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第31屆金曲獎の入圍影像が凄いゾ!

本日の1曲目は、第31屆金曲獎《最佳演唱組合獎》を受賞いたしました、Chick en Chicksの1stアルバム『作弊人生』から、リードナンバー『徐志摩』です。どうぞ!


第31屆金曲獎《最佳演唱組合獎》: Chick en Chicks

 

令和2年10月10日、土曜日。時刻は午後10時を回りました。

皆さん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

今日は中華民国台湾の建国109年の記念日、國慶日(雙十節)ですね。台湾の皆さま、おめでとうございます。日本の地より、台湾の益々のご発展をお祈り申し上げます。

 

さて、その台湾で先週土曜日に行なわれた第31屆金曲獎の授賞式、皆さん、ご覧になりました~?

いやあ~、良かったですよね~。世間では色々言われてますけど、僕は良かったと思いますよ~。例年ですと6月末に開催されるはずが、コロナ禍の影響で3ヶ月延期になって、金曲獎に関連したプレイベントは中止、会場も集団感染を避けるために1万5千人収容可能なTaipei Arena(台北小巨蛋)から、オープンしたばかりのTaipei Music Center(台北流行音樂中心)という…座席数にするとTaipei Arenaの半分以下になるのかな、小さめのホールに変更されて…。ステージが狭いのでオーケストラが入れないとか、大掛かりなセットが組めないとか、縛りは諸々あったようですけども、いざ始まってみれば、さすが金曲獎でしたよ。ホント胸の奥に、こう…何か暖かいものがジ~ンと残る、素敵な授賞式だったと思います。

 


第31屆金曲獎《最佳新人獎》:持修Chih Siou

 

結果のほうもね、僕の個人予想は國語部門以外が…ほぼ全滅でしたけどww、異論はないですね。阿爆ABAOの《年度專輯獎》,《年度歌曲獎》,《最佳原住民語專輯獎》の3部門受賞も納得ですし、魏如萱Waa Weiの《最佳國語女歌手獎》、吳青峰Wu Qing-Fengの《最佳國語男歌手獎》も良かったですし、Chick en Chicksの《最佳演唱組合獎》、持修Chih Siouの《最佳新人獎》には狂喜しましたし、キャリア20年にして初めて《最佳樂團獎》を受賞した滅火器Fire EX.には文句が出ようはずもないですし、日本の三重奏団・古武道KOBUDOの《最佳編曲人獎》受賞、東京中央線の大竹研さんと早川徹さんがあのステージに立っていることが本当に誇らしかったし、なにより王若琳Joanna Wangの《最佳國語專輯獎》は、深夜に大声を出してしまったくらい興奮しました。エンディングを見ながら、朝までずっとこの余韻に浸っていたいな~と思いましたね。

 


第31屆金曲獎《最佳編曲人獎》:KOBUDO(古武道)

 

とにもかくにも異例尽くしの金曲獎でしたが、そんな難しい状況の中でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた出演者の方々、素晴らしい仕事をしてくれたスタッフや裏方の皆さんには、心からの拍手と労いの言葉を贈りたいです。

ということで今夜のsasanoji電台は、受賞者、ではなく、裏方さんのお仕事のほうに注目をしてみました。各部門のWINNERを発表する前に、候補者を紹介する動画が流れていましたよね。アレ、向こうでは入圍影像というんですけども、YouTubeで中継を見ていて気になった方、いらっしゃいますかね~、いらっしゃるといいのですけど~。その辺のお話をちょっとしてみようかなと思っております。よろしければ、お付き合いくださいませ。

 


第31屆金曲獎《最佳國語女歌手獎》:魏如萱Waa Wei

 

今回の金曲獎、僕は晩ごはんも食べず、風呂にも入らず、最初から最後までガッツリ通して観ました。全部見たのは、これが初めて…かもしれません。ウチはケーブルテレビのJ-COMを引いているんですけども、今年チューナーを新しいやつに変えまして。YouTubeやABEMAなどのネット動画がテレビで見れるようになったんですね。それで去年までノートパソコンの小っちゃな画面で見ていた金曲獎を、今回初めて、テレビの大きな画面で見ました。当たり前ですけど、臨場感がぜんっぜん違いましたね。音も違う、画面の奥行きも違う、精細で出演者の表情なんかもバッチリ見える。もちろん、ドラムパフォーマンスで董事長樂團The ChairmanのMickyがスティックを落としたときの表情も、見逃しませんでしたww。今までノートパソコンで見ちゃっててゴメンナサイ、みたいな気分になりましたよ~。

