こんにちは。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasaniji電台です。
これで3日連続の放送ですね~。
ヤバイですね、これは。本当に雪降りますよ~^^。
さて、昨日もちょっとお話をしましたが、中華圏では伝統的に旧暦で新年をお祝いするので、まだ向こうはお正月ではないんですね。2020年の旧正月、春節ですけれども、今年は1月25日が元日となっております。ですので、12月31日は中華圏ではまだ普通の日。CDも普通にリリースされます。
で、毎年狙ったように、この12月31日にけっこう良い作品が出てくるのですよ~。懐に余裕があれば全部欲しいくらい。今回ピックアップする作品もその中の1つです。それがコチラ。
鐵陽Ocean Tien『如果你也啟程前往遠方』(2019年)
ジャケットデザインは金曲獎の常連・方序中。撮影は萬鏡寫真館の館主で写真家の李廣Ricor。美しい冠は植物芸術家・李濟章が手掛けました。
中国雲南省出身の個性派女性シンガーソングライター、地球系流行創作女聲・鐵陽(ティエヤン)の3rdアルバム『如果你也啟程前往遠方』です。
日本ではまだ知る人ぞ知る、といった感じでしょうか。2015年に1stアルバム『發光的海』、2018年に2ndアルバム『十字海星』[*1]とEP『Merry Marry』をリリース。その他にも、南米・アマゾンの音を収録したサウンドドキュメンタリー『A Letter of Sound』(2016年)、北京出身の音楽家・李星宇Li Xingyuとのユニット・偽裝大人としてサウンドムービーアルバム『J' trailer.1』(2016年)、映像作品『一個叫Day的廚子』(作者:熊舒予)への配楽、2017年には世界各地の音を記録するプロジェクト・地球的聲帶を起ち上げるなど、歌手の枠に留まらない地球を舞台とした個性的な活動を展開しています。
それではここで1曲。2ndアルバム『十字海星』から、3曲目に収録の『晨曦的海豚戀人』です。これは、彼女がアマゾンのジャングルで自然の音をレコーディングしているときに出会った世界最大の淡水イルカ、原住民たちは“Boto”と呼んでいるそうですが、そのBotoの伝説にインスピレーションを得て創作した曲だそうです。
癒やされますね~。大きなスケールを感じさせる美しい歌声です。
鐵陽は1990年生まれの現在29歳。中国雲南省の、冬は雪深い南部の山里の出身。祖先はモンゴル部の中心氏族・ボルジギン氏から生まれたモンゴル帝国の初代皇帝・チンギスハン、別号・テムジン(鐵木真)に繋がる血筋とのこと。12歳のときにクラシックピアノを学び始め、14歳で初めてのピアノ曲を創作。大学では経営学を専攻していましたが、彼女の一番のお気に入りは、劉歡Liu Huanの西洋音楽史の授業だったそうです。
1stアルバムリリース後の2016年、彼女は李星宇らと南米に赴き、1ヶ月間、現地のミュージシャンたちとワールドミュージックの即興演奏活動を行ないました。その旅で彼女は、音楽と自然の音の繋がりについて深く考えるようになり、以降、音楽創作を続けながら、世界中の様々な場所で自然と音楽の多様性について記録し続けています。
それでは2019年12月31日リリース、鐵陽の最新作から、ラスト10曲目に収録のタイトルナンバー『如果你也啟程前往遠方』を聴きながら本日はお別れです。お正月関係なくお仕事という皆さま、来週から仕事初めという皆さまも、どうぞこのアルバムを聴いて地球のエナジーを感じ取ってくださいませ。sasanoji電台でした。
正月に蓄えた脂肪は、エナジーとは言わない…。
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本日のオンエア曲
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脚注
*1:新曲が4曲、1stアルバムからのリメイク4曲を収録した全8曲。