sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

台風の夜、外国人向けFM局をちょっと聴いてみた。

こんばんは。
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

 

台風19号、怖かったですね~。皆さまのお住まいのところではいかがだったでしょうか。大丈夫でしたか?被害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げます。川の氾濫や浸水、土砂崩れ等で危険な箇所も多く、まだまだ油断は出来ません。どうか、くれぐれも身の安全にはお気をつけくださいね。

 

それでは本日の1曲目。2017年リリース、徐佳瑩LaLa Hsuの5thアルバム『心裡學』から『灰色』です。どうぞ。

僕は雲が晴れるように明るさを増していくこの曲の展開が大好きです。本当に清々しい、元気を貰ったような気分になります。徐佳瑩はこのアルバムで第29屆金曲獎(2018年)に於いて最佳國語專輯獎と最佳國語女歌手獎をW受賞。同年8月、MVを監督した比爾賈Bounceとの結婚を発表しました。

 

さて、昨夜から今朝にかけて東日本を縦断した台風19号、大きな爪痕を残して去っていきましたが、夜間ということもあってなかなかハッキリとした状況が掴めず、スマホからは聞いたことのない特別警報メールの音まで鳴り響いて…。あの音(音量)には本当にビビりました~^^;。

それで昨日の夜、思ったのですよね。日本人の僕でもこれだけ不安だったのですから、外国人旅行者の皆さまはさぞや心細かったことだろう、日本語のわからない彼らに情報は十分に伝わっていたのだろうかと。

 

1995年(平成7年)1月17日、今から25年近く前になりますが、阪神淡路大震災が発生しました。もちろん当時はSNSなどのツールは無く、在日外国人、旅行者に対しての情報発信力不足が露呈。大きな問題となったんですね。それで急遽、有事の際に外国語放送を行なうことを条件に設立されたのが、大阪のFM COCOLO[*1]と、東京のInterFM[ *2]でした。

 

本日の2曲目。2016年リリースの魏如萱Waa Weiの5thアルバム『末路狂花』から、『歪』をどうぞ。

プロデューサーの陳建騏は、MVの監督に国立台湾芸大出身の新鋭・黃晟銘を抜擢。人気モデル・賴羽Faye[*3]が主演を務めるこのMVは、黃晟銘が2017年に卒業制作として撮った33分の短編映画『卡住人生』がオリジナルで、それを4分半に纏めたものです。黃晟銘、きっと出てきますよ。注目しておきましょう^^。

 

僕は東京住まいなので、FM COCOLOスマホを使い始めるまで聴いたことがなかったのですけど、InterFMのほうは開局当初からよく聴いていました。トークはほとんどが英語で、流れる音楽も洋楽が中心。また、中国語や韓国語、タガログ語タイ語インドネシア語スペイン語ポルトガル語、フランス語による情報発信など、多国籍感漂う独特の雰囲気も気に入っていました。それがいつの頃からか日本語が増え、邦楽が増え、逆に外国語は減ってきて…。最近はほとんど聴いていません。

2011年の東日本大震災時には、在京外国人向けに各国語でインフォメーションを流し続けていたようですが、昨晩、特別放送やってるかなーと思って合わせてみたのですけど、通常の番組編成でしたね。とくに外国人向けに情報を充実させている様子もありませんでした。タイムテーブルを見ると、現在は平日の早朝5時台、6時台に日替わりで各国語[*4]による自治体[*5]の広報番組を放送しているものの、外国人向け放送局の雰囲気では…もう無いですね。

 

多国籍感という点では、InterFMよりもFM COCOLOのほうが強いでしょう。平日20時から放送の『COCOLO Earth Colors』[*6]、毎朝5時から放送の『FROM OVERSEAS』[*7]はどちらも1時間の日替わり言語番組で、各国の音楽がタップリ楽しめます。ワールドミュージックファンは必聴ですよ^^。

 

