蕭賀碩與冷笑話樂團Shuo & Cool Humor『繆思 尋』（2013）
蕭賀碩（シャオハーシュオ）。1978年生まれ、英語名はDebbie Hsiao。2007年のCDデビュー作『碩一碩的流浪地圖』で第19屆金曲獎・最佳新人獎に輝いた、クリエイター出身の実力派女性シンガーソングライターです。
3月28日、蕭賀碩は2011年の2nd EP『Good night, I love you.』以来2年ぶりとなる新作、3rdアルバム『繆思 尋』（亞神音樂）をリリースしました。フルアルバムとしては2009年の『Stay』以来、ほぼ4年ぶりとなります。
首波主打『Musicians』。自分たち音楽家だけでなく、農家、ダンサー、科学者、デザイナー、料理人、職人…、自分の道を極めようと努力しているみんなをリスペクトしたナンバー。
これまでに蕭賀碩がリリースした作品（アルバム2枚とEP2枚）はいずれも個人名義でしたが、本作は彼女が2008年に結成したバンド・蕭賀碩與冷笑話樂團Shuo & Cool Humor名義となっています。ただ、今回初めてバンド作品をリリースしたというわけではなく、名前がオモテに出ていなかっただけで2ndアルバム『Stay』も実質的には冷笑話樂團の作品でした。
メンバーは結成時から変わっていないようです。ボーカル＆キーボードは蕭賀碩、ギターは夾子電動大樂隊The Clippers Bandの鍾承洋、ベースは濁水溪公社LTKCの江力平、ドラムスは女孩與機器人ほか多数のライブで客演を務めているベテラン・江力軍。平均年齢は35歳。長年、音楽という底深い海に潜り続けてきたミュージシャン4名による、大人の余裕を感じさせるバンドです。
蕭賀碩は4歳でクラシックピアノを弾き始め、10歳で楽曲を創作するなど音楽の才能に恵まれていましたが、その道には進まず、高校卒業後は医大に進学。当時参加した創作音楽コンテストで華納音樂Warner Musicに認められ専属契約をしたものの、大学卒業後は医療検査技師という堅実な仕事に就いています。でもやっぱり音楽を諦めることが出来なかったようで、半年ほどで自分の求める道に戻りました。孫燕姿、鄭秀文ら有名歌手への楽曲提供やアルバム制作など業界の裏方として働いていましたが、2006年放送のドラマ『我們結婚吧』の主題歌に彼女が歌った『사랑해요（サランヘヨ）我愛你』が採用され、このヒットによって一躍注目を集める存在となりました。2007年、華納から1stアルバム『碩一碩的流浪地圖』でCDデビュー。新人でありながらキャリア充分の貫禄を見せ、第19屆金曲獎・最佳新人獎を受賞しています。
1stアルバム『碩一碩的流浪地圖』から『사랑해요 我愛你』、2ndアルバム『Stay』からタイトルナンバー『Stay』、2011年リリースのEP『Good night, I love you』から『I Love You』。
彼女は以前、年に1枚アルバムを出すことは約束出来ないけれど、出したものについては保証する、と語っていました。どうやら今もそのスタンスに変わりはないようです。本作もきっと、気取らない良質の1枚に仕上がっていることでしょう。マイペースという言葉が似合うアーティストです。
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