sasanoji電台【台湾ポップス専門】

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台湾では珍しい男女ツインボーカルロックユニット、神木與瞳。

神木與瞳Y2J『守護者』(2010)

Y2j2010

 

神木與瞳(シェンムーユートン)、英語名はY2J。2008年にデビューした台湾初の男女2人組によるツインボーカルロックユニットです。男性が楽器を弾き女性が歌う日本でもお馴染みのスタイルではなく、このユニットでは共にボーカルを担当し、両雄並び立っているのが特徴。今回の金曲獎、最優秀ボーカルグループ部門にもノミネートされています。

デビューアルバム『為你而活』からほぼ2年ぶりにリリースされた本作は、ときにはソロで、ときには絶妙のハーモニーで聴かせる2人のスタイルをさらに洗練した出来となっています。隠しトラック1曲を含む全11曲入りの2ndアルバムです。

 

2曲目に収録、彼らの代表曲になりそうなアルバムタイトルナンバー『守護者』。

曲の冒頭と最後のところで聞こえるのは、台湾の原住民族ブヌン族の言葉。
『僕は君の守護者だ。君が世界のどこにいても、僕はいつも君のそばにいて君を見守ってあげる』
アルバム全体のコンセプトとなっているこの詩を、ブヌン族出身の男性シンガーソングライター・王宏恩Biung Wangが詠んでいます。

 

男性ボーカルの頼銘偉Yuming Laiは1984年6月25日生まれ、映画『賽德克・巴萊(セデック・バレ)』の回で触れた台湾の原住民族タイヤル族の出身。女性ボーカルの黄美珍Jane Huangは1983年1月19日生まれ、こちらも原住民族ピウマ族の出身です。共に台湾の新人オーディション番組『超級星光大道』第2シーズンの出身者で、頼銘偉はチャンピオンに、黄美珍は残念ながらPK戦で挑戦者に敗れ淘汰されてしまいましたが、パワフルな歌唱力で10強に残る活躍を見せファンの人気を得ました。

台湾初となる男女ツインボーカルのロックユニットが誕生したのはレコード会社の戦略だったかもしれませんが、2人が同等の実力を持っていたからこそ実現したデビューだったのです。

 

第4弾シングル、7曲目『信徒』。

 

神木與瞳(神木と瞳)というユニット名は、彼ら2人を表しています。

Yumingは彼が敬愛する兄から引き継いだ民族名で、また彼が住んでいた村の大樹の名でもあったことから、Yumingをあらわす言葉として『神木』が選ばれました。『瞳』の由来は単純で、Janeも原住民族の出身ですがとくにそれとは関係無く、外見から付いた彼女のニックネームが小瞳(瞳ちゃん)だったから。つまりYuming & Janeみたいな感じでしょうか。英語名のY2Jは、YumingとJaneの2人組ということでしょうね。

2人とも少年少女時代には、夜レストランで歌手として働くなど似たような生活を送っていたようで、共感するところも大いにあったのでしょうか、『超級星光大道』では戦ううちに互いを思いやるような関係になっていきました。実際のところはどうだったのかわかりませんが、1stアルバムには彼らが恋愛関係にあると思わせるような仕掛けも施されていたようです。

 

第1弾シングル、4曲目『寬恕』。意味は『許し』。

 

2ndアルバム『守護者』にはラストナンバーの後に隠しトラックが1曲入っていますが、1st『為你而活』にも2曲仕込まれていました。Track No.19とTrack No.25。トータルで25曲入っているわけではありません。11曲目のTrack No.19『法仔鼓』はYuming台湾語で歌った曲、12曲目のTrack No.25『Se-Ma-Se-Nay Ku』はJaneがピウマ語で歌った曲です。おかしなトラックナンバーが表しているのはお互いの誕生日…というわけで、いろいろとファンの想像を掻き立ててくれますね。