sasanoji電台【台湾ポップス専門】

こちらはsasanoji電台第1廣播、TW-POP専門チャンネルです。

アジア圏を代表する歌姫、孫燕姿。

孫燕姿Stefanie Sun『是時候』(2011)

stefanie-sun2011

 

1978年生まれ、シンガポール出身。愛称はYanzi。デビューして11年、アジア圏を代表する超人気歌姫・孫燕姿(スンイェンツー)の11thアルバムです。
前作『逆光』(2007年)から4年ぶりとなる本作では、選曲や録音、撮影を含めかなりの部分で彼女自身がプロデュースに関わっていて、曰く、『制作プロセスにこれほど多く参加したのはデビュー以来初めてのこと』なのだそう。意気込みが伝わってくる全10曲を収録。ファン待望の最新アルバムです。

 

第1弾シングル、OPナンバー『世說心語』。

Unofficial

『世說心語』は、この4年の間に彼女が見聞きしてきた様々な事への心境を描いた歌です。中国南北朝時代の小説『世説新語』の『新』の字を、発音が同じ『心』に変えてタイトルとしました。それにしても4年ぶり、すっかりクールビューティになった彼女の姿を見て驚いたファンも多かったのではないでしょうか。髪も長~い^^。

 

お父さんが大学教授、お母さんも教師という教育家庭に生まれた孫燕姿は、小さい頃から厳しく育てられてきました。5歳からピアノを習い始め、音楽の基礎もみっちり叩き込まれました。またMV等を見ても分かるとおり彼女はとても痩せっぽちで、身体を鍛えるために水泳や格闘技、バスケットボールなどスポーツをしたり、たくさん食べる努力もしていたようです。
その反動でしょうか、学生時代には先生に反抗して教室を飛び出し、髪を染め、不良少年たちと付き合っていた…なんて時期もあったようですね。でも大学には両親の希望どおりしっかり勉強して進学し、きちんと卒業しています。

 

孫燕姿は大学在学中に通っていた音楽スクールで、たまたま訪れていた台湾華納音樂Warner Musicの会長・周建輝にその個性的な声を気に入られ、2000年6月に歌手デビューしました。1stアルバム『孫燕姿』は中華圏で200万枚を超える大ヒット。その勢いを駆って同年12月には早くも2ndアルバム『我要的幸福』をリリースし、これまた前作以上の大ヒットとなりました。孫燕姿はこの年最も活躍した新人歌手としてアジア地域で14もの新人賞を獲得。翌2001年の第12屆金曲獎(台湾)では周杰倫、戴佩妮、林凡、范瑋琪らを抑えて最佳新人獎を受賞しています。
その後も孫燕姿は立て続けに大ヒットアルバムをリリース。僅か2年足らずの間にアジア華人社会では知らない人がいないほどの歌姫となりました。

 

2000年のデビュー作『孫燕姿』から2003年の7thアルバム『The Moment』までをまとめてみました。

なるほど~、いや~これはカワイイな^^。
リアルタイムで見ていたら確実に男子惚れてまうやろww!

 

ところで孫燕姿が出したアルバムは、最新作『是時候』を入れて現在までに11枚。デビューして今年で11年ですから、普通に考えれば年1枚ずつという計算になるのでしょうが、彼女の場合はなんと最初の3年で7枚…!いくら売れるからといって、これは華納やりすぎました。年2枚のハイペースでありながら、ハイクオリティな作品を出し続けてきた彼女は心身共に消耗し、人気絶頂だった2003年7月から1年間、音楽活動を停止すると発表してしまったのです。

 

1年の休養後、孫燕姿は2004年10月に8th『Stefanie』をリリース、活動を再開しました。パリでMV撮影を行なうなど、照れるくらいロマンティックなナンバーもある復帰第1作ですが、僕の琴線に触れたのは、楽しそうに元気な笑顔を見せる3曲目『祝你開心』でした。楽曲提供は先日紹介した伍家輝。この頃にはもうソングライターとして活躍していたのですね。2009年に台湾デビューしたマレーシア出身の実力派男性シンガーソングライターです。ファルセットを効かせる彼らしいポップな曲調が孫燕姿にピッタリ。それから1曲目『奔』のMVでは、格闘技を学んでいた(…らしい)彼女のかわいいアクションシーンなんかも見せてくれています。

 

2004年の8thアルバム『Stefanie』から2007年の10thアルバム『逆光』までをまとめてみました。下は僕が大好きな1曲『祝你開心』。ねー、惚れてまうやろ~^^。

 

充電して以降の孫燕姿は、マイペースで音楽を楽しんでいるようですね。仲間たちと北京オリンピック関連のアルバムに参加したり、2009年には世界ツアー、それからチャリティー活動にも積極的で、スマトラ島沖地震四川大地震の被災地を訪れてイベントを行なったり、今年は東日本大震災直後の3月18日、台湾芸能界による震災復興イベントにも参加したとのことです。
また先日、5年間交際してきたインドネシア系オランダ人の男性と3月31日に入籍したニュースも入っていました。おめでとう!

 

僕がC-POPを積極的に聴くようになったのはここ3、4年のことですので、リアルタイムで彼女の新曲に接するのはこれが初めてだと思います。まだまだイェンツー初心者なのですよ~。前回、謝安琪と歌声が似ている?という話題に触れたのでさっそく勉強してみたのですが、『姿迷』のみなさまに怒られそうですね^^;。初期の作品に思い入れのある方の中には、今回もまたハズレだ…なんて言う人もいるようですが、予断なくここから聴き始めることが出来た僕は逆に幸運なのかもしれません。それまでの経過を知った上で『世說心語』を聴くと、また感慨深いものがあります。