令和2年5月2日、土曜日。午後0時を回りました。
こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。
ゴールデンウィークに入りました。世の中の空気は全然ゴールデンじゃないですけどね…。テレワークが続いてストレスを溜めている方、多いことでしょう。僕は年を取ってしまったので、むしろ部屋の中でジッとしていたほうが楽なのですけど、若い方はつらいですよね~。今日は良い天気ですし、僕もあと20歳くらい若ければウズウズしてバイクで飛び出していたと思います。まあそんな気が湧いてこないくらい枯れた、ということでしょうか。
さて皆さん、『ホルモン』と聞いて何をイメージしますか?
体の中で作られる内分泌物質、それとも焼肉の内臓料理のほうでしょうか。
内分泌物質のほうのホルモン、男性ホルモンとか女性ホルモンについては、今は小学校の高学年くらいで習うんですかね。僕が子供の頃は中学の保健体育の授業で初めて習ったような記憶があるのですけど。それでモヤモヤ~とした気分になったりね。
焼肉の内臓料理のほうのホルモン、『モツ』のことですけれども、これは関西地方で多く使われている名称で、大阪弁の『放るもん(捨てるもの)』が語源との説もあるようですが、戦前から既に精力を増強するスタミナ料理全般を『ホルモン料理』と称して食べていたようなので、『放るもん』由来説は現在では否定されています。
40年以上前ですけど、僕の故郷・岡山の実家の近くにも『ホルモン』の看板が掛かったお店が1軒ありましたね。ただ、関西の食文化圏からは外れていたのでウチの食卓にホルモン料理が出たことはなく、それがどんな食べ物なのか、当時はよく知りませんでした。夜、塾からの帰り道、田んぼの向こうに怪しげに灯る(子供心にそう見えた)ホルモン屋さんの明かりを横目に見ながら、あそこで大人たちは何を食べているのだろう、とモヤモヤ~としながら自転車で通り過ぎたことを憶えています。
今回はそんな思春期の頃を思い出して胸がキュンとなってしまいそうな、今の若者たちの瑞々しい感性が溢れる注目の男子3人組バンド、荷爾蒙少年Hormone Boysをご紹介いたしますよ。
荷爾蒙少年Hormone Boys『黑色台北』(2020年)
まずは1曲。4月9日デジタルリリース、CDは5月22日リリース予定となっております、彼らの1stアルバム『黑色台北』から、7曲目に収録のナンバー『橙夜』をどうぞ。MVを監督したのはボーカルの詹詠安。主演はS電賞2017【Best Music Video】部門の『歪』(魏如萱)のところで紹介したことがありますね、若手監督の黃晟銘が務めています。
ファンキーかつメロウ、若々しいクセのないスムーズなサウンドが好印象です。これはモツが苦手な人でも食べやすいでしょう。台湾の男性3人組バンドといえば、宇宙人Cosmospeopleや生命樹樂團Tree of lifeを思い浮かべる人が多いと思いますが、その2組と同系のイメージでしょうか。
荷爾蒙少年(ホールモンシャオ二エン)は2015年、台北の中正高級中學熱音社(ロック部)所属の2年生、詹詠安(Vo,Gt)、陳思語(Ba)、齊慕堯(Dr)の3名によって結成されました。同年12月に初めての楽曲『愚人船』(音源なし)、翌2016年3月に『午後迷茫』を発表。当時高校生ながら、いくつもの音楽フェスやライブに出演し好評を博しています。
2016年発表のシングル『午後迷茫』[*1]と、彼らが参加した2017年度の中正高中卒業歌『未了』を続けてどうぞ。台湾の高校では卒業歌制作が流行っているのですよ~。卒業歌だけを集めたアルバムが出ているほどです。
高校卒業後の2017年10月、荷爾蒙少年はシングル『4:00A.M.』を公開。これを取り上げた独立系のYouTubeチャンネル・雙下巴Indie Musicの歌詞版MVが再生回数130万を超える人気(現在は167万超)となり、2018年1月、その『4:00A.M.』を収録した5曲入りの1st EP『Hormone boys』(禾廣)を正式にリリースしました。
1st EP『Hormone boys』の5曲目に収録の『4:00A.M.』(雙下巴版)、3曲目に収録の『傾雨』を続けてどうぞ。
荷爾蒙少年の3人は大小問わずライブを中心に精力的に活動を行なってきましたが、2018年3月に貝斯手の思語がオーストラリアに医学留学するため離団を発表。同年6月、鼓手の慕堯も自身のビジネスに集中するため離団することになり、現在はオリジナルメンバーの詹詠安(Vo,Gt)、新メンバーの彭浩鈞(Ba)と陳思默(Dr)の3名で活動中です。
2018年12月にリリースされた新メンバーによる初シングル『黑甜鄉』、2019年3月リリースのシングル『貳拾』、2曲続けてどうぞ。
2020年4月9日、荷爾蒙少年は1stアルバム『黑色台北』をデジタルリリースしました。90年代末生まれの彼ら(詹詠安)が描く世界は純粋で、明朗で、でも不安定で、繊細な少年らしさに満ちています。若い恋をしてみたり、大人の言葉に抗ってみたり、やり場のない気持ちに葛藤したり…。これって僕らも経験してきたことですよね。だから彼らのリアルな少年らしさを目の前にさらけ出されると、昔の自分を見せらているようでちょっと照れてしまう。僕らいい年をした大人だけでなく、いま彼らと同世代の少年、若者たちもきっと共感出来ると思います。聴いていて少し気持ちが若返った気がしました。新鮮な感性が迸り出ている、今後の活躍が期待される要注目のスリーピースバンドです。
それでは最後に、デジタル版は既に配信済み、フィジカルは5月22日リリース予定となっております1stアルバム『黑色台北』から、2曲目に収録の『中華商場1971 feat. 修齊』を聴きながらこの時間はお別れです。今日は沖縄、九州、北海道を除いて天気も概ね良いようですけど、不要不急の外出は控えましょう。辛抱しましょう。皆さま、どうぞ心穏やかな土曜日の午後をお過ごしくださいませ。ごきげんよう。sasanoji電台でした。
僕のブログ、少しは暇つぶしになると思うのですけど~。
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本日のオンエア曲
※台北市中正高中42th畢業歌『未了』はラインナップなし。
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脚注
*1:2018年リリースの1st EP『Hormone boys』の2曲目に『午後迷茫2017』が収録されている。