sasanoji電台【台湾ポップス専門】

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香港発の爽やかな風、岑寧兒。

岑寧兒Yoyo Sham『4-6 pm』(2011)

Yoyo-sham2011
ジャケット写真は盧凱彤撮影によるもの。

 

岑寧兒(ツェンニーンアル)、英語名はYoyo Sham。1984年11月7日生まれ、香港出身の実力派女性シンガーソングライターです。カナダ・ヨーク大学で芸術を学び、学位を取得。ジャズシンガーであり、また映像理論・文化研究の専門家でもある、確かなポテンシャルを備えたアーティストです。短髪、色白、背はスラッと高い。Tシャツとジーンズがよく似合う、美少年のような雰囲気です。独特のハスキーボイスも魅力的。本作『4-6 pm』は昨年9月に亞神音樂Asia Museからリリースされた3曲入りのマキシシングル、彼女の初CD作品となります。

 

骨太アコースティックサウンド全開の3曲目、『沒故事的人』。副題には『Noise』とある。クリアでない音を含ませることで都会の雑音を表現している。ボーカルと演奏は同録。多重録音に慣れきった耳を直撃する、スリリングなナンバー。

 

プロデュースに奇哥老師を迎えた…となっていますが、自然捲Natural Qの奇哥のことでしょうか?本作ではライブ感を表現するために、編曲及び録音は同時進行方式で行なわれました。つまり本録音の前に何度もセッションを繰り返し、生まれたアイデアを積み重ね、最終的にボーカルと演奏を一発録りするというスタイル。

 

1曲目『Mask』はアカペラで始まります。彼女の原点のような曲。

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Yoyoのお父さんは、70年代末からドラマや映画に多数出演してきた香港の俳優兼監督の岑建勳John Shumです。直近の出演作としては、2011年ヴェネツィア国際映画祭に出品された劉德華Andy Lau主演作品『桃姐(A Simple Life)』がリストされていますね。お母さんは劉天蘭Tina Liu。16歳のときカナダに移民、大学卒業後の1982年に香港に戻り、メイクアップアーティスト、モデル、タレント、歌手、映画の助監督などマルチに活動していました。2人は1984年に結婚。同年11月7日にYoyoが誕生しましたが、4年後の1988年に離婚し、以降は劉天蘭が女手ひとつでYoyoを育てています。劉天蘭は現在、中国トップのイメージコンサルタント、エッセイストとして活躍中とのことです。

 

2曲目に収録されている『猜謎(Shadow)』。2011年10月5日、台北の書店・誠品敦南音樂館で行なわれたライブの映像。

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お母さんの影響も大いにあったのでしょうか、Yoyoは2002年からカナダ・ヨーク大学に留学し、芸術系文化研究の学位を取得します。専攻からもわかるとおり本来彼女は映像・映画方面の志望でしたが、帰国直後の2005年、名プロデューサー・李宗盛Jonathan Leeと出会ったことで、そこに音楽という選択肢が加わったようです。Yoyoは北京に居を移し、李宗盛の下でミュージカルの助監督、PA、Demo歌手やコーラスなど裏方として働きながら多くの薫陶を受けました。2008年頃からは週末にジャズバーで歌手もしていたようです。

 

彼女の名前が広く知られるキッカケとなったのは、2010年4月6日、香港の男性トップアーティスト・陳奕迅Eason Chanが香港紅館で行なった『DUO陳奕迅2010演唱會』での出来事。Yoyoはコーラス隊のメンバーとしてこのコンサートに参加、オールディーズの名曲『The End Of The World』をソロで歌う機会があったのですが、そのとき魅せたパフォーマンスで注目を集め、一気に知られる存在となりました。

その頃Yoyoは、楽曲提供などで陳奕迅と懇意にしていた陳哲廬Jerald(音楽創作ユニット・Swingのメンバー、2011年解散)が主催するアカペラ集団・張山Charatayでメインボーカルを担当していて、陳奕迅、郭偉亮Eric Kwok(Swingのメンバー)、陳冠希Edison Chenの3名による『加州紅903黃金組合音樂會』(2007年)や、劉美君Prudence Liew、容祖兒Joey Yungほか大小様々なコンサートにコーラスメンバーとして参加していました。また2009年2月1日、彼らは香港藝術中心・agnès b. CINEMAで『張山十年演唱會』を行なっていますが、そこで披露されたYoyo作曲の『不枉我們張山十年』は、美しいハーモニーと共に感動を呼びました。

 

コチラは陳奕迅のDUOコンサートの映像、Yoyoが歌う『The End Of The World』。

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Yoyoは2010年後半から活動の拠点を台湾に移しました。それ以前にも何度か訪台して海邊的卡夫卡や河岸留言でライブを行なったり、簡單生活節Simple Lifeにも出演しています。また、今回EPに収録されている楽曲のDemoは台湾のクリエイターズサイト・StreetVoiceにUPしてありますが、加入は2008年7月21日となっているので、コーラスなどの仕事をしながら創作活動も積極的に行なっていたのでしょうね。

 

本作『4-6 pm』にはたった3曲しか入っていませんが、名刺がわりとして威力は十分。見事に自分の歩いてきた道を表現した出来になっていると思います。受け取って損はない作品です。

 

ちなみに彼女が両親にこのCDを送ったところ、お母さんは『ステキ~!』を連発、お父さんは映画好きの子どもみたいに感動していたそうですよ^^。

 

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Yoyoは昨年9月、本格デビュー前ではありましたが陳奕迅と共に香港マクドナルドのCM歌手に選ばれ、認知度はさらに高まっています。Yoyoが歌った香港マクドナルドのCM。Stevie Wonder『You Are the Sunshine of My Life』をカバー。

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コチラは陳奕迅版CM集。お腹がグウ~ッと鳴りそう^^;。

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陳奕迅の2011年作品『』収録の曲『Baby Song』はYoyoの作詞作曲。ピアノ伴奏は陳奕迅の愛娘・康堤ちゃん。MVにはYoyoも出ていますよ。

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