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hush!には、『海辺のカフカ』がよく似合う。

hush!樂團『X』(2012)

Hush2012

 

10月20日リリース。2010年にボーカル&ギターのHush、ドラムの熊爸、ベースの卡貝ら3名によって結成されたインディーズ系オルタナティブロックバンド、hush!樂團の1stアルバムです。 ※林世偉さん、TNX!修正したよ~。みんな、見てくれてありがとう! (◎´∀`)ノ

彼らはこれまでStreetVoiceやiNDIEVOXなど主にネット上で楽曲を発表していました。2011年5月にダウンロード専用EP『Tracks』、今年3月に初CD作品となる3曲入りEP『天文特徵』を出していますが、一般流通ルートではなく、ライブ会場や特定の店舗で限定販売したものだったと思います。今回リリースされた1stアルバム『X』は、博客來からの購入に限られるとはいえ、日本でも比較的容易に入手出来るルートに初めて乗ったCD作品です。

 

今年4月28日に公館のライブカフェ《海邊的卡夫卡》(海辺のカフカ)で行なわれたライブから、アルバム収録曲『集體催眠』、『X』、『出竅』。


※深深 曹さん、TNX

 

2010年夏、ソロで活動をしていたボーカルのHushは、公館のライブカフェ《海邊的卡夫卡》出演時に這位太太Mrs. Thisのメンバーに潘尼巷樂團PennyLaneのドラマー・熊爸を紹介され、さらに年末、ベースの卡貝が加わり、スリーピースバンド・hush!樂團は誕生しました。

 

昨年冬にクリエイターズサイト・StreetVoiceが制作した、彼ら唯一の…と言っていいオフィシャルMV『波希米亞』。

 

hush!樂團の魅力は、なんといってもボーカル・Hushのアンニュイなハスキーボイスと彼が創りだす文学的、哲学的な世界観、それにピタリと填まったブリティッシュロックテイストのサウンドです。そんな彼らの文系ロックは海邊的卡夫卡の空間にとてもよく合います。

海邊的卡夫卡は2005年、台北・公館にオープンした金曲獎バンド・1976樂團の阿凱がオーナーを務めるライブカフェです。阿凱は村上春樹の大ファンで、店名はもちろん村上春樹の小説『海辺のカフカ』から。近所には《挪威的森林》(ノルウェイの森)というカフェもあって、お店のオープンに際しては挪威的森林のオーナーやスタッフから助力、助言を得たそうです。

阿凱ら1976樂團のメンバーは、今年3月、自分たちの録音スタジオ・re:public studioをスタートさせました。hush!樂團の1st EP『天文特徵』はその第1号作品(博客來概念專輯『17』を除く)で、今回のアルバム『X』もre:public studioからリリースしています。このCDは海邊的卡夫卡のほか、大手ブックストア・博客來の販売ルートに乗ったことでとても入手しやすくなりました。僕もそうですが、彼らのアルバムを待ち望んでいた音楽ファンはかなり多かったらしく、現在、博客來の華語アルバム月間売り上げチャートでは盧廣仲の新作予約分に次ぐ第2位、週間チャート(第43週)では熊寶貝樂團の『Beautiful Chaos』に次ぐ第3位となっています。

 

あとは、オフィシャルのMVさえ出てくれれば…。

 

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