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林綾、再出発。3年ぶりにアルバムをリリース。

林綾Iris Lin『看見我』(2012)

Iris-lin2012
Track12『Outro』には秘密があります。

 

清潔感があって、やわらかくて、暖かい、ちょっと切なげな歌声が魅力。2008年にCMソングで注目されデビューした、女性シンガーソングライター・林綾(リンリン)の約3年ぶりとなる新作、11月30日リリース予定の2ndアルバムです。

 

7月20日に台東・鐵花村で行なわれたライブから、新曲『我們學會』。

 

本名は林怡君。1984年生まれ、台中市の出身。音楽は6歳の頃からピアノやフルートなど正統派クラシック一筋でした。ポップスの楽しさを知ったのは台湾師範大学音楽科に入学してから。日常の出来事、感じたことを日記に綴るが如く楽曲を創作し始め、大学主催の歌唱コンテストに出場して優勝したり、友人たちとバンドを組んで歌ったりしていました。シンガーソングライターの道に進もうと思ったのは大学3年生のときだそうです。卒業後に一度音楽教師の職に就いていますが、創作活動に専念するため3ヶ月ほどで辞めています。

林綾が注目を集めるきっかけとなったのは、2008年に放映された台湾マツダ・mazda5のCM(狗狗篇)。彼女が歌ったオリジナル日本語歌『真愛的旅行』(愛のたび)が覆面で使用され、『歌っているのは誰?』、『日本の女の子?』といった問い合わせが殺到。携帯ダウンロードサイトのCM曲部門でトップになるなどたいへんな反響を呼びました。当時彼女は日本語がまったくわからず、日本の映画やドラマ、バラエティ番組を見て学んでいたそうです。翌2009年には日本語歌『在我身邊』(そばにいてあげる)が再びmazda5のCM(烏龜篇)に。周渝民Vic Chouが出演したSonyのカメラ・AlphaシリーズのCMでも中文歌『Come with Me』が使用され、CMソングアーティストとしての認知度はさらに上昇。同年12月、索尼音樂Sony Musicから日本語歌2曲を含む1stアルバム『真愛的旅行』でCDデビューしました。

 

mazda5のCM『狗狗篇』(2008年)と『烏龜篇』(2009年)。下は周渝民が出演したSony AlphaのCM(2009年)。

 

1stアルバムから1000日余り…。台湾では現在、彼女の認知度はどうなのでしょう?『あー、あのCMの…』という感じなのでしょうか…。これまで林綾は表舞台にこそ出ていませんが、1人のシンガーソングライターとしてライブをメインに地道に音楽活動を続けてきました。嬉しかったこと、悲しかったこと、挫折し傷ついたこと、感動したこと、日常の出来事を歌に綴っていく彼女の音楽スタイルにも変わりはないようです。CMソングアーティストという枷はもう外れているはずです。11月30日リリース予定の2ndアルバム『看見我』は、シンガーソングライター・林綾の3年間を詰め込んだ再出発に相応しい作品になっていると確信しています。

凛々しさと、か弱さが同居した華奢な外見は、許哲珮Peggy Hsuに似ています。ファンタジー色が強いPeggyと身近な日常をテーマとする林綾、描く作品世界は異なりますが、2人とも既に自分の音楽スタイルをしっかりと持ったシンガーソングライターだと思います。キャラクターも僕の好みです^^。推し~!

 

11月9日はSomebody CAFE台北)、17日はForro Cafe(台中)、18日はDogpig Art Cafe(高雄)、リリース当日11月30日には女巫店台北)で新作リリースライブが行なわれる予定。

 

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