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第23屆金曲獎・最優秀年間楽曲賞 -ノミネート編-

第23屆金曲獎最佳年度歌曲獎

昨年の年間楽曲賞、願いを込めて、林凡の『重傷』を推したのですが…

オヤジバンドが獲ったらスゴイことに~なんて妙な期待を寄せていた縱貫線SUPER BANDの『給自己的歌』が獲得をしました。これを歌った李宗盛は作詞、作曲と合わせて三冠となっています。

前回はあらためて李宗盛の衰えぬオヤジパワーを認識させられるに至ったわけですが、だからこそ今年、彼がフルプロデュースをした楊宗緯の『原色』がゴッソリ入ってくるのではないか、と予想していたのです。ところが結果は無残。李宗盛が最優秀作詞部門に選ばれたのみ。どの人気投票、年間チャートでも楊宗緯は上位にランクされているにもかかわらず…。何か作為的なイヤなものを感じてしまうのですが、実際のところどうなのでしょう?

さて、今回ノミネートされているのは…

乱彈阿翔『完美落地』
五月天『諾亞方舟』
謝和弦『於是長大了以後』
蔡健雅『說到愛』
胡夏『那些年』

…の5組。

 

  

 

 

日本で言うところの『レコード大賞』、グランプリに相当する賞ですが…、このラインナップでいったい誰が納得をするというのだろう…。レコード大賞ですよ?

まあ台湾ではアルバム賞やシンガー賞のほうが注目をされるのですけどね^^;。

乱彈阿翔、五月天、蔡健雅の重複ぶりにはいい加減ウンザリなので、謝和弦と胡夏をピックアップしておきます。

 

謝和弦R-chord

現在の所属は亞神音樂Asia Muse旗下ですが、芸能界デビューした当時は華研國際音樂HIMに在籍していました。1987年生まれ、南投県出身の若手男性シンガーソングライターです。

 

 

『絶対に有名になってやる』

謝和弦(シェフーシィエン)は16歳のとき、その一念で故郷を出ました。勉強をサボってギターにばかりうつつを抜かしている、学校の先生が言うところの“落ちこぼれ”だったそうですが、音楽の才能には恵まれていました。『和弦』という名前も、赤ん坊のときお爺さんのギターに触ろうとしたことから付けられたというくらい。

台北に来て間もなく、人気アイドル番組の新人発掘オーディションに出場し優勝。主催レーベルであるHIMと契約をしますが、これは早いうちに解除となっています。まだ練習生の立場であり、自分の書いた歌が認められないことへの不満、あるいはトレーニングを受けるうち生まれたアイドルという枠への違和感からテンションが下がってしまったようです。ただ、契約を解消した後もHIMは継続して彼を庇護下に置いて、S.H.Eの『安全感』のMVや、汪東城、辰亦儒、炎亞綸ら飛輪海Fahrenheitのメンバーが主役を務めるサイキックアクションドラマ『終極一班』への出演、また主題歌、挿入歌の作詞を担当させるなど面倒を見続けています。その後、謝和弦は音楽への情熱を取り戻し、2006年からはStreetVoice上で創作曲を発表したり、インディーズでバンド活動を始めたりもしています。

謝和弦は2009年、亞神音樂から1st EP『我叫做謝和弦 謝和弦是我的本名』をリリースし正式に歌手デビューをしますが、2007年に蔡健雅の『晨間新聞』のMVに出演をしていたところからすると、案外その頃にはもう接触があったのでしょうか。続けて同年、1stアルバム『雖然很芭樂』、2nd EP『地球其實沒有那麼危險』を一気にリリースして、翌2010年兵役に就いています。謝和弦はこの年、第21屆金曲獎の最優秀新人賞候補に選ばれていますが、同期に徐佳瑩がいるというアクシデントもあって受賞は逃しています。

今回ノミネート対象となった『於是長大了以後』は蛋堡Soft Lipaや奇しくも同僚となった徐佳瑩のほか、過去金曲獎を受賞している有名プロデューサーらも参加した、復帰後初めてのアルバムです。自身が作詞作曲をし、製作プロセスにも携わりました。ひと回り大きくなって戻ってきた才能がたくさん詰まっています。本来、アルバム賞で扱っていいクオリティーの作品だと思います。

 

胡夏Hu Xia

1990年生まれ、中国・広西チワン族自治区南寧出身の22歳。台湾の人気オーディション番組『超級星光大道』第6シーズンのチャンピオンです。今回ノミネート対象となった曲『那些年』は、昨年台湾で公開されNo.1ヒット映画となった『那些年,我們一起追的女孩』(邦題:あの頃、君を追いかけた)の主題歌で、この映画のサウンドトラック、それから今年2月にリリースした2ndアルバム『燃點』のボーナストラックにも収録されています。

 

 

2008年、内地の乳製品メーカーが主催した歌唱コンテスト『奔向北京,成就音樂夢想』で上位入賞を果たし、男子アイドルユニット・風雲幫(フンユンバン)を結成。当時メーカーのイメージキャラクターを務めていた飛輪海S.H.Eのコンサートにゲスト出演する機会を得ています。風雲幫の活動期間は半年ほどで、胡夏は最後まで残ったメンバーの1人でした。その後台湾に渡り、2009年秋から始まった『超級星光大道』第6シーズンに出場。途中PK戦(ゲスト挑戦者との一騎打ち)で3度敗れたものの、それ以外では及第点を安定して出し続け、最終的にチャンピオンに輝きました。司会者の陶晶瑩は初めて彼の歌を聴いたとき『アナタ、優勝!』と言ったそうですが、胡夏の歌声には人を惹きつける何かがあるようです。辛口批評で知られるパブ女王・黃小琥でさえ、『アナタの歌が好き!』とベタ褒めだったそうですから。

胡夏が歌い映画同様にヒットした『那些年』は、乱彈阿翔が受賞することになる台湾のアカデミー賞・第48屆金馬獎の【最佳電影原創歌曲】部門にノミネートされたほか、昨年末から今年にかけて、香港・台湾・マレーシアなどで様々な音楽賞を受賞。今年初めにKKBOXが発表したダウンロードチャートでも年度百大單曲の第4位に輝いています。

既にスタンダードナンバーの風格さえ漂っている名曲です。

 

もういきなり予想から入りますが、『那些年』だと思います。これを受賞させるために、他の曲を選んだのではないかと思ったくらい。

五月天の『諾亞方舟』もアルバム売上に比例してヒットしていましたが、ここはふつう大衆ヒット曲を選ぶでしょう?
とすれば、『那些年』しかないと思うのですけれど…。

本命は『那些年』、対抗は『諾亞方舟』。 あとは大穴^^。
もし『完美落地』とか来ちゃったら、ワケわかんねーよ!…みたいにならない?