艾怡良Eve Ai『如果你愛我』（2012）
索尼音樂Sony Music旗下の新人女性シンガー・艾怡良（アイイーリャン）のデビューアルバムが、どうやらリリース間近のようです。
10月11日公開、彼女自身が作詞作曲に携わった1stシングル『Metal Girl』のショートPV。
艾怡良は1987年生まれ、台湾出身の25歳。2008年、21歳のときにオーディション番組『超級偶像』第1シーズンのPK戦（道場破りの一騎討ち）に出場して2勝を挙げ、2年後、23歳のときに第5シーズン本戦に出場。過去に例のない高成績を収めてチャンピオンとなりました。MVP獲得回数9回は歴代最多。Duffyの『Mercy』を歌った第10集では、そのあまりの見事さに審査員を務めていたジョアンナ（王若琳）の父ちゃん・王治平は彼女を“藍調女王”（ブルースの女王）と呼び、同じく審査員の黃國倫はこのステージレベルを超越していると絶賛。第24集、10強決定前に44点の高得点を得たのも彼女が初めて。第26集では張惠妹A Meiの『只愛高跟鞋』を歌って史上最高点・44.8点を叩き出しています（彼女を対戦相手に指名した印台ハーフの男性シンガー・羅平も44.5点の番組新記録だったが惜敗した）。視聴者による人気投票では洪佩瑜（ホンペイユー）に1位の座を譲りましたが、この番組の特徴である複雑な得点配分により最後0.552点という僅差で洪佩瑜に競り勝ち、索尼音樂との契約権を獲得しました。
コチラは昨年5月にリリースされた番組10強による記念コンピレーションアルバム『超級偶像 Super! I Do!』の収録曲『I Need You』のMV。作曲はマレーシアの人気女性シンガーソングライター・宇珩（ユーハン）。
トーク部分で一緒に登場しているのは、左から第4位の吳海文、第8位の榮忠豪、第7位の翁詩耀。艾怡良の『I Need You』と吳海文の『超級偶像』（という曲名）は本人の出演でMVも制作されました。吳海文は今回発表された彼女の1stシングル『Metal Girl』の作曲にも携わっているようですね。
艾怡良はこれまでラウンジ歌手をしていたということで、若いのにけっこうこなれた歌い方をしています（見た目もこなれてる^^）。シンガーとしては即戦力でしょう。でも、ソングライターの才能は未知数です。優勝のインセンティブでメジャーレーベル・Sonyと契約出来たわけですが、それが吉と出るか否か。周りに集まったクリエイター次第になってしまいそうで、ちょっと心配です。『I Need You』のMVとか、あの芝居はいらないでしょう^^;。
いずれにしても、要注目の新人だと思います。
じつはこの記事のほとんどの部分は6月初めに書いていたものです。彼女を応援するファンのFacebookに寄せられた本人からの情報では、その頃、製作チームとSonyは会議で忙しくて、アルバムが出るのはもうしばらく先になりそうとのことでした。それで機会を待っていたのですが、あれから4ヶ月、ようやくデビューです。
藍調女王・Eve、果たして索尼Sonyは活かせるでしょうか。
10月29日、『如果你愛我』のMVが出ましたが、芝居演らせてますね～。大事に育ててほしかったのですけど…。
羅平と洪佩瑜もいいですよ～。超ド卑怯な（笑）パフォーマンスで会場を爆笑の渦に巻き込み44.5点を獲得した羅平と、最後までEveと接戦を繰り広げた洪佩瑜。
とくに『Super! I Do!』に収録されている第2位・洪佩瑜の『踮起腳尖愛』（ドラマ『我可能不會愛你』の挿入歌）は、ちょっと孫燕姿Stefanie Sunに似たハスキーボイスでかなり気に入っています。良いレーベル、クリエイターにさえ出会ってくれれば、ドラマの主題歌などにピッタリなシンガーになってくれそうな気がします。
台湾の2つの新人オーディション番組『超級星光大道』と『超級偶像』、人気、視聴率は共に下降気味で、『超級星光大道』は第7シーズン終了後『華人星光大道』に衣替えして再スタート。『超級偶像』はこの大会のあと第6シーズンから大学生を対象とした『校際爭霸戰』をやってみたり、学生組と社会人組を競わせるなど試行錯誤の状態が続いています。人的資源の枯渇が要因の1つとの見方もあり、もうかつてのようにインパクトのある新人は、なかなか出てきてくれないようです。これからのオーディション番組ではそれこそ滄海遺珠を探すような厳しい眼が、観客や視聴者にも必要となってくるのかもしれません。
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