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マレーシアからの刺客、李幸倪!

李幸倪Gin Lee『Here I Come』(2011)

Gin-lee2011

 

李幸倪(リーシンニー)。1987年生まれ、マレーシア出身。英語名はGin Lee。2009年に1stアルバム『ONE & ONLY』で現地デビューした実力派女性シンガーです。今回ピックアップする『Here I Come』は昨年10月にリリースされた2作目、全5曲入りのEPアルバムで、初めての広東語作品となります。2010年に大陸デビューはしていますが、今作は香港マーケットを意識した作品ということのようですね。台湾へは未だ本格進出はしておりません。しかしながら台湾の音楽ファンの間では、彼女は既に広く知られる存在となっています。

 

EP『Here I Come』から、1曲目収録の『潛水』。作曲は香港の2人組ガールズユニット・at17の林二汶Eman Lamです。

 

李幸倪は2009年12月に1stアルバム『ONE & ONLY』をマレーシアでリリース、現地デビューしました。大陸デビューは翌2010年4月。その直後の5月、李幸倪は台湾の人気オーディション番組『超級偶像』第4シーズンにPK戦挑戦者として登場します。たしかに台湾の人々にとってはほとんど無名、未知の挑戦者でしたが、新人とはいえプロです。彼女の放つ圧倒的な歌唱力の前に本選出場者上位2名が敢え無く敗退し、観客だけでなく審査員らも騒然。当時はマレーシアでの英語名・Jeanie Leeを使っていましたが、僅か二夜にして李幸倪の存在は広く知れ渡ることとなったのです。

 

 

応援に駆けつけたゲストはこの番組第2シーズンで2位に輝いた、彼女と同じくマレーシア出身の女性シンガー・符瓊音Meeia Foo。じつは李幸倪の従姉なのだそうです。それにしても彼女と当たった胡振寰と金實基は気の毒としか言いようがない。その後、8月と9月にも香港のオーディション番組『超級巨聲』第2シーズンにPK戦挑戦者として出場し、残念ながら1勝1敗の結果となりましたが、ここでも見事な歌声を披露し知名度を上げました。その会場には既に彼女のファンとなった観客たちが大勢駆けつけていたほどです。

 

『Here I Come』の2曲目、『廢話少說』。じつを言いますと…このくちびるの形と顎のラインが好みでして…って、どうでもいいですね^^;。

 

李幸倪のお父さんはバンドリーダー兼ドラム奏者、お母さんも有名なクラブ歌手。常に音楽が身近にあったわけですが、彼女は初めその道へとは進まず、アスリートになることを夢見ていました。中学では短距離ランナーとして活躍、たくさんのメダルを獲得しましたが、怪我でその夢を諦めざるを得なくなり、消沈していた彼女を救ったのが歌だった…ということのようです。1stアルバム『ONE & ONLY』の1曲目『最美的梦』は彼女自身が作詞をしていて、MVも彼女のストーリーをなぞったものとなっています。実際は彼氏ではなく、たぶんお父さんが大きな役割を果たしたのだと思いますけど^^。

 

デビューアルバム『ONE & ONLY』から、『最美的梦』。

 

EP『Here I Come』には同年12月に発売された2曲入りボーナスCD付きのSpecial Editionもあるのですが、そのオマケがとても良いモノで、『超級偶像』で歌った2曲、Karyn Whiteの『Superwoman』とAlicia Keys『If I Ain't Got You』を新たに曹格Gary Chawのプロデュースで収録しているのです。『Superwoman』はピアノ1台だけでしっとりと静かに歌っていて、どこか高級なクラブで弾き語りを聴いているような感じ。行ったことないですけど。『If I Ain't Got You』のほうはドラムとベースを従えたジャズ調で、これまた違った味わいで楽しませてくれます。どうやらかなり幅広いジャンルに対応出来るテクニックを備えたシンガーのようですね。台湾への本格進出が待たれます。