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3月1日は風和日麗。光引擎、週休八日。

光引擎Light Engine Band『沿途風景』(2013)
週休八日My 8 Day Weekend『不擅長的事』(2013)

Light-engine-band2013 My-8-day-weekend2013

 

風和日麗A Good Day Recordsは、929樂團の吳志寧や黃玠、以前ピックアップした葛洛力、草莓救星ほか、派手ではありませんが一目置かれるアーティストやバンドの作品を扱っていることで知られる独立系レーベルです。陳綺貞、盧廣仲らもシングルなどはここを通じて発行しています。安心して聴くことが出来るので、僕も大好きなレーベルの1つですね。

その風和日麗から新年第1弾として、あす3月1日、2つのバンド作品がリリースされます。

 

 

この短い予告編を聞いただけでビビッと反応した方もいらっしゃることでしょう。僕は反応しました。共に女性ボーカルで、ギターをメインとした少人数編成という部分は共通していますが、アプローチの方向性が異なるので趣きはかなり違っています。

 

光引擎(グワンインチン)は、女性ボーカル・賴彥均Engineとジャズギタリスト・周岳澄Ken Chouが2011年に結成したオルタナティブフォークユニットです。今回リリースされる1stアルバム『沿途風景』には、2011年12月にリリースした1st EP『My Journey』収録の4曲とクリエイターズサイト・StreetVoiceにUPされている2曲、それに未発表曲3曲を加えた全9曲が収められています。

 

1st EP『My Journey』収録の『How Lucky We Are』と『Q.E.D(故得證)』。1stアルバム『沿途風景』ではそれぞれ1曲目と3曲目に配されている。

 

不思議な雰囲気です。ボーカルのEngineは以前服飾デザインの仕事をしていましたが、ある日思い立ってギター片手に音楽創作の旅に出たそうです。そこで出会ったのがJeff BerlinやLaRue Nickelsonらアメリカのジャズプレイヤーに師事したギタリスト・周岳澄Ken Chouで、彼が楽曲を仕上げたことでフォークをベースとした温かみのあるフュージョンスタイルが誕生しました。Engineのボーカルは間違いなくアコースティックなフォークスタイルで、『Q.E.D(故得證)』などはまさに風和日麗らしい1曲ですが、『How Lucky We Are』のほうは意識的にジャズスタイルを強く押し出したことで聴き心地のまったく異なるフュージョンライクなシティフォークに仕上がっています。どうやら光引擎はこの2つの面を備えたユニットということのようですね。6曲目収録の『與你同行』は、キーボード、ベース、ドラムも加わったかなりカッコいいナンバー。8曲目収録の『花開』は、周岳澄の曽祖父母が日本統治時代に駆け落ちした話を歌った台語歌とのことです。

 

週休八日(ジョウシウバーリー)は、2011年にインディーズバンド・這位太太Mrs. This(2010年に活動を休止)の女性ボーカル・阿牧(Vo)とギタリスト・江鎮宇(Gt,現・法蘭黛Frandé)、草莓救星We Save Strawberriesではギター、Nylasではシンセサイザーを担当していたARNYこと吳穎然(Ba)によって結成されたスリーピースバンドです。少人数に絞ったことで、とてもシンプルで洗練された大人っぽいサウンドに仕上がっていますね。ライブでは這位太太のドラマー・懿修も加わってフルバンドスタイルとなります。

 

2012年2月に公開された『循環』(demo)と『三色豆之歌』(demo)。今作には未収録。

 

今回リリースされる『不擅長的事』は3曲入りのEP作品で、StreetVoiceで公開されている『不擅長的事』と『門』の2曲、その間に未発表曲『間奏A』が挟んであります。

週休八日(変な名前^^;)は、第1屆金音獎(2010年)で【最佳電音專輯】部門候補に選ばれている6人組バンド・這位太太とテクノポップバンド・Nylasのメンバーから成っていますが、弦楽器をメインとしたことで電気系の香りはかなりソフトになりました。阿牧のボーカルはアンニュイ。エレキでありながらアコースティックな雰囲気さえ漂う、這位太太やNylasとは全く異なる叙情的なフォークロックスタイルとなっています。

光引擎と週休八日、どちらも今後の活躍が楽しみなインディーズバンドですね。

 

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