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sasanoji radio Awards 2017 【Best Band】編

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2017年を振り返るsasanoji radio Awards 2017、今回は【Best Band】部門です。僕が選んだ候補は以下の6組!

 

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康姆士COM'Z『你要如何,我們就如何』(1月,後台音樂娛樂)

Coms2017 

2009年結成、陳零九や林少緯と同じ独立系レーベル・後台音樂に所属する高雄出身のインディーズロックバンドです。現メンバーは永駐(Vo)、Benson(Dr)、小毛(Ba)、駿騰(Gt)の男性4名(結成時の吉他手は阿哲)。バンド名の“COM'Z”は“Crazy On Music' Zone”の略。結成直後から大小問わず様々な音楽フェスやコンテストに出場し、入賞すること数知れず。2014年に1stアルバム『康姆士COM'Z』でCDデビューしました。その後メンバーの兵役等があってバンド活動を一時休止していましたが、2016年に再開。本作が2ndアルバムとなります。レゲエ、ファンク、パンク、ダンスミュージックなど多様な音楽スタイルを取り入れた彼らのサウンドは明朗かつ軽快。高雄の青い空と暖かい海をイメージさせる、晴れた日のドライブのBGMにピッタリの1枚です。

 

雀斑Freckles『不標準情人』(3月,相信音樂)

Freckles2017 

2003年結成、Skip Skip Ben Benこと女性シンガーソングライター・林以樂(斑斑)を中心とするインディーズ系ポップバンド。メンバーは斑斑(Vo,Gt,Key)、蘇偉安(Vo,Gt)、蘇偉博(Ba)、蔡柏瀚(Dr)の男女4名。全員、淡江高校音楽部の出身です。2007年に出演した春吶、貢寮の大型音楽フェスで注目を集め、同年リリースした1stアルバムはプレミア付きで転売されるほどの大人気に。ところが翌2008年、突然解散を宣言。6年後の2014年に当時と同じメンバーで再結成されました。斑斑の歌い方やジュディマリのヒット曲『そばかす(雀斑)』をバンド名にしていることからも分かるとおり、J-POPの影響を強く受けており、2ndアルバムとなる本作も彼らが敬愛する山下達郎を意識した80~90年代の日本のシティポップを思わせる、ちょっと懐かしい香りのする内容となっています。

 

孔雀眼Jade Eyes『迷戀』(7月,黑市音樂)

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2014年に草東街派對(草東沒有派對の雛形バンド)の元メンバー・蔡任博(Synth,Ba)、令晴(Vo)の2名に林依璇(Gt)を加えて結成された男女3人組インディーズ系トリップホップバンド。2015年の1st EPリリース後から積極的に各地の音楽フェスに出演し、StreetVoiceが主催するThe Next Big Thing大團誕生2016に於いて年度十大新星に選出。第七屆金音創作獎では最佳電音專輯部門にノミネートされるなど業界からも高い評価を受けています。一時期メンバーが5人にまで増えたこともあったようですが、2016年に任博が離団。楊雨欣(Dr)がフロントに入って現在の女性3人組スタイルとなりました。これによってビジュアル的にも注目度がアップ。昨年はアメリカの大型音楽フェス・SXSWや大陸の電子音楽フェス・MTAにも出演しています。本作はその勢いを駆ってリリースした彼女たちの1stアルバムです。

 

Vooid『Vooid』(9月,映象)

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日本に台湾インディーズの実力を知らしめるキッカケとなったカリスマバンド・透明雜誌、その中心人物である洪申豪が2016年に結成した新バンド。メンバーは洪申豪(Vo,Gt)、連震堂(Vo,Gt)、盧之軒(Dr)、吳峻宇(Ba)の男性4名。洪申豪以外の3人は全員20代前半の若者です。連は莫名其妙的一天で、盧と吳は愛是唯一Love_1でそれぞれバンド活動をしているようですが、いずれも無名。洪申豪は団員募集に際して、音楽に集中出来ること以外ほかに条件を設けませんでした。実績よりも新鮮な若い力を求めたのですね。2017年3月、洪申豪は正式に透明雑誌退団を発表。その4ヶ月後、彼の個人レーベル・Petit Alp Recordsの13番目の作品として、このVooidの1stアルバムがリリースされました。本当に鮮烈、瑞々しい。もう何度ハッとさせられたか知れない。

