sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

ニッチMVチャンネルはsasanoji電台を惑わす。

 

今夜のOPナンバーは2月11日リリース、Z世代の大学生シンガーソングライター・Diiton滴燙の最新シングル如果可以でした。

 

 

令和4年2月13日、日曜日。時刻は午後10時4分になるところです。

皆さん、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

台湾では旧正月休みが終わって1週間が経ちました。お休み中は新作MVの数が少なくて、第2廣播Twitter)のほうもほとんど休業状態でしたが、そんな中でも変わらずMVをUPしていたYouTubeチャンネルがありました。僕はそれらを勝手にニッチMVチャンネルと呼んでしまってますが、他に何か正式な呼称があるのかな、簡単に説明すると、公式の動画MVになっていない楽曲をLyric Videoのような簡易版のMVにして流すYouTubeチャンネル、のことですね。未知のアーティストや楽曲に出会える、僕にとってはひじょうにありがたいものなのですけども、一方で台湾メインを看板に掲げているsasanoji電台としては、ひじょうに悩ましくもありましてww。今回はそのあたりのことについて、ちょっとお話をしてみようかなと思っております。よろしければ、しばらくお付き合いくださいませ。

 

 

今夜の2曲目です。2月25日CDリリース予定、10年ぶりに亞神音樂(発行)に戻ってきました謝和弦R-chordの最新EP哈們収録のナンバー、紐約女孩をどうぞ。

 

 

sasanoji電台ではここ1、2年、香港や大陸のMVを紹介する回数が増えています。ね、台湾ポップス専門なのにww。年間ベストトラックも台湾出身ではないアーティストの楽曲が半分以上を占めてしまっているような状況で、sasanoji電台的にもこれはちょっと…と意識し始めているところです。原因はまあハッキリしてまして、単純にニッチMVチャンネルを厚めにチェックするようになって、台湾以外の楽曲を聴く機会が増えた、ということなんですけどね。
僕が現在フォローしているチャンネルは14、15個くらい…でしょうか。その発信元の中で最も多いのが香港、次が台湾…という感じで。それで今年からちょっと軌道修正しようということで、お気づきの方いらっしゃるかもしれませんが、香港、大陸の曲の紹介が昨年よりも若干控えめとなっております。ここがホント、悩ましいところなんですよねww。

それからもう1つ、最近ビビッとくる曲が台湾よりも香港、大陸に多い理由、これは自分でもまだ確信が持てていないのですが、台湾ではここ数年の金曲獎の様子からも分かるように、原住民族を含めた独自の文化を重視する、回帰しようとする大きな動きが見えます。これは言い換えれば、台湾のローカル文化に馴染みのない日本人にとっては逆に取っ付きにくくなってしまった、とも言えます。音楽もまた然りです。片や、香港や大陸の音楽シーンは外に発信する姿勢を強めていて、今風でありながら中華的なメロディラインも残している、僕ら日本人にとっても耳に馴染みやすい、聴きやすい曲が増えているように感じます。アーティストの母数自体も大きいですしね。これも理由の1つになっているのかな…と僕は考えているのですけど、どうでしょうか。

 

 

* * * * * *

ではここから、sasanoji電台が厚めにチェックしているチャンネルをいくつか取り上げていきますが、まずその前に、それらの原型となったのではないかと思われるチャンネルがあるので、そちらをご紹介しておきます。2011年に個人の方が始めた非公式のMVチャンネル・JOY RICHです。

JOY RICH(香港?)

 

インスタにはHKとあったので、おそらく香港の方だろうと思いますが、定かではないです。僕は以前、紹介したい楽曲のMVが無い場合、やむを得ず個人アカウントがUPした非公式モノを使ったりしていたのですが、JOY RICHさんのチャンネルは統一感があって見栄えも良いですし、ひじょうに重宝しておりました。残念ながら2017年を最後に更新はストップしています。画面中に歌詞は入ってませんけども、現在のニッチMVチャンネルの原型がここに見える気がしますね。

 

 

次は僕がイメージしているニッチMVチャンネルとは違うのですが、2015年頃から本格稼働したアジア最大のデジタル音楽プラットフォーム・YOYOROCK滾石移動YouTubeチャンネルをご紹介しておきます。

YOYOROCK滾石移動(台湾)


チャンネル登録者数は30.1万人。メジャーレーベル・滾石唱片Rock Recordsの所属部門だった滾石網絡科技娛樂通信事業部が前身で、2002年に設立されました。YouTubeへの登録は2011年となっています。扱っているアーティストはメジャーが中心で、発信元は台湾ですが、大陸アーティストのほうが充実している印象ですね。著作権管理もキチンとなされている巨大なMVチャンネルです。ココをチェックしておけば新顔を含め中華圏メジャーの最新音楽情報は、ほぼもれなくキャッチ出来るでしょう。

 

 

