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sasanoji radio Awards 2014 【Best Music Video】編

sasanoji radio Awards 2014、今回は【Best Music Video】部門です。選んだ候補は以下の6作品。

 

 

潘瑋柏Wilber Pan『打呼 feat. 楊丞琳』(導演:自由發揮)
陳慧恬Orange『小城』(動画:温力銘)
海龜先生Mr.Seaturtle『Where Are You Going』(導演:周因路) ※MV消えました。残念。
岑寧兒Yoyo Sham『哪裡』(導演:張傑邦)
白安Ann『換房子』(導演:游紹)
謊言留聲機Lie Gramophone『預告片 feat. 秦宇子』(導演:?) ※MV消えました。残念。

 

候補1本目は、人気男性シンガー・潘瑋柏(パンウェイボー)の10thアルバム『王者丑生』(2014年6月)から、彼氏のひどいイビキ(打呼)に悩む女の子の気持ちを歌った可愛らしいナンバー『打呼』です。共演は人気女性シンガー・楊丞琳Rainie Yang。今ではすっかり大人っぽくなって実力派の仲間入りをした感のある彼女ですが、ここでは“可愛教主”と呼ばれていたアイドル全盛期に戻ったかのようなキュートなコメディエンヌぶりを発揮してくれています。監督を務めたのは、音楽と映像を融合させたユニークな活動を展開している男性2人組ポップユニット・自由發揮の李伯恩と阿達こと昌璟翔(タクシーの運転手役で一瞬顔を見せているのが阿達)。冒頭、潘瑋柏と楊丞琳がタクシーで乗り合わせる場面は、2人が2008年に共演したドラマ『不良笑花』(邦題:笑うハナに恋きたる)のパロディでしょうか。心憎い演出をしてくれますねー。ちなみに李伯恩は葛仲珊Miss KoのMV『自拍』も担当しています。

 

候補2本目は、光良や宇珩らと同じ芸能事務所・28Stageに所属するマレーシアの実力派女性シンガー・陳慧恬(チェンフイティエン)の2ndアルバム『HELP』(2014年3月)から、心にジ~ンと沁みるアコースティックナンバー『小城』です。全編アニメーションスタイルのMVですね。少女が窓から投げ捨てた1冊の本が人と人とのつながりを紡いでいく、その一方でスマホ片手にうつむいて通り過ぎる人たち…。この手作り感いっぱいのアニメーションは、彼女の同僚男性シンガー・溫力銘Dannyが担当しているようです。上手いもんですねー。僕も昨年ついにスマホを購入してしまいまして、やっぱりうつむいている時間が長くなったような気がします…。MVを見ていて胸が少し、チクリと痛みました…^^;。

 

候補3本目は、大陸の男性3人組ロックバンド・海龜先生(ハイグイシェンション)の2ndアルバムから、男の哀愁と孤独感がひしひしと迫ってくるタイトルナンバー『Where Are You Going』です。松竹風のオープニングロゴで始まるこの映画スタイルのMVを監督したのは、北京在住の若手映像クリエイター・周因路Gene Chow Yanlo。ご丁寧に映倫のカットまで入れていますw。主演は今年1月にカバーアルバム『Fly Me To The Earth』をリリースしている香港の人気俳優兼歌手の李逸朗Don Li。普段の爽やかなイメージではない、切羽詰まったシリアスな演技で魅せてくれています。ちなみに『映倫番号119476』を調べてみたところ、なんと、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でしたww。 ※MV消えました。残念。

 

候補4本目は、香港出身で現在は台湾を活動の拠点としている実力派女性シンガーソングライター・岑寧兒(ツェンニンアル)の1stアルバム『Here』(2015年1月)から、2014年9月に先行公開された彼女らしい軽やかなヨーロピアンスタイルのナンバー『哪裡』です。昨年7月25日、岑寧兒は東京・渋谷区代官山のカフェバー『山羊に、聞く?』にて日本初ライブを行ないました。MVで使用している映像はその時に撮ったものでしょうか、かなり細かい編集がされていますね。担当したのは岑寧兒が在籍している香港の混声アカペラユニット・張山十年Charatayの男性メンバー・張傑邦Mark Bong。日本ライブにはバックコーラスとして同行、今年1月にリリースされた彼女の1stアルバムにも参加しています。来日時どこまでアイデアがあったのかわかりませんが、よくもこれほどの素材を集めていたものです。感嘆。

 

候補5本目は、2012年にCDデビューし一気にスターダムへと駆け上っていった新進女性シンガーソングライター・白安(バイアン)の2ndアルバム『接下來是什麼What's next?』から、軽快なフレンチポップス風のナンバー『換房子』です。ピンクのキャンピングカーゴごとヒッチハイクするというアメリカの現代文学にでも出てきそうなこのMVを監督したのは、滾石唱片の中文企画出身で、これまでに数百ものMVを手掛けたベテラン・游紹。周囲から寄せられる期待、プレッシャー、デビュー以来多忙を極めた彼女の心境を表現したかのような、ちょっとミステリアスな雰囲気の漂う作品です。彼女の左腕に書かれているのはアメリカのベストセラー作家・Mitch Albomの『The Five People You Meet in Heaven』からの一節。MV中に出てくる4つの緯度経度は、彼女の心の安息の地(答えは下に^^)、右腕の緯度経度は台北(=Home)、つまり現実を示しているのでしょう。ちなみにMV中に登場する『洋荳子咖啡館』は、新北市・淡金公路(台2線)沿いにある有名なカフェです。

 

候補6本目は、Leo(崔力仁)&Tim(崔欽翔)兄弟とKrish(游斯宇)による男性3人組テクノユニット・謊言留聲機(フアンイエンリューションジー)の2ndアルバム『黑光』から、中国大陸・広西チワン族自治区出身の若手女性シンガー・秦宇子UZをゲストボーカルに迎えたヒジョ~に聴き心地の良い、ポップで疾走感に溢れたナンバー『預告片』です。1967年公開、アメリカンニューシネマの先駆的名作『俺たちに明日はない』(原題:Bonnie and Clyde)を使ったこの歌詞版MV、完全オリジナルではないのでいつもなら候補から外すところですが、大好きなのですよ~、この映画^^。Warren Beattyはセクシーだし、Faye Dunawayはカワイイし~。3人のうち誰が使おうと言い出したのかクレジットされていないのでわかりませんが、もォ~そいつの手柄です。音楽と映像が見事にマッチしています。これを『MV』と呼ばずして何と呼ぶ? ※MV消えました。残念。

 

以上がsasanoji radio Awards 2014、【Best Music Video】部門の候補6作品でした。
前衛的だったり芸術的だったりするのはよくわからないので、こうなりました^^;。どうでしょ?

 

※『換房子』の答え:グランドキャニオン,リスボン,マンハッタン,ブリスベン