本日の3曲目。香港の実力派女性シンガーソングライター・王菀之Ivana Wongがカバーした香港四大天王・黎明Leon Laiのヒット曲『如果這是情』をどうぞ。

2013年リリースのカバーアルバム『晴歌集』からの1曲です。オリジナルは日本のバンド・安全地帯が1990年にリリースした7thアルバム『安全地帯Ⅶ~夢の都』収録の『ともだち』。作曲はもちろん玉置浩二。王菀之の滋味溢れる歌唱、絶品ですね~。

 

FM COCOLOInterFMの他にも同様の条件下で開局したFM局が2つあります。1つは福岡のLOVE FM[*8]。もう1つはInterFMの支局として開局した名古屋のRadio NEO[*9]です。

この4つのFM局が構成する民放ラジオネットワーク・MegaNet(Megalopolis Radio Network)は、ネットワーク番組や特番のセールス、緊急時・災害時の放送協力などを通じて相互に補完・協力し、外国語FM放送の発展と媒体価値の向上を目指し、日本における国際交流の発展に寄与すること、日本国民と日本の外国人相互の親睦と融和を図ることを目的としているWikipediaより)のですが、放送局の性質上、どこも聴取率が万年最下位と振るわず、たびたび親会社が変わるなど経営状態はかなり厳しいようです。

ただ、昨日チェックした福岡のLOVE FM、地域的なこともあるのでしょうか、タイムテーブルを見るとかなりの時間を外国語に割いていると感じました。4局の中では最も多国籍感が強いです。平日の11時30分から14時まで多言語情報番組『Departure Lounge』を放送、土曜日は1時間のK-POP番組が2つ、ジャマイカ番組なんてのもあります。珍しい。日曜朝8時からは『HOT CHINA~XIN世界~』という中国紹介番組をやっていて、ここでは台湾ポップスが結構流れていますね。これは良い番組を見つけました。若々しい番組も多いですし、LOVE FM、もうしばらくチェックしてみたほうがよさそうです。

 

SNSの発達でラジオから情報を得ることの優位性が失われ、本来意図していたものとは異なる姿に変化せざるを得なかった、ということは理解出来ます。でも、昨年の北海道のブラックアウト、先日の台風15号による千葉の大停電など、ラジオが重要な役割を果たす場面はまだまだ多い。起こってほしくはないですが、おそらくこれからも起こるでしょう。そのときに在日外国人や旅行者の皆さんが路頭に迷わないよう、自治体によるSNSを使った情報発信の強化はもちろん、万一に備えてラジオでの外国語による情報発信も合わせて強化してもらえたらなあと願っています。本来、NHKがやらなければならない仕事だとは思いますけどね。

 

それでは本日のラストナンバー。インドネシア出身の女性シンガーソングライター・樂夏Leshiaの同名1stアルバムから、『Recover』を聴きながらお別れです。英語、中国語、母語インドネシア語で歌う樂夏のボーカルは、ただひたすらに優しく、暖かく、クリアでナチュラル。この『Recover』は今まで聴いてきたヒーリング系ソングの中でもダントツに癒やし度が高いです。皆さまに心静かな夜を。sasanoji電台でした。

 

LOVE FMの『HOT CHINA~XIN世界~』、また聴きたい番組が増えてしまった~^^;。

 

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InterFM -Website
FM COCOLO -Website
LOVE FM -Website
Radio NEO -Website

 

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脚注

*1:1995年(平成7年)10月16日開局。

*2:1996年(平成8年)4月1日開局。

*3:艾怡良の『寂寞無害』(2016年)にも出演している。

*4:中国語(月),韓国語(火),タガログ語(水),スペイン語(木),ポルトガル語(金)。

*5:横浜市,港区,品川区。

*6:韓国語(月),中国語(火),英語(水),スペイン語(木),ポルトガル語(金)。番組内で各言語に対応した神戸市、堺市のインフォメーションを週替わりで放送している(ポルトガル語堺市のみ)。

*7:シンハラ語(月),フィリピン語(火),タイ語(水),インドネシア語(木),ベトナム語(金),マレー語(土),タミル語(日)。

*8:1997年(平成9年)4月1日開局。

*9:2014年(平成26年)4月1日、InterFM NAGOYAのステーション名で開局。2015年、Radio NEOに変更した。