳薇Jess Lee『笑到流淚』(作詞:姚若龍/作曲:易桀齊,伍冠諺)

jess-lee2014 

 

方大同Khalil Fong『特別的人』(作詞:方大同/作曲:方大同)

khalil-fong2014 

 

林凡Freya Lim『歲月這把刀』(作詞:曲世聰/作曲:曲世聰)

freya-lim2014 

 

徐佳瑩LaLa Hsu『我沒時間討厭你』(作詞:徐佳瑩/作曲:徐佳瑩)

lala-hsu2014 

 

嘴哥樂團MISTER MOUTH『Her feat. 魏如萱』(作詞:李列/作曲:魯綱宇)

mister-mouth2014 

 

候補1曲目は、2006年、35歳のときにCDデビューした遅咲き、C-POP界トップクラスの音域と声量、高音を誇ることから“鐵肺王子”、“高音之神”、あるいは“野獸派歌王”とも呼ばれているパブシンガー出身の実力派男性ロックシンガー、楊培安(ヤンペイアン)の2年10ヶ月ぶりとなるオリジナルフルアルバム『沈睡的野獸』(華納音樂)から、淺紫作詞、都智文作曲によるR&Bスタイルのバラード『說好各走五十步』です。
華納音樂Warner Musicにレーベルを移して心機一転リリースした本作ではタイトルのとおり野獣的咆哮は控えめ、彼の温かく柔らかい美声を活かしたバラードがメインとなっています。この『說好各走五十步』もその中の1つ。新たな楊培安を感じさせる流麗なナンバーです。

 

候補2曲目は、人気オーディション番組『超級星光大道』第7シーズンのチャンピオン、2011年にCDデビューしたマレーシア出身の実力派女性シンガー・李佳薇(リージャーウェイ)の2ndアルバム『天堂/懸崖』(華納音樂)から、韓国ドラマ『繼承者們』の台湾版ED主題歌となった姚若龍作詞、易桀齊・伍冠諺作曲による情念のこもった熱いナンバー、『笑到流淚』です。
デビュー曲『煎熬』でいきなりエロドロ恋愛系みたいなレッテルを貼られてしまい、未だにそのイメージで見られることの多い李佳薇ですが、彼女もまた“鐵肺女王”と呼ばれるほどの素晴らしい歌唱力を備えた本格派のシンガーです。この『笑到流淚』は本作中最もドラマチックで、かつ彼女の上手さが最も引き出されている名曲だと思います。

 

候補3曲目は、米・ハワイ州出身で香港を活動の拠点としている実力派男性シンガーソングライター・方大同(ファンダートン)、8枚目の標準中国語アルバム『危險世界』(金牌大風)から、自身の作詞作曲によるロマンティックなスローナンバー『特別的人』です。
見た目はなんだかシャイな若手コメディアンみたいですが、その彼の生み出す楽曲のなんと美しく、そして粋きなことか。本作はビートが効いたスリリングなナンバーを中心とするかなり挑戦的なアルバムで、そのちょうど中盤あたり、チークタイムが始まったかのように『桃花運』に続いて流れてくるのがこのロマンティックなイントロ。ストリングスパートの編曲はMichael JacksonJustin TimberlakeAretha Franklinらを手掛けたことで知られるBenjamin Wrightが担当しています。

 

候補4曲目は、心癒やされる落ち着いた歌唱が魅力の実力派女性シンガー、“療愛歌姬”こと林凡(リンファン)の6thアルバム『歲月這把刀』(滾石唱片)から、台湾ドラマ『女人30情定水舞間』のED主題歌となった彼女らしい療愛情歌、『歲月這把刀』です。
作詞作曲は大陸出身の有名音楽プロデューサー・曲世聰。メロディは至ってシンプルで、80年代に流行った日本のトレンディドラマの主題歌のような趣き。中には『古臭い』、『凡庸』と感じた人もいたようですが、目新しさばかりを追い求めるのが音楽ではないでしょう。こういった安心感や懐かしさを感じさせてくれる音楽も当然あっていいはずです。この曲、僕は気に入りました。知らず知らず口笛で吹いていることも^^。林凡に相応しい良い歌だと、僕は思います。

 

候補5曲目は、オーディション番組『超級星光大道』第3シーズンのチャンピオン。2009年にCDデビューし、僅か5年でC-POP界に欠かせぬ大きな存在となった実力派女性シンガーソングライター・徐佳瑩(シュージャーイン)の4thアルバム『尋人啟事』(亞神唱片)から、自身が作詞作曲をしたLala節全開のナンバー『我沒時間討厭你』です。
編曲を担当したのは数々の有名アーティストの作品に携わってきた名アレンジャー・袁偉翔。イントロの第1音が聞こえてきた瞬間、ぞわぞわ~っと鳥肌が立ちました~。こんな経験は初めてです。後半、どんどん音がぶ厚くなっていくところも徐佳瑩らしい。これは彼女の代表曲になるのではないでしょうか。それくらい素晴らしい曲。こっちをアルバムタイトルにしてもいいのでは…と思ったくらい。編曲も好み。

 

候補6曲目は、2006年に高雄で結成されたインディーズ出身の男性5人組ロックバンド・嘴哥樂團(ズイグーユエトワン)の初メジャーアルバム『光這麼說:』(Sony Music)から、個性派女性シンガーソングライター・魏如萱Waaをゲストボーカルに迎えたヒーリング成分溢れるナンバー『Her』です。
作詞は貝斯手の李列、作曲は吉他手の魯綱宇(ちなみにもう一人の吉他手は、あのDouble 2樂團の周已敦です)。2013年公開のアメリカ映画『Her』(台題:雲端情人)にインスパイアされて書いた曲とのこと。それにしても魏如萱の歌声はスゴイ。まるで触れたもの全てを黄金に変えてしまうミダス王の手のよう。もしも彼女がいなかったら、この曲を候補に選んでいたかどうか。前段階ではWaaの『暗室之後』も候補に入れていたのですけど、最終的にコチラを選びました。

 

以上がsasanoji radio Awards 2014、【Song of the Year】部門の候補6作品でした。

台湾人であれば太陽花學運のテーマ曲となった滅火器樂團の『島嶼天光』は外せないところなのでしょうが、僕は日本人で、しかも台湾語や標準中国語はまったくわかりません。歌詞は字幕を見て意味を想像するだけ…。メロディや全体の雰囲気のほうを重視して選んでいます。でも、我ながら悪くないチョイスだなと思っているのですけれど…どうでしょ?