 

甜約翰Sweet John『Dear』(12月,禾廣)

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2011年、当時成功大生だった罐頭(Gt)、阿獎(Ba)、小J(Dr)、浚瑋(Vo)が学内歌唱コンテスト用に結成したバンド・自然發聲Natural Outcomeが前身。自然發聲はそのコンテストで優勝し、2013年に1st EPをリリース。クリエイターズサイト・StreetVoice上でも好評を得ていましたが、メンバーの兵役でバンド活動は停止に。そして2年が経ちこのまま消滅かと思われた矢先の2016年、女神が現れました。I Mean UsのMIDI奏者・Mandark(Key)です。浚瑋が自身のFacebook上で公開した試作曲『Angelina』、本作『Dear』のラストにリミックス版が収録されていますが、この試作曲にアコーディオンやピアノの音色を重ね、上手に編曲して返してくれたのが彼女でした。Mandarkを加えた自然發聲は甜約翰に改名、都会的なセンス溢れるバンドとなって見事に復活しました。

 

林瑪黛Ma-te Lin『嗨!又相遇了』(12月,派樂黛唱片),『Her café』(12月,好有感覺音樂)

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2012年結成、林意倩(Vo)、林易祺(Gt)、黃少雍(Key,Ba)の3名と、イラストや映像など視覚効果を担当する施小油(VJ)の男女4名からなるインディーズ系エレクトロポップバンド。“林瑪黛Ma-te Lin”とはバンド名であり、またMV等にも登場する猫の目とオウムの羽の冠、鳥の脚を持つ神秘的な女性キャラクターの名でもあります。その彼女の目を通して見た世界を歌っている、というのがこのバンドのコンセプト。昨年12月、林瑪黛は2つの作品をほぼ同時にリリースしてきました。1つは台湾北東部金瓜石にある咖啡廳《Her café》とコラボしたCD付き絵本、もう1つは2ndアルバムとなる『嗨!又相遇了』です。『嗨!又相遇了』のほうはCDリリースが確認出来なくてやむを得ずダウンロード版を購入したのですが、先月CD出ました。これはMVを収録したDVDとの2枚組で売るべきですねー。映像も絡めた活動が彼らの持ち味なので、それが無いと魅力が半減してしまいます。あ、雑談でだいぶ枠オーバーしちゃった^^;。金瓜石のHer caféはぜひ検索してみて。とってもステキなライブカフェですヨ^^。

 

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以上がsasanoji radio Awards 2017【Best Band】部門の候補6組でした。
ここは例年どおりの激戦でしたね。外し難いバンドも多くてかなり迷いました。特にゲシュタルト乙女、淺堤、告五人、Cicadaの4組は外し難かった~。結局ゲシュタルト乙女は特別賞を作ってそっちに入れるという奥の手を使ってしまいましたが…^^;。

 

先日、第29屆金曲獎の候補も発表になっていたので、そちらも見てみましょうか。

【最佳樂團獎】
滅火器樂團
甜約翰
茄子蛋
LEO37+SOSS
董事長樂團
三十萬年老虎鉗

 

第一印象は、『こりゃあ濃ゆいわ!』でした^^。
滅火器と董事長が入っているのは当然として、たぶんこの濃さを醸し出しているのは茄子蛋と三十萬年老虎鉗ですかね。意外だったのは甜約翰。金曲獎はこういったタイプは外してくると思っていたので。これでちょっと味付けを調整しましたよ、ということでしょうか。LEO37+SOSSについてはまったく知りませんでした。YouTubeでもチェックした記憶が無いです。僕にとっては未知のバンドですねー。

一応金曲獎予想をしておくと、本命が茄子蛋、対抗が董事長か滅火器…んん~董事長にしときますか、単穴が甜約翰。気持ちは甜約翰^^。こんなところでしょうか。

 

追記:
第29屆金曲獎【最佳樂團獎】は、董事長樂團が受賞しました!

 

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