2017年を振り返るsasanoji radio Awards 2017、今回は【Best Newcomer】部門です。僕が選んだ候補は以下の8組！
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曾立馨Hug Muzik『你想聽到的那些？』（4月，好有感覺音樂）
情報がほとんど出て来ません～^^;。女性シンガーソングライター・Hug Muzikこと曾立馨の、おそらく初CD作品です。七年級生（民国暦70年代生まれ）との記述があったので、現在の年齢は30代でしょうか。ギターを弾き始めたのは高校1年のとき、大学ではバンド活動もしていたとのことですが、本格的に楽曲を創作し始めたのはどうやら近年になってからのようです。2014年、仕事で訪れた貧しい農村、そこで働く老人たちの暮らしにショックを受けた彼女は、それをみんなに伝えたいと歌にするようになった。翌年彼女は1ヶ月間デミペア式の旅をしながら、一宿一飯のお礼として63回ライブを行なったそうです。老人たちをいたわるように、また厳しい現実を訴えるように、ときに優しく、ときに熱く歌う曾立馨の歌声が強く印象に残りました。
J.Sheon『街巷』（5月，SONY MUSIC）
1985年台湾生まれ、本名は莊珣。YouTuber出身という異色の新人男性シンガーソングライターです。高校卒業後、母親と共に米・ニューヨークに移住。大学生だった2007年、友人の薦めで聴いた台湾のソウルシンガー・Pezenの音楽に触発されて楽曲創作を始めました。専門的な知識や技術は誰かに教わったわけではなく、全てネットを使って独学で習得したそうです。2013年に台湾に戻り兵役を終えた彼は、自己流でアレンジした有名曲のカバーMVをYouTubeにアップするスタイルで活動を開始。これがネット世代の若者だけでなく業界でも話題となり、メジャーレーベル・索尼音樂からCDデビューしました。新人ではありますが、A-Linら大物アーティストと共演したり若手歌手に楽曲提供するなど、実力も活動の幅も既に新人の枠を遥かに超えています。
朱興東Don Chu『孤獨感』（6月，福茂）
1995年生まれ、中国・貴州省出身の新人男性シンガーです。2014年、大陸の新人オーディション番組『中國夢之聲』（第二季）に出場し、当時20歳前の少年ながら陳奕迅ばりの渋いボーカルで人気者となり準優勝。ゲストのベテラン男性デュオ・羽泉に気に入られ、彼らが所属するレコード会社・巨匠文化と契約をしました。ところが事務所は何を考えていたのか、2年以上に渡って彼を放置。結局、2017年に別のレコード会社・簡單快樂文化と契約し直して、ようやくデビューすることが出来たのでした。ただ、この間に味わった不安や孤独が彼に人間的、精神的な成長をもたらしたのも確かで、それが彼の若さに似合わぬ大人びた情感表現に真実味を与え、また作詞をする源になったと考えれば…まあ結果オーライというところでしょうか^^;。
淺堤shallow levée『湯與海』（8月，空氣腦）
2015年3月に蔡依玲（Vo，Gt）、李大冠（Dr）、孩子王の周致宏（Gt）ら男女3名によって結成された高雄出身のインディーズ系フォークロックバンドです。旧バンド名は蔡依玲樂隊。翌2016年に少年白の方博聖（Ba）が加入し、バンド名を『淺堤』に改めました。なお、2015年11月に鼓手の李大冠が兵役で離れたため、今年3月まで大象體操の涂嘉欽が代打で叩いていました。本作の鼓手も嘉欽が務めています。なんとなく大象體操のマスロックサウンドに似ていますよね。作詞作曲は全て蔡依玲、共同プロデュースは鬼才・Easy Shenです。僕はラジオ番組『楽楽台湾』で淺堤のことを知ったのですが、あの番組がなかったら僕は今も彼らを知らないままだったかもしれない。終わってしまったのが本当に残念ですねー。
吳卓源Julia Wu『1:28』（9月，ChynaHouse）
1994年台湾生まれ、8歳のとき両親と共にオーストラリアに移住した中華系オーストラリア人の女性シンガーソングライターです。4歳からクラシックピアノを学び、2012年に米・バークリー音楽学院の高額奨学金試験（年間2万ドル）に合格。在学中からFacebook等を通じてレコード会社やプロデューサーらに積極的にアピールし、大物ディレクター・梁永泰Terrytyeleeが音楽監督を務めた2013年公開の大陸映画『小時代』の劇中歌4曲の演唱者に抜擢されました。これが好評を博し、オーストラリアや韓国の人気番組にも出演。2016年には彼女のソウルフルなボーカルを気に入った吳建豪が自身の巡回ライブに帯同するなど、メジャーアーティストたちからの評価も高いアグレッシブ系新人R＆Bシンガーです。外見もカワイイ^^。
秦宇子UZ『LUNA』（9月，海蝶音樂）
