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安妮朵拉、12月6日に1stアルバム『永無島』をリリース。

安妮朵拉Anniedora『永無島』(2012)

Anniedora2012
名刺大歌詞カード10枚、スゴロク風スタッフリスト入り。予約特典はボールペン。

 

12月6日リリース。2009年3月に正式結成された女性ボーカル・安妮(陳以恩)と男性ギタリスト・阿樊(樊哲忠)、同じく男性ギタリスト・叮噹(吳為民)の男女3名によるアコースティックフォークユニット・安妮朵拉(アニードゥオラー)の1stアルバムです。

 

アルバムタイトル曲『永無島』。このMVは昨年12月に高雄で開催された創作MVコンテスト『南方原創影音大賞』の出品作で、南方之星導演獎を受賞しています。下は全曲試聴PV。

 

ボーカルの安妮Annieは1980年12月4日生まれ、台北の出身。先日32歳になりましたが、とてもそんなふうには見えませんね。若いです^^。

安妮は大学時代、ギター部に在籍していました。そこでインストラクターを務めていたのが阿樊です。2004年、安妮は大学生を対象とした歌唱コンテスト・第21屆金旋獎に出場しコーラスグループ部門で優勝(女性2名のボーカルユニットで出場)。2006年、阿樊とロックバンドを結成すると共に自身で創作活動も開始します。彼女の楽曲は安妮朵の名前でクリエイターズサイト・StreetVoiceにUPされました。結局バンドは1年余りで解散となりますが、その後も2人の音楽的交流は続き現在に至ります。

叮噹は安妮の編曲の先生でした。バンド解散後、自分にはアンプラグドスタイルが合うと認識した彼女は、2008年6月に叮噹とアコースティックギターデュオ・妮古叮を結成し、ストリートでのライブ活動を始めました。

同年12月、安妮は2年に一度台北で開催される音楽フェス・簡單生活節に出演する機会を得ます。安妮朵として応募した『一直到』、『有點脆弱』、『人生最大的意義』の3曲が入選。『人生最大的意義』が、李宗盛Lee Guitars吉他指彈大賽で台湾地区チャンピオン作品に選ばれ、当日メインステージで歌い注目を集めました。翌2009年3月、安妮はそれまで彼女をサポートしてきた阿樊、叮噹らと安妮朵拉を正式に結成。同年7月、簡單生活節入選作品3曲を含む首張同名EPをリリースしています。

 

グループ名『安妮朵拉』の『拉』は吳為民のニックネーム『叮噹』と、藤子不二雄のマンガ『ドラえもん』に由来しています。大陸出身の人気女性シンガー・丁噹のところで触れたことがありますが、ドラえもんは中国語の初期翻訳版では『小叮噹(シャオディンダン)』となっていました。現在は日本語の発音に近い『哆啦A夢』表記に改められています。なぜ吳為民が『叮噹』と呼ばれるようになったのかは不明です(容姿かな?)。この『哆啦A夢』の『哆』(duō)と『安妮朵』の『朵』(duo)の発音が似ていることから『哆啦』が『朵拉』となり、『安妮朵』とくっつけて『安妮朵拉』としたようです。安妮が自分の英語名に『朵』を加えた理由は詳しくは語られていませんが、音の響きはいいですよね。

 

 

安妮はグループで活動をしながら、2009年には本名の陳以恩でオーディション番組『超級星光大道』第6シーズンに出場しています。第6シーズンは以前ピックアップしたPiA樂團の吳蓓雅が参加していた回で、デュエットが課題となった11月20日の第3集では2人はペアを組み、美しいハーモニーで見事勝利していました。

超級星光大道でデュエットした安妮とPiA。安妮は『28歳、学生』とありますが…^^;。

最終的な結果は吳蓓雅が第9集、陳以恩は10強手前の第21集で残念ながら淘汰されています。ちなみにこのシーズンの優勝者は、のちに映画『那些年,我們一起追的女孩』の主題歌で名を上げることになる大陸出身の男性シンガー・胡夏(フーシァ)でした。

 

安妮朵拉は2010年3月に沖縄音楽祭出演で来日を果たし、同年11月には行政院新聞局によるインディーズ音楽賞『第1屆金音獎』に於いて、『海芋季』が最優秀ダウンロードフォークソング賞を受賞しています。活躍の場はライブやクリエイターズサイト・StreetVoiceなどのネット上が中心で、ぜひアルバムを出してほしいと思っていたグループの1つでした。アコースティックギターの優しい音色と台湾語の歌が暖かい、心癒されるユニットです。

 

前回の葛洛力に続いて、これも寒い冬にぴったりの1枚ですね^^。

 

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