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顯然樂隊、気持ちいい電波出しています。

こんばんは
人知れずコッソリ不定期放送中、フェイクラジオ・sasanoji電台です。

今夜は2018年5月4日に1stアルバム『我最討厭搖滾樂』をリリースした男女4人組インディーズ系ロックバンド、顯然樂隊(シィェンランユェドゥイ)をピックアップします。

 

顯然樂隊Obviously『我最討厭搖滾樂』(2018年5月)

Obviously2018

 

まずはアルバム3曲目に収録されている『我只是想要被喜歡』からどうぞ。

 

ボーカルの阿琺Alfa、すごいインパクトでしょ~。
個性的な顔立ち、存在感もさることながら、眉間の辺りからミュインミュイン電波を飛ばしているようなアクの強い歌唱は、ちょっと好みが分かれるところかもしれませんねー^^;。

 

顯然樂隊Obviouslyは、女性ボーカル・阿琺こと王阿法Alfa Wangと鼓手の小杜らが大学在学中の2012年に結成した高雄出身のインディーズ系オルタナティブロックバンドです。現メンバーは阿琺(Vo,Gt)、小杜(Dr)、奕夫(Gt)、子瑄(Ba)の女性1名男性3名。2014年に5曲入りの1st EP『世界是如此的殘酷又如此的美好』をリリース、本作『我最討厭搖滾樂』が彼らの初アルバムとなります。全8曲を収録、全て阿琺が作詞作曲をしています。

 

続きましては7曲目収録の『明星』です。

彼らはどうも大人向けアニメ『馬男波傑克BoJack Horseman』を意識しているようですね。台湾のMVでときどき馬の被り物を使ったものを見かけますが、僕はあまり好きではないかな…。このMVもワケがわかりませんわ…^^;。

 

阿琺は6歳からピアノを弾き始め、12歳のとき初めて楽曲を創作しました。国立台南芸術大学では音楽と並行して映像制作を専門に学び、現在は大学院に在籍中とのこと(…あら、思っていたよりも若いみたい^^;)。その影響で楽曲を創作する際も、常にMV化をイメージしながらストーリーを考えるようになったそうです。上の『明星』のMVでは原作も担当していますね。

 

2014年リリースの1st EP『世界是如此的殘酷又如此的美好』から、『我愛你但那與你無關』。

 

このEPは彼らの初CD作品でしたが、阿琺にとってはかなり不満が残る出来だったらしく、2015年、彼女は新たな音楽スタイルを模索するため、自身の大学卒業を期にバンド活動の一時休止を決定。同年、男性MIDI奏者・MADと短期の音楽ユニット・梁香Fragrance Liangを結成しました。これは彼女が脚本とプロデュースを担当した2015年公開のショートムービー『生為女人,我很抱歉』(…感想は言わない^^)の主人公・梁香をモデルとする架空の女性歌手プロジェクトで、2015年8月に同名アルバム『梁香』をリリース、9月には日本の9つの都市を巡るジャパンツアーも行なっています。

 

アルバム『梁香』から、『如果我可以接受沒有如果』。顯然樂隊とはまったく異なる歌唱スタイルです。

 

2016年、顯然樂隊は阿琺の大学の後輩・奕夫を新ギタリストに迎えて活動を再開。2年を掛けてこのアルバムを製作しました。奕夫は現在大学4年生ですが、本作のために前期を休学して、演奏だけでなくプロデュース、レコーディング、ミキシング等の製作作業を一手に引き受けたとか。男気があるというか、恐れを知らぬというか…、それとも阿琺が怖かったのか…^^;。ちなみに小杜はスタジオの予約やスケジュール調整など総務部門を担当していたようです。

 

それでは2曲続けてどうぞ。2曲目収録の『低賤的人』と4曲目収録の『新美街』です。『低賤的人』はYouTubeの視聴数100万超えを記録した2016年のシングル。これが売れたことで一気にアルバムリリースが現実味を帯びてきました。

 

1st EPや梁香からもわかるとおり、阿琺は全部の曲でミュインミュイン電波を飛ばしまくっているわけではなくて、歌詞の内容や曲調に合わせてその強弱をつけるなど、かなり計算をして歌っているように見えます。普通だとこれが統一感がないといった評価につながるのかもしれませんが、彼女の場合、OPナンバー『他死在熱烈掌聲中』でイキナリ、『これは架空のキャラクター・阿琺が歌っていますよ』的な電波を強烈に飛ばしてくれているので、そこは了解済み。最後までまったく破綻なく、楽しんで聴くことが出来ました。

 

歌詞はどうなのでしょう、僕は中国語がわからないので、いつもGoogle翻訳を使ってチマチマと読んでいるのですが、わかりやすいサウンドに比べると内容は全体的にネガティブで、読後の爽快感はあまり無いですかね~^^;。彼らは自分たちの音楽を《社會學搖滾(社会学ロック)》と呼んでいて、ワーキングクラスやアンダークラス側から見た世の中、阿琺自身の実体験を含め日常の社会的な話題をテーマに歌っているようですね。

 

では最後に、アルバム6曲目に収録されている『逍遙』を聴きながらお別れです。皆さま、おやすみなさい。sasanoji電台でした。

 

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