Z世代の新ヒップホップユニット、沒有才能。 - sasanoji電台【台湾ポップス専門】

今夜最初にお送りしたのは、昨年9月にリリースされました男女3人組ヒップホップユニット・沒有才能anti-talentの1st EP『烏鴉烏鴉』から、rgryプロデュース、ラップ歌手・熊仔Kumachanがボーカルプロデュースを務めたナンバー『晚點再想晚點在想』でした。

令和3年2月21日、日曜日。時刻は午後10時3分を回りました。
皆さん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

今日は暖かくて良い天気でしたね。北海道の一部では雪が降ったり、東北、北陸では曇りの地域もあったようですが、東日本、西日本は広い範囲で晴れて、4月から5月上旬並みの気温になったとのこと。三密を避けながらお出掛けをした方、多かったのではないでしょうか。僕もホントは早起きをしてバイクで三浦半島辺りまで走りに行くつもりだったのですけどね、この放送の準備のためにガマンしました。

…ウソです。起きれませんでした。

ま、時間も出来たことですし良い機会なので、今日のような春の陽気にピッタリの新ユニットをご紹介しておきましょう。昨年9月に3曲入りの1st EP『烏鴉烏鴉』でデビューした男女3人組、沒有才能anti-talentです。

沒有才能anti-talent『烏鴉烏鴉』（2020年9月）

沒有才能（メイヨウツァイノン）は、2019年に高校を卒業したZ世代、花蓮女子高級中學（花蓮女子高校）出身の女性ボーカル・黃若欣（現・世新大學口語傳播學系）、花蓮高級中學（花蓮高校）出身の男性ラッパー・碩美（現・台灣大學戲劇系）と裴拓（現・馬偕醫學院醫學系）の男女3名による混声ヒップホップユニットです。

2019年3月、彼らは高校3年生のときに卒業歌『還是要有長頸鹿才能』を制作、クリエイターズサイト・StreetVoice上で発表しました。台湾の高校では卒業歌制作が盛んで、それらを集めたCDが出ているほど。実際、その卒業歌がキッカケとなって音楽の道に進んだり、レーベルに発掘されデビューした人も少なくありません。以前ご紹介した四個朋友Four Friendsや荷爾蒙少年Hormone Boysも、卒業歌制作を機に本格的に音楽活動を始めた若者たちですね。

『還是要有長頸鹿才能』は、自主制作MVの再生数が100万回を突破。StreetVoiceのヒップホップチャートで第1位、総合チャートで第1位、年間シングル第3位を獲得するなど注目を集め、2019年度、最もヒットした卒業歌となりました。

ではここで今夜の2曲目です。2020年3月に一周年記念バージョンとしてメジャーレーベル・華研國際HIMから正式にリリースされた、『還是要有長頸鹿才能』をお聴きください。

爽やかですね。とても若々しい、オーソドックスな雰囲気です。

碩美と裴拓の2人は中学までクラシックをやっていて（碩美はチェロ、裴拓はバイオリン）、本当はバンドスタイルでやりたかったらしいのですけども、今の自分たちでは実力が足りず難しいと判断して、ボーカルユニットスタイルにしたのだそうです。沒有才能（才能がない）という風変わりなユニット名を付けたのも、最初聴いたときは『謙遜が過ぎるだろ』とも思いましたが、どうやらその辺りに理由があったようですね。

では今夜の3曲目、いきましょう。1st EP『烏鴉烏鴉』から、『這世界吵得只剩白歌』をどうぞ。プロデュースは大御所・王治平。作詞と作曲は、パートを3つに分けて3人がそれぞれに行なっているようです。お、バックボーカルで吳南穎Fiona Wuが参加していますよ。

高校卒業後、彼らは異なる大学で学びながら創作活動を継続。2020年9月、メジャーレーベル・華研國際HIMから、3曲入りの1st EP『烏鴉烏鴉』で本格デビューしました。

HIMからのデビュー、僕は良かったと思いましたね。彼らは自分たちに足りないものが何かをよく分かっています。だからこそ、しっかりと支え育ててくれるレーベルがバックに付いてくれたこと、きっと心強く思っているのではないでしょうか。この1st EPでの急激な進化には本当に驚きましたが、これからもっと色々なことを吸収して、自分たちのスタイルを確立していってほしい。いずれ『その名前、いいかげん嫌味だろ』と思ってしまうくらいに^^。

それでは今夜のラストナンバーです。先月リリースされましたニューシングル、Sōryoプロデュースの『後山親友如相問匯錢不然不要問』を聴きながらお別れいたしましょう。

ここ東京・練馬の現在の天気は晴れ、気温11℃、湿度は81％。あす月曜日も晴れて気温が高くなる予想で、南風に乗ってスギ花粉の飛散も増えるとのこと…。花粉症の皆さん、ツライ季節になりました。あさっては天皇誕生日でお休みですから、あす1日、辛抱しましょう。僕も、辛抱します。では今夜はこの辺で。お相手はsasanoji電台でした。お休みなさい。