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sasanoji radio Awards 2015 【Song of the Year】編

もうすぐ9月になろうというのに未だに2015年を振り返っているsasanoji radio Awards 2015、今回は【Song of the Year】部門です。選んだ候補は以下の6作品。

 

 

蘇運瑩Sue『野子』(作詞:蘇運瑩/作曲:蘇運瑩)

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1991年生まれ、大陸南方・海南島に多く住む少数民族・黎リー族出身の新人女性シンガーソングライター・蘇運瑩が、人気歌唱コンテスト番組『中國好歌曲』(第二季)でお披露目したオリジナルナンバーです。2015年、蘇運瑩はこの番組に蔡健雅隊の選手として出場。そこで歌った『野子』と『螢火蟲』が大変な話題となり、同年12月29日、メジャーレーベル・索尼音樂Sony Musicから1stアルバム『冥明』でCDデビューしました。残念ながら『野子』と『螢火蟲』の2曲はこの1stアルバムには入っていません。『野子』は番組から生まれた2枚のコンピレーションアルバム『第二季中國好歌曲 十大金曲』と『第二季中國好歌曲 心宇宙』(蔡健雅選曲)に、『螢火蟲』は『心宇宙』に収められています。本当は『冥明』収録の『光良裡只是意會』か『倒掛金鉤』を推したかったのですが、公式MVが出ていないので比較的まともな映像が残っていた『野子』(『我是歌手4』第三期)を候補に選びました。

 

彭佳慧Julia Peng『大齡女子』(作詞:陳宏宇/作曲:蕭煌奇)

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1996年デビューのベテラン女性シンガー・彭佳慧、前作から5年半ぶりとなるオリジナルアルバム『大齡女子』のタイトルナンバーです。作詞は陳宏宇、作曲は…なるほど蕭煌奇でしたか~。女声なので気がつきませんでしたが、たしかにサビの流れは蕭煌奇節ですねー。独身のままキャリアを重ね仕事では成功を収めながらも、熟女と呼ばれる年齢になってフッと心に差し込んでくる孤独…。MVで主演を務めているのは、台湾のベテラン歌手であり名女優の藍心湄。彼女自身が芸能とビジネスの世界で成功を収めた独身熟女のキャリアウーマンということで、この歌に共感して出演を引き受けたとのこと。 実は『Best Music Video』部門の候補にも選びたかったのですが、彼女の演技は見ているのがつらくなるくらいリアルで、素晴らしすぎました…。作詞の陳宏宇、MVを監督した黃中平よ、もう少し救いのある物語には出来なかったのか…。でも、間違いなく名曲です。

 

吳莫愁Momo Wu『喜歡呦』(作詞:天樂/作曲:張向榮)

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1992年生まれ、中国大陸は黒龍江省出身の新進女性シンガー・吳莫愁の2ndアルバム『接近無限』収録のナンバーです。作詞は天樂、作曲は張向榮。 沈陽音樂學院に在学中だった2012年、この年スタートした大陸の歌唱コンテスト番組『中國好聲音』(第一季)に出場。審査員を務めていた実力派男性アーティスト・庾澄慶に気に入られ、2014年に1stアルバム『無所不在』でCDデビューしました。この2人、つい最近まで師弟の間柄を越えた関係…と話題になっていましたね。『中國好聲音』という番組は、最初審査員たちが演唱者に背を向けて座っていて、気に入ったら合格ボタンを押して振り向くシステムなのですが、吳莫愁のとき一番最初に振り向いたのが庾澄慶でした。たしかにこのシブい歌声がアノ顔から出ていると思うと…、庾澄慶でなくとも惚れてしまいそう^^。ただその庾澄慶、先月30日に別の女性と結婚しちゃったんですけどね~^^;。どうなってるの?

