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sasanoji radio Awards 2014 【Best Male Artist】編

sasanoji radio Awards 2014、今回は【Best Male Artist】部門です。選んだ候補は以下の5名。

 

楊培安Roger Yang『沈睡的野獸』(1月)

roger-yang2014 

 

方大同Khalil Fong『危險世界』(4月)

khalil-fong2014 

 

符致逸Adrian Fu『Good Morning, Hard City』(5月)

adrian-fu2014 

 

蕭敬騰Jam Hsiao『The Song』(6月)

jam-hsiao2014 

 

關喆Grady Guan『寂寞』(8月)

grady-guan2014 

 

候補1人目は、2006年、35歳でCDデビューした、まさに遅れてやって来た大物。C-POP界トップクラスの高音域を誇るパブシンガー出身の実力派ロックシンガー・楊培安(ヤンペイアン)です。
美しい高音と火の出るような熱い歌唱で“野獸派歌王”とも呼ばれている楊培安ですが、華納音樂Warner Music移籍後初のオリジナルアルバムとなる本作では、熱さよりも暖かさ、優しさを際立たせた流麗なバラードのほうがメインとなっています。だからでしょうか、トコトンまで雑味を削ぎ落とした彼のキレのある美声が、さらに明瞭度を増して聞こえるような気がします。楊培安は現在44歳。本作リリース時は42歳だったわけですが、この天井知らずのロケットボーカル、いったいどこまでパワーアップするのでしょう。彼も間違いなく『歌神』と呼んでいい歌手の1人だと思います。

 

候補2人目は、2005年のデビュー以来数えきれないほどの音楽賞を受賞している香港の才人・方大同(ファンダートン)です。
1983年、ハワイで生まれた方大同は、プロのドラマーだったお父さんの影響で幼い頃から楽器や音楽に親しみ、とくに50年代から70年代にかけてのブルースやソウルなどのブラックミュージック、Stevie WonderMarvin Gaye、Earth, Wind & Fire、Michael Jacksonら洋楽アーティストの影響を強く受けて育ちました。それゆえ彼の音楽にはアジア的な壁が最初からありません。ボーダーレスです。ただ、8枚目のスタジオ録音アルバムとなる本作は全曲が彼自身の作曲であるのはこれまでと同様ですが、中身はこれまで以上に挑戦的かつ野心的、アイデア満載の内容となっています。彼の底無しの創作能力を体感出来る、必聴のハイクオリティアルバムです。

 

候補3人目は、1977年生まれ、現在38歳。本作『Good Morning, Hard City』(滾石唱片)が初めての個人アルバムとなる香港出身の実力派クリエイター・符致逸(フージーイー)です。
この方、平日は世界中を飛び回る某有名技術系企業のエリートビジネスマン、週末はジャズパブで歌うピアノマンという2つの顔の持ち主。2003年、彼が作曲した陳奕迅Eason Chanのナンバー『我們都寂寞』で頭角を現し始め、以降、本業の傍ら陳奕迅の御用クリエイターとして活躍。許志安、林宥嘉、林凡ら有名歌手の作品でもひじょうに良い仕事をしている隠れた実力派です。とくに林凡に提供した『重傷』は長年不遇を託っていた彼女が復活するキッカケとなった名曲で、寄せられる信頼は絶大。彼女の最新作『歲月這把刀』(滾石唱片)にも楽曲提供とデュエットで参加をしています(2人のデュエット曲『套不住』は双方のアルバムに収録)。都会的な哀愁漂うメロディと優男っぽいボーカルは意外とクセがあって好みの分かれるところ…ですが、要注目アーティストであることには違いありません。

 

候補4人目は、オーディション番組『超級星光大道』第1シーズンの出身、第24屆金曲獎(2013年)で最佳國語男歌手獎を受賞した実力派男性シンガー・蕭敬騰(シャオジントン)です。
CDデビューは2008年。本作『The Song』は金曲獎を受賞した前作『以愛之名』からは1年7ヶ月ぶり、5枚目のオリジナルアルバムとなります(スタジオ録音アルバムとしては通算7枚目)。蕭敬騰、順調すぎるくらい順調にキャリアを重ねていますねー。今回も前作に続いて彼自身がアルバムプロデュースしているのに加え、全10曲中6曲を作曲(うち5曲は作詞も手掛けている)。さらにはMVの脚本やコーラス、スタイリストといった裏方的な仕事までもこなしていて、もうマルチアーティストと呼んだほうがよさそうなくらい。肩まであった長髪をばっさりカットして挑んだ、蕭敬騰渾身のアルバムです。

 

候補5人目は、1981年生まれ、中国大陸吉林省・滿族の出身。190cm近い長身から放たれる情感豊かな直球ボーカルが魅力の実力派男性シンガーソングライター・關喆(グワンジャー)です。
2005年に出場した大陸の歌唱コンテスト番組『我型我秀』で全国10強に入賞し、メジャーレーベル・艾回唱片avex(現・愛貝克思)と契約。北京オリンピック開催直前の2008年4月に1stアルバム『關愛』で本格デビューしました。現在はドラマやイベントの主題歌、有名アーティストへの楽曲提供やプロデュースのほか、音楽学校で講師を務めるなど多方面で活躍中です。本作『寂寞』は2013年に契約した華納音樂Warner Musicからリリースされた4枚目のアルバムで、台湾スタッフも多数参加している、アジア地域での活動拡大も視野に入れた意欲作。昨年10月29日にお父さんになった關喆、今後の台湾での活躍が期待される超大型アーティストです。

 

以上がsasanoji radio Awards 2014、【Best Male Artist】部門の候補5名でした。

最終的に1枠減としています。女性部門と同様、こちらも本来入っていてもおかしくないはずのアノ人がいない、アノ人もいない…ということになってしまいましたが、あくまでも個人的な評価ということで、入れなかったアノ人やアノ人、ゴメンナサイ^^;。