sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

sasanoji電台が聴き直すこの1枚、許哲珮『氣球』。

令和2年3月15日、日曜日。午後3時を回りました。

こんにちは。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

今回は2001年11月リリース、18年前の作品ですね。個性派女性シンガーソングライター・許哲珮Peggy Hsuのデビューアルバム『氣球』をピックアップいたします。

 

なぜ昔のアルバムを今になって突然…、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので最初にご説明しておきますと、僕は昨年からSpotifyを使い始めまして。皆さんも使ってます?Spotify。便利ですよね~。レコメンドアルゴリズムが優れているんでしょうね、かなりの確率で自分好みの選曲をしてくれるので重宝しています。

そのSpotifyが選んでくれた曲を聴いているとき『あ、これいいな』と思ってジャケット写真を確認してみたら、『なんだ持ってるじゃん、このアルバム…』ということが、たま~にですけどあるんですね。忘れているんです。初めてその曲を聴いたときはどう感じたのか、好みではなかったのか。耳が肥えたとは思っていませんが、曲の印象はそのときの気持ちの状態だったり、聴いている場所、環境の違いで変わってくるものなので、これは再度、復習の意味も込めて自分が持っているアルバムを聴き直してみたほうがいいのかな、と考えたわけです。

これまでに数多くの作品をここで紹介してきましたが、紹介したかったけど出来ていない作品というのもまだまだたくさんあります。自分でも記憶を新たにしながら、また、最近台湾ポップスを聴き始めたよ~、マンドポップを聴き始めたよ~という方がいらっしゃいましたら、その参考にもなるよう、ご紹介出来たらと思っております。

 

その第1回目に取り上げる作品がこちら、許哲珮Peggy Hsuの『氣球』です。僕が現在持っているC-POPのアルバムの中では、これが一番古いものとなります。2000年以前のものについては、正直よくわかりません^^;。ということで、これを第1回目に持ってきました。

 

許哲珮Peggy Hsu『氣球』(2001年)

Peggy-hsu2001 

 

2001年リリース、台湾の個性派女性シンガーソングライター・許哲珮(シージャーペイ)のデビューアルバムですね。

前回の放送で、僕が意識して台湾ポップスを聴き始めたのが2009年頃からで、そのキッカケの1つが許哲珮の3rdアルバム『美好的』(2009年)だったことはお話をいたしました。ですので、この1stアルバムはだいぶ後になってから、Amazonデジタルミュージックストアにラインナップされた2018年に購入しています。僕は当時CDでのコレクションにこだわっていて、探してみたのですけど結局見つからず(…個人出品の高額モノはある)、やむなくそのデジタル版を購入しました。CDではないので参加アーティストやスタッフなどの詳しい情報は全くわかりません。

収録曲はIntroOutro、それからこれは隠しトラックだったんですかね、最後に入っている3曲目『想念』のピアノバージョンを含め全14曲。Interludeは明記されていませんが、曲の長さから見て7曲目『憑什麼』がそれに相当するようです。作詞作曲は全て許哲珮本人。プロデュースは、この後、彼女とは長い付き合いとなる林揮斌と陳建良が務めています。

この作品で許哲珮は、翌2002年の第13屆金曲獎【最佳新人獎】にノミネート[*1]されたほか、中華圏でいくつもの新人賞を獲得しています。

 

それではここで1曲。アルバム5曲目に収録のナンバー『白色婚禮』をどうぞ。北欧・アイスランドでロケを行なった華人アーティストは、彼女が初めてだそうです。

 

許哲珮は1981年生まれ。先月誕生日を迎えましたので、現在は39歳です[*2]。2000年、19歳のときにダウンロードサイト・滾石可樂RockaColaで発表した自作曲『氣球』が年間アクセス数トップとなったのをキッカケに捌捌陸陸8866唱片と契約。翌2001年、1stアルバム『氣球』でCDデビューしました。ところが喜びも束の間。所属レーベルが経営危機に陥り、契約は敢えなく解除となってしまいます。彼女は舞台裏でクリエイターとして働くことを決意し渡米。バークリー音楽大学でジャズボーカルを学びながら創作活動を続けました。そして6年後の2007年、傑作『許願盒』が誕生するのですが、それはまたの機会にご紹介いたしましょう。

 

IntroやOutro、Interludeが入る構成は以降の作品と同様ですが、本作『氣球』は1stアルバムということで、現在の演劇的なコンセプトを取り入れた彼女の作品とはかなり毛色が異なる、別の意味で挑戦的なバラエティに富んだアルバムとなっています。瑞々しく鮮烈で、いま聴いても全然古い感じがしません。これ、当時もしも僕が台湾ポップスにハマっていたとしたら、どれだけ興奮したんだろう。リアルタイムで体験したかったですね~。最近マンドポップを聴き始めたという方にも、ぜひオススメしたい1枚です。

 

それではこの時間最後の曲、彼女独特の世界が既にそこにあると実感させてくれるナンバー『氣球』を聴きながらお別れです。しばらく暖かい日が続いて桜が咲き始めたと思ったら、イキナリ真冬並みの気温に逆戻り。これはきついです。皆さま、体調管理には十分に気をつけて、手もよ~く洗って。日曜の午後、どうぞ心穏やかにおすごしくださいませ。ごきげんよう。sasanoji電台でした。

 

昨年末にデジタルリリースされた最新作『失物之城』、CDの一般販売は…やっぱりないのでしょうか…。寂しい…。

 

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本日のオンエア曲

 

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脚注

*1:受賞は孔令奇。ノミネートされた同期にはS.H.E、易齊(易桀齊)、黃湘怡らがいる。

*2:2011年に結婚。2017年に長女が誕生している。