 


第31屆金曲獎《最佳國語男歌手獎》:吳青峰

 

ただ、そうは言いながらもね、レッドカーペットからずぅ~っと見続けていると、途中ダレてくるところもやっぱりあります、7時間もの長丁場ですから。この小芝居いらねえよな~とか。誰とは申しませんがww。で、そんなときに、この《最佳演唱組合獎》の入圍影像が流れたんですね。

ビックリしました。目が覚め…いや、釘付けになりましたよ。白と黒のコントラストを強調した、シンプルでありながら迫力のあるコミック風の動画で、候補者たちのキャラがその中に登場するんですね。これはKOOLですよ。カッコイイ。鳥肌が立ちました。

 

製作したのは、近年、台中花博(2018年)、総統府百年(2019年)、国慶節(2017,2018,2019年,2020年)など、大きなイベントのイメージ影像を多数手掛けているビジュアルデザイン会社・二棲設計27Design(代表:林呈軒)です。エンディングのクレジットに《影像視覺導演》二棲設計、林呈軒とありますね。金曲獎には過去、第25屆(2014年)、第29屆(2018年)、第30屆(2019年)のときに、入圍影像の製作チームとして参加しています。会社のプロフィール欄を見ると、2014年の第25屆金曲獎の入圍影像が、二棲設計が関わった最初の大きな仕事だったようですね。この第25屆は、金曲獎の動態設計(Motion Design)に革命をもたらした回として、業界では高く評価されているそうです。

 


YouTubeで直接ご覧ください。

毎回の入圍影像の違いなんて、今まで意識したことありませんでしたが、こういうところにも金曲獎の歴史があるんですね~。

 

今回の入圍影像は、各カテゴリー、言語ごとにコンセプトやビジュアルデザインを変えていて、例えば國語部門は電脳社会をイメージさせるハードなアーバン調、原住民語部門は民族のデザインを取り入れたクールなエスニック調、客家語部門は原田泰治の風景画を思わせるノスタルジックなカントリー調など、全部で9つのパターンがあるようです。とにかくいちいち芸が細かい。新人部門だけが旧態でちょっと残念ですが、動画配信サイト・ Vimeoの二棲設計27Designのページにアーカイブがあるので、見逃した方、ぜひその目で直接確かめてみてください。魅入ってしまいますよ~。それから、二棲設計が参加した第29屆の入圍影像も凄まじいので、そちらもオススメしておきます。

 


第31屆金曲獎《年度歌曲獎》:阿爆

 

いま台湾では、Lyric Video…歌詞版のMVのことですけども、これが急激な進化を遂げています。ただ単純に歌詞を画面に流すのではなく、様々な視覚効果を盛り込んで、“魅せる”ことに特化した作品が増えているんですね。2016年の第27屆金曲獎では、これもLyric Videoと呼んでいいでしょう、陳珊妮Sandee Chanの『如同悲傷被下載了兩次』(導演:談宗藩)が《最佳音樂錄影帶獎》を受賞しましたが、別にカテゴリーを設けたほうがいいのでは…と思うくらい、現在の台湾のLyric Videoは挑戦的かつ多様化しています。若手の視覺設計師(Visual Designer)が参加したインディーズアーティストのLyric Videoも増えてきていますし、台湾の動態設計(Motion Design)、ちょっと注目してみてはいかがでしょうか。面白い作品、新しいアーティストに出会えるかもしれませんよ。

 


第31屆金曲獎《最佳國語專輯獎》:王若琳

 

それでは最後に、第31屆金曲獎《最佳音樂錄影帶獎》を受賞いたしました、告五人Accusefiveの『紅』(導演:殷振豪)をお聴きいただきながら(ご覧いただきながら)、この時間はお別れです。台風14号、日本列島からは離れましたが、伊豆諸島方面には大雨特別警報も出ております。動きもちょっとトリッキーですし、まだまだ油断は出来ません。急に気温も下がってきましたのでね、皆さま、体調を崩されませんよう、くれぐれもお気をつけて。心穏やかな週末をお過ごしくださいませ。ごきげんよう。sasanoji電台でした。

 


第31屆金曲獎《最佳音樂錄影帶獎》:殷振豪

 

 

正直に言いますとね~、許哲珮Peggy Hsuにアルバム賞を獲ってもらいたかった気もするんですけどね~。う~ん…^^;。

 

 

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本日のオンエア曲

 

 

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