sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

日本ではすでにデビュー済み、王儷婷。

王儷婷Olivia Ong『Romance』(2011)

Olivia-ong2011

 

王儷婷(ワンリーティン)。英語名はOlivia Ong。1985年生まれ、シンガポール出身の実力派女性シンガーです。7月22日、王儷婷は前作『Just for you』から8ヶ月ぶりとなる新作『Romance』をリリースしました。ベスト盤、企画盤等を含め、これで12作目になるのかな?スムースで女性らしいウィスパーボイスが魅力。外見もステキ。『きれいなおねえさんは、好きですか?』、という感じの方^^。

ジャズボッサからフォーク、クラシックポップス風なものまで、『Amazing Grace』のカバーも入った英語、標準中国語(華語)による全10曲は、C-POPの範疇では括りきれません。シンガーとしてのスキルを存分に発揮したアルバムです。ノックアウト必至。

 

リビア自身が作詞したOPナンバー『A Love Theme』。作曲にも携わっています。第1R開始早々にノックアウトさせられました~^^。

 

リビア・オン、C-POPアーティストとしてはちょっと変わった経歴の持ち主です。2001年、彼女が15歳のとき、インディーズレーベル・S2S Japan(本拠はシンガポール)の女の子3人組ユニット・miraiに参加、メンバーとして歌っていたことがあります。また、2004年のサッカーワールドカップアジア地区1次予選、埼玉スタジアムで行なわれた日本vsシンガポール戦で、シンガポール国歌を歌っていたのも彼女です。ひょっとしたら聴いている方いらっしゃるかも。当時は本格デビューする前、まだ19歳でした。そのころから歌唱力バツグンだったのですねー。日本と縁が深いこともあり、『A Love Theme』のサビの辺りからはJ-POPの香りも感じられますね。

 

詳しい生い立ちなどはアナウンスされていませんが、2001年、アニメ『幻想魔伝最遊記』の主題歌『Open Up Your Mind』を歌っていたシンガポールレーベル・S2S所属の女の子3人組ユニット・miraiに欠員が発生し、追加オーディションで新たに採用されたのがオリビアでした。彼女を加えたmiraiは同年S2S Japanから2枚の日本盤EPを同時リリースしたものの、それから僅かな活動期間を経てユニットは解散しているようです。その後オリビアは音楽の勉強をするため単身で日本に渡り、インターナショナルスクールに通いながらソロ活動を開始しました。

2005年にS2S Japanから『Olivia』名義でリリースしたデビューアルバム『A Girl Meets Bossanova』は、とても聴きやすいジャズボッサカバー集で好評を博しました。その7ヵ月後にはGTSのGeeプロデュースによる初のオリジナルアルバム、『Precious Stones』をVoicellar Recordsからリリースしています。こちらはガラッと変わって明るいダンスポップチューンがメインです。

 

1st『A Girl Meets Bossanova』から、『Fly Me To The Moon』。

Unofficial

 

その後も日本での活動を積極的に行ない、2006年8月に3rdアルバム『Tamarillo』をVoicellar Recordsから、同年11月にはS2Sからボサノバシリーズ第2弾『A Girl Meets Bossanova 2』を立て続けにリリース。これは第1弾よりもかなりポップに仕上がっていて、松田聖子Sweet Memories』のカバーも入っています。2008年にリリースされたベスト盤『Best of Olivia』あたりまではAmazon等でも中古盤が入手しやすいようですね。小林明子の『恋に落ちて』をカバーした2007年の5th『Fall In Love With Olivia』はシンガポールで大ヒットしましたが、日本盤ではないため入手は難しいようです。

なおS2Sレーベルからリリースされたボサノバシリーズは『Olivia』名義となっており、2008年12月、台湾の独立系レーベル・華研國際音樂HIMと契約して以降の作品には『Olivia Ong』の名前が使われています。

 

台湾では孫燕姿Stefanie Sunや蔡健雅Tanya chuaらと同じく、日本へ進出し、なお且つ成功したシンガポール出身の歌手として認知されています。

 

アメリカ映画『One Day(真愛挑日子)』の中文版主題歌となった『海枯石爛』。

Unofficial

 

自身の名を冠した2010年3月リリースの9thアルバム『Olivia』は、カバーだけでなく、オリビア自身が作詞作曲したナンバーも入った全編英語による作品です。2010年8月リリースの『夏夜晚風』はDVD付きのライブ盤、同年11月には全編華語による『Just for you』を連続リリースしていて、本当のOlivia Ongの始まりを感じさせます。しかも『Just for you』では全20曲のうち17曲がオリジナルで、その17曲すべてがオリビアの作詞!HMVにも常備されています。

 

ライブ盤『夏夜晚風』プロモから、『Killing Me Softly With His Song』。

Unofficial

 

2008年12月にリリースされたシングル『如燕』。シンガポールのドラマ『小娘惹』の主題歌となったヒットナンバー。

 

※オリビア・オンの経歴について、ふりむけばC-POP 2のtenrinrinさんが詳細に調査され、疑問・矛盾点が解消しています。Wikipediaと合わせて、ぜひご覧くださいませ。