3つ目はぜひ記憶しておいてほしいです。僕もここでずいぶん勉強させていただきました。2017年に台湾のインディーズファンが個人で始めたMVチャンネル、雙下巴Indie Musicです。

雙下巴Indie Music(台湾)

 

チャンネル登録者数は12.4万人。雙下巴(二重あご)という奇妙な名前が面白いですよね。これは2010年に宋冬野が発表した曲『抓住那個胖子』の歌詞に製作者がインスパイアされて、胖子(デブ)の特徴である雙下巴(二重あご)をチャンネル名にしたのだそうです。サムネイル写真はアーティスト本人から提供を受けたもので、曲の雰囲気に合わせて使用する写真を選んだり、タイトルや歌詞のフォントを変えるなど、製作者の細やかな配慮が窺える、ひじょうに洗練された公式に近い非公式のMVチャンネルです。ここで取り上げられて知名度を上げたインディーズアーティストも数多く、また後続のニッチMVチャンネルに与えた影響も計り知れません。なにぶん個人が仕事の合間にやっているということで、2019年を最後に現在は更新がストップしております。

 

 

4つ目は、雙下巴Indie Musicが2019年に稼働を停止した後、2020年に現れた台湾のニッチMVチャンネル・HEAT MUSICです。

HEAT MUSIC(台湾)

 

チャンネル登録者数は5.68万人。ここもおそらく個人がやっていると思われますが、情報がほとんど出てなくて詳細が分かりません。画面から受けるイメージが雙下巴とよく似ているので、時期的に雙下巴の関係者が新たに始めたのかな、とも思ったのですが、大陸のインディーズアーティストを多めに扱っているので別人なのでしょう。それでも洗練された雙下巴の雰囲気を上手く取り入れた、良質のMVチャンネルだと思います。僕がここで知った大陸アーティストも少なくないですよ。

 

 

5つ目は香港発です。中華圏の多数の音楽レーベルやYOYOROCK滾石移動などのデジタル配信メディアとも提携している公式MVチャンネル、EHPMusicChannelです。

EHPMusicChannel(香港)

 

チャンネル登録者数は最大の221万人。2016年にEHP Music Channelという単語の間にスペースが入ったチャンネル名で一度登録されまして(登録者数は8.6万人)、その後何があったのかは不明ですが、翌年新たに別のアドレスで登録し直しています。それが現在のEHPMusicChannelですね。ここの最大の特徴は、中国語の発音・ピンインが一緒に表示されていることでしょう。ピンインが読めてカラオケで歌いたいと思っている方や中国語を勉強している方にとっては、ありがたい配慮ですよね。

 

 

最後も香港からです。コチラも大陸のメジャーレーベルやYOYOROCK滾石移動とも提携している公式MVチャンネル・WCY Music Studioです。

WCY Music Studio(香港)

 

チャンネル登録者数は75.8万人。画面にピンインが流れるなどデザインの基本フォーマットはEHPMusicChannelと似ていますが、WCY Music Studioのほうが後発で、2018年に稼働を開始しています。この2つのチャンネル、同じ曲を流したりしていて、正直、差がよく分からないのですけども、WCYのほうがEHPよりも若干大陸の簡体字表記が多い印象なので、その辺もっと突っ込んで調べてみれば、何か分かったかもしれませんね。いずれにしてもこの2つのチャンネル、香港や大陸の若いアーティストに出会える場として貴重だと思います。

 

 

その他、4K Music Makeベトナム)、Ustinian Studio(香港)、Music Channel HM(香港)、Pisces Music Channel(香港)、Angelic Music World(台湾)、EWway Music東西世界音樂(香港)、眾水之音文化傳播有限公司(台湾)、闊思音樂CROS MUSIC(台湾)、MusicBravo音樂霸(台湾)、Boba Beats(香港)、大長城多媒體有限公司Great Wall Multimedia(台湾)などもお気に入りに登録しております。各チャンネル、プラットフォーム毎に特色がありますので、ぜひ皆さんも自分好みのチャンネルを見つけてチェックしてみてください。

以上、sasanoji電台を惑わすニッチMVチャンネル特集でした。

 

 

* * * * * *

それでは今夜最後の曲にまいりましょうか。2月11日公開の徐若瑄VivianのニューシングルVIVILANDを聴きながらお別れです。作詞に麋先生Mixerの吳聖皓、作曲に今夜のOPで紹介したDiiton、台越混血ラッパー・桃子A1Jが参加しているのも要注目ポイントですよ。

お天気がまた心配ですね。これから明朝に掛けて東京都心でも雪が積もりそうとのことで、通勤通学の時間帯、交通機関への影響があるかもしれません。明日は時間に余裕を持った行動を心掛けましょうね。足元にもじゅうぶんにお気をつけください。皆さんにとって良い1日となりますように。お相手はsasanoji電台でした。ごきげんよう。拜拜!

 

 

香港、大陸作品、ホントどうしよっかなww。

 

 

* * * * * *

本日のオンエア曲