 

小霞XiaoXia『拆穿』(作詞:黃仙農/作曲:黃仙農)

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メジャーレーベル・Sony Musicが『新勢力』との謳い文句でリリースしてきた謎の女性シンガー・小霞の同名1stアルバムに収録、OPのイントロダクション『三件往事Part 1』に続いて流れてくるシブ~いナンバーです。イキナリ鳥肌が立ちましたよ~。どこをどう聴いても新人の為せる業ではないでしょう、Sonyさん^^;。
ここ1、2年、名前がなんとなく上手そうな感じとか、ジャケットから良さそうな匂いが漂ってくるとか、手当たりしだいに…というわけでもないのですけど勘でCDを購入することが増えていて、この小霞もそんな中の1枚だったのですが、正体を調べてみて驚きました。上手いはずです、80年代半ばに歌手活動を開始し、その後20年に渡ってアジア圏を代表する歌姫として活躍。かつては“北の那英、南の綺珊”と讃えられた有名歌手・黃綺珊だったのですから。長く表舞台から遠ざかっていた彼女の実力を再認識させるに相応しい1曲ではないでしょうか。

 

符瓊音Meeia Foo『離開,是為了回來的理由』(作詞:符瓊音/作曲:符瓊音)

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1984年生まれ、歌唱コンテストに出場しては落選を繰り返し、それでもあきらめずに挑戦し続けデビューを掴んだマレーシア出身の実力派女性シンガー、符瓊音の3曲入りEP『也不是不會唱』収録のナンバーです。
2008年に出場したオーディション番組『超級偶像』(第二屆)で準優勝に輝き、翌年CDデビュー。これまでにリリースしたCD作品は本作を含めEPが2枚、アルバムが3枚と決して多くはありませんが、努力の末に身につけたパワフルかつ情感溢れる歌唱は業界からの評価も高く、ドラマやイベント等の主題歌に多数採用されています。本作は2012年の3rdアルバム『不搖滾小姐』以来の新作となりますが、残念ながら収録されているのは3曲のみ。ところがこの3曲がどれも良い出来なのですよ~。ちょっと蔡健雅や徐佳瑩を思わせる雰囲気で、誰の提供楽曲かしら…と調べてみたら、なんと全て彼女自身が作詞作曲をしたオリジナル!符瓊音、確実に進化しています。

 

謝震廷Eli Hsieh『濕了分寸』(作詞:謝震廷/作曲:謝震廷)

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2007年にスタートしたオーディション番組『超級星光大道』(第一屆)に当時最年少の13歳で出場。あれから8年、音楽の道を外れることなく邁進し、練磨を重ね、若きアーティストの面構えになって戻って来た彼の1stアルバム『查理』収録のナンバーです。
吳汶芳と結成したバンド・Double 2樂團(2011年)が短命に終わり、2013年、独りライブハウス廻りをしていたときに出会った音楽プロデューサー・蔡政勳の事務所・十全媒體娛樂と契約。クリエイターズサイト・StreetVoiceやYouTube上で発表した楽曲が好評を博し、すぐにもアルバムのリリースが熱望されたのですが、青白い顔をした文学青年を思わせる外見どおり繊細な神経を持つ彼は、完璧を求めるあまり兵役を免除されるほどの重い鬱病に陥ってしまったとか。本作も全体的に繊細でスタイリッシュな雰囲気の1枚となっていますが、この『濕了分寸』だけは異質。彼もこんな激しさを内に秘めていたのですね。ゾクッ…とさせられる1曲です。

 

以上がsasanoji radio Awards 2015、【Song of the Year】部門の候補6作品でした。

お、金曲獎の候補と全く被っていませんね^^。2015年は僕好みの鳥肌が立つような楽曲が少なくて選ぶのに苦労したのですが、蘇運瑩だけは別格で僕好みの曲が揃っていましたね~。今回は『野子』を選びましたけど、ホントは『光良裡只是意會』か『倒掛金鉤』、または『空人得堅強』あたりを入れたかった。とくに『倒掛金鉤』などは鳥肌立ちっぱなしで、MVが出たら今からでも入れ替えたいくらい。ほか、符瓊音の『不可能失眠』、宇宙人の『一萬小時』、黃小琥の『誰說』と『沒什麼』、麋先生の『上台』、林俊傑の『關鍵詞』、唐寧の『一千英哩』、丁詩瑀の『Loving You』も外し難かったですね~。

 

さあ、次回はいよいよ最後の【Album/EP of the Year】編です。2週間後になるか、1ヶ月後になるか、冬が来る前になんとか…終わらせたい^^;。