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sasanoji radio Awards 2014 【Album/EP of the Year】編

sasanoji radio Awards 2014、最後は【Album/EP of the Year】部門です。選んだ候補は以下の6作品。

 

方大同Khalil Fong『危險世界』(4月)

khalil-fong2014 

 

許哲珮Peggy Hsu『圓舞曲』(5月)

peggy-hsu2014 

 

海龜先生Mr.Seaturtle『Where Are You Going』(6月)

mrseaturtle2014 

 

大象體操Elephant Gym『角度』(7月)

elephant-gym2014 

 

皇后皮箱QueenSuitcase『超時空歌女的快活』(8月)

queensuitcase2014 

 

白安Ann『接下來是什麼』(9月)

ann2014 

 

1枚目は、香港を活動の拠点とする実力派男性シンガーソングライター・方大同(ファンダートン)の8thアルバム『危險世界』(金牌大風)です。
前作『The SOULBOY Collection』(2013年)はベスト盤だったので、オリジナルアルバムとしては2012年の『回到未來』以来1年4ヶ月ぶりとなりますね。本作は彼が2013年に起ち上げた新レーベル・樂傅有限公司GNOF LIMITEDによる作品で、内容はこれまでになくアグレッシブ。実験的とも思えるアイデアまで遠慮無くブチ込んでいます。危険な香りが加わった、“三十路”方大同の意気込みが伝わってくるハイクオリティアルバムです。

 

2枚目は、独特の世界観が魅力の個性派女性シンガーソングライター・許哲珮(シージャーペイ)の6thアルバム『圓舞曲』(禾廣娛樂)です。
2011年の『奇幻精品店』以来2年半ぶりとなる本作のコンセプトは、アルバムタイトルのとおりワルツ、即ち『三拍子』。Intro、Interludeを含む13曲すべてに三拍子を取り入れた、童話ミュージカルのような雰囲気の可愛らしい作品です。今回はオーケストラとの同時録音にもチャレンジしていて、臨場感はまさにミュージカル。オルゴールの小箱をイメージしたという引き出し付きのジャケット(と言っていいのでしょうか)の装丁にも驚かされました。

 

3枚目は、2004年に結成された中国大陸・広西出身の男性3人組ロックバンド、海龜先生Mr.Seaturtleの2ndアルバム『Where Are You Going』Sony Music)です。
ブルース、スカ、パンク、グランジ、レゲエ、カントリー、ロカビリーなど様々な音楽スタイルを取り入れたちょっと懐かしめの男臭いサウンドに、李紅旗の鼻にかかったロンサムなボーカルがピタリとはまって、本当にかっこいいアルバムです。彼らのアルバムをリリースしてくれたSony Musicに感謝。

 

4枚目は、2012年に結成された高雄出身の若手男女3人組マスロックバンド、大象體操Elephant Gymの1stアルバム『角度』Sony Music)です。
基本スタイルはボーカルレスのマスロック(數字搖滾)ですが、女性シンガーソングライター・鄭宜農Enno Chengや原住民族出身の女性シンガー・巴奈Panaiをゲストボーカルに迎えたナンバーも収録されていて堅苦しさはありません。台北のデザインスタジオ・這邊音樂那邊設計によるポップなジャケットデザインも秀逸。日本のカリスマポストロックバンド・toeの美濃隆章が参加したことでも話題を呼んでいます。

 

5枚目は、2008年結成の男女5人組インディーズバンド・皇后皮箱QueenSuitcaseの1stアルバム『超時空歌女的快活』(禾廣娛樂)です。
メンバー全員、The BeatlesThe Rolling StonesThe Kinksといった60年代から70年代に掛けてのブリティッシュロックが大好きで、そこにブルース、モータウン、サーフロックなど懐かしの洋楽スタイルをミックス。こだわりにこだわり抜いたヴィンテージサウンドは聴いていて思わず笑ってしまうくらい気持ちがいい。彼らの集大成的アルバム。

 

最後は、1991年生まれ、2012年にCDデビューした相信音樂所属の新進女性シンガーソングライター・白安Annの2ndアルバム『接下來是什麼 What's next?』Sony Music)です。
プロデュースを務めたのは彼女を見出した恩師・李宗盛Jonathan Lee。1stアルバム『麥田捕手』で一躍人気者となった音楽好きの少女の生活は激変し、寄せられる期待に体調を崩してしまうこともあったとか。李宗盛はそんな彼女を焦らせることなく、じっくりと時間をかけて育てました。1年8ヶ月ぶりにリリースされた本作からは実年齢を遥かに超えた、成熟した音楽が聞こえます。NYブルックリン発のテクノジャズトリオ・Archie Pelagoとの共演にも要注目。

 

以上がsasanoji radio Awards 2014、『Album/EP of the Year』部門の候補6作品でした。

これで全候補が出揃いました。個人的な印象ではありますが、2014年度は話題作は多かったものの、圧倒的な差を感じさせるような作品はそれほど多くなかった気がします。今回はなんだか、小じんまりとまとまってしまった印象です^^;。

本日6月27日は、第26屆金曲獎発表の日。昨年に続いて今回も金曲獎のほうはほとんどチェック出来ていないのですが、Twitterなどから漏れ聞こえてくる声によると、かなり遺珠の多い状況となっているようですね。金曲獎が始まる前にsasanoji radio Awards 2014のほうも決定してしまいましょうかねー^^。