1989年生まれ、中国・広西チワン族自治区出身。11歳のとき両親と共にアメリカに移住した中国系アメリカ人の女性シンガーソングライターです。2011年頃から台湾に居を移し、新人オーディション番組に出場するなど売り込み活動を本格的に開始。番組にはPK戦（本選出場者に挑戦するワンマッチ）で僅かな回数登場したのみでしたが、それでも彼女のパフォーマンスに注目したアーティストは少なからずいて、謊言留聲機やNora Saysらは早くから自分たちのアルバムのゲストボーカルに呼んでいましたね。その後、2014年に出場した大陸の歌唱コンテスト番組『中國好聲音』（第三季）で大きく知名度を上げ、さらにMC Hotdogとの共演で台湾でも広く認知されるようになりました。歌、ダンス、作詞、作曲、全てをこなす新世代のスーパー歌姫、本当に待ちに待っていた1枚です！
二珂Chloe Er『帶著音樂去旅行』（10月，海蝶音樂）
周二珂。1995年生まれ、中国・広東省出身のネットアイドル系新人女性シンガーです。2014年、二珂は北京現代音楽学院（音大）2年生のときに、大陸のインターネットTVで自分のお気に入りの曲を歌うライブ番組をスタートさせました（大学はこの道に専念するため2015年に中退した）。透明感のある歌声、ユニークな選曲、そして可愛らしい容姿とトークでこの番組は大人気となり、ライブ視聴者数119万人を獲得、瞬間では200万超えを記録したこともあったそうです。2016年、二珂は上海の芸能事務所・香蕉計劃と契約し、昨年10月、魏如萱、戴佩妮、日本のレゲエユニット・Def Techら錚々たるメンツを揃えた本作『帶著音樂去旅行』でCDデビューしました。楽曲はバラエティに富んでいますが、全曲彼女らしい、全曲彼女のために作った、そんな声が聞こえてきそうな1枚です。
樂夏Leshia『首張全創作同名專輯』（11月，禾廣）
吳樂夏、インドネシア・ジャカルタ出身。中国語、英語、インドネシア語で歌う新人女性シンガーソングライターです。地元の高校を卒業後、標準中国語（華語）を学ぶため高雄の文藻外語大学に留学。そこで盧廣仲の歌と出会い、自分もギターを弾きながら歌ってみたいと思うようになりました。ギターも楽曲創作も台湾に来てから始めたのですね。当初は大学を卒業したら故郷に戻って就職するつもりでしたが、2014年に出場した新人オーディション番組『超級紅人榜』で金曲歌王・荒山亮に認められ、そのまま台湾に留まり歌手の道へ。昨年11月、荒山亮プロデュースによる1stアルバム『LESHIA』でCDデビューしました。番組で『インドネシアの小野リサ』と讃えられた彼女の歌声とギターの音色は本当に暖かく柔らかで、一瞬で場の空気を和ませてしまうほどヒーリング成分に溢れています。必聴の1枚です。
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以上がsasanoji radio Awards 2017『Best Newcomer』部門の候補8組でした。
昨年度は優秀な新人さんが多かったですねー。ゲシュタルト乙女、李權哲、noovy、鄭興、Vooid、One Take樂團、馬蹄楊、舒涵、孔大寧、盧瑮莉、安那、告五人、夏寧杉、瞿偉、閻奕格、張心柔與飄鳥樂團、NoKey Band、邱勝翊、岳靖川、洪安妮、許含光、魏嘉瑩などなど、みんな良かったです。あーでもないこーでもないと、何度も聴き比べてようやく決めました。Vooidは一応新顔ですけど洪申豪のバンドなので外しました。ゲシュタルト乙女は前述のとおり特別賞に回しています。魏嘉瑩は正直…今も迷ってます。いいですよ～、魏嘉瑩^^。
第29屆金曲獎の候補はコチラ。
【最佳新人獎】
鄭興
茄子蛋
J.Sheon
李權哲
閻奕格
蘇珮卿
丁世光
一致しているのはJ.Sheonだけ…ですね、まあこれは外せないでしょうね。茄子蛋はよく調べずにバンド部門のほうで仕分けちゃいました、ゴメンナサイ^^;。丁世光は完全にチェック漏れです。大陸出身の歌手ですね。4月に五大唱片にラインナップされていたので聴いてみたら、ナルホド悪くなかったです。知っていたらちょっと考えたかもしれない。鄭興は五大から届いた荷物の中に何度か試聴CDが入っていたりして、プッシュしているのが丸わかりでしたねー。金曲獎的にはアリでしょうねー^^。問題は蘇珮卿ですが、彼女、2011年にEPですけど亞神音樂から既にCDデビューしているんですよ～。そのときもちろんここでピックアップしましたし…、僕も買ってますし…。2014年には2nd EPも出しているんですけど、どういう扱いになっているのか…謎です。
蘇珮卿がこのまま通ったとして一応金曲獎を予想をしておくと、本命が茄子蛋、対抗がJ.Sheon、単穴が蘇珮卿で。
追記：
第29屆金曲獎【最佳新人獎】は、茄子蛋が受賞しました！
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