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台湾のヒップホップと日本のジャズの融合、蛋堡。

蛋堡Soft Lipa & Jabberloop『月光』(2010)

Soft-lipa2010

 

蛋堡(ダンバオ)。1982年生まれ、本名は杜振熙。英語名はSoft Lipa。2009年にアルバムデビューした新鋭ヒップホップアーティストです。

2010年10月リリースの本作『月光』は、前作『Winter Sweet』からは10ヶ月ぶり、3枚目のアルバムとなります。蛋堡はこの作品で、今年6月に行なわれた第22屆金曲獎に於いて最優秀国語アルバム賞の候補にノミネート。またその前年、第21屆金曲獎では、2ndアルバム『Winter Sweet』で新人賞部門にノミネートされています。

 

以前、金曲獎予想編で少しだけ取り上げましたが、とにかく聴いていて気持ちがいいアーティスト、音です。ベタつく感じがしない、ヒーリングラップとでも呼びたくなるような軽やかな雰囲気。2ndアルバムではラップの部分を意識的に少なめにしたのか、まさにヒーリングインストゥルメンタル風の作品でしたが、この3rdは日本のクラブジャズバンド・Jabberloopとのコラボレーション作品ということもあって、かなりジャズ寄りの、ちょっとスモーキーな匂いが加わったクールテイストとなっています。それがまたカッコイイのですよねー。8曲にリミックス3曲をプラスした全11曲入りのアルバムです。

 

3曲目に収録、『I want you』。

 

Jabberloopは2004年に京都で結成されたクラブジャズバンドで、海外トップDJの間ではメジャーデビュー以前から既に高い評価を得ていました。鈴木亜美青木カレン佐藤竹善ら多数のアーティストのアルバムにもプロデュースやゲストで参加しています。2009年、台湾に初進出。翌2010年に蛋堡との共作『月光』をリリースし、2年に一度台北で開催される音楽イベント・簡單生活節(シンプルライフフェス)にも参加しました。その後台湾ツアーも行なっています。

 

蛋堡の詳しいプロフィールやデビューに至る経緯などは維基百科にも出ていません、情報不足です。ただ日本でも知る人ぞ知る玄人ウケのするアーティストのようで、Jabberloopとの競演でその知名度はさらに増しています。

 

彼がなぜ『蛋堡』と呼ばれるようになったのか。

それは彼が子供の頃、お父さんが毎朝ハムエッグバーガー(火腿蛋堡)を朝食に持たせていたから、という話もありますが、ホントかな~^^;。

 

台湾では賑やかなタイプの、例えばクラブキング・熱狗MC HotDogやバラエティ番組の司会等でも活躍している張菲(チャンフェイ)のようなラッパーはよく知られていましたが、蛋堡のようにどこにでもいそうな学生風の(『色白の書生面をした』とある^^;)シンガーはあまりいませんでした。優雅なメロディにリリックを滑り込ませるスムースなラップ、Soft Rapこそが彼の本領です。

 

2009年7月リリースの1stアルバム『收斂水』から、『遇見』。『收斂水』って、スタイリングウォーターのことでいいのかな?シャレてる。

 

同じく『收斂水』から、学生時代の経験を基にしたとされる『Bamboo Holla』。

Unofficial

 

2009年12月リリースの2ndアルバム『Winter Sweet』から、『少年維持著煩惱』。ちょっと挑発的だった夏向きの『收斂水』に対して、穏やかなナンバーが揃っていますね。

 

3rdアルバム『月光』から、6曲目に収録の『過程』。

Unofficial

 

蛋堡はヒーリングミュージックとラップの融合を試みていて、それは1st、2ndからも感じ取ることが出来ます。ただ1stリリース前、バンドリーダー級のジャズミュージシャンたちとコラボレーションした紅樓河岸でのライブで、ジャズラッパーとしての可能性も実感していたのかもしれません。こうして過去の作品と一緒に聴き比べてみると、『月光』ではその面が際立っていることがわかりますね。とにかく、どのアルバムを聴いてもハズレはないと思います。