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許哲珮が描く幻想世界は唯一無二。

許哲珮Peggy Hsu『雪人』(2009)

Peggy-hsu2009

 

1981年生まれ。童話や物語を描くように1つの作品を創り上げる、聴けば誰でも彼女の歌とわかるだろう台湾の個性派女性シンガーソングライター・許哲珮(シージャーペイ)の4thアルバム。2009年のクリスマスにリリースされた作品です。
前作『美好的』から6ヶ月というかなり短いスパンでのリリースとなりましたが、じつは四季をテーマに当初から二部作で企画された作品だったようです。明るくポップ、楽しげな雰囲気が溢れていた3rdアルバム『美好的』が春と夏をイメージしていたのに対し、秋と冬がテーマとなっているこの『雪人』はファンタジックでありながら、ちょっとダークでゴシック的な雰囲気が漂っています。『Intro』と『Outro』、間奏の『Interlude』を含む全11曲です。

 

6曲目に収録の『沒落貴族』。タイトルからして『なんじゃ、そりゃ~』ですが、もうドップリPeggy's Worldです。ハマる人はイッパツで墜ちます。

この人のMVは毎回手が込んでいますね。本作『雪人』のMVも秀作揃いです。寒い冬の夜、ストーブの赤い火を見つめながら聴くにはピッタリの作品かと。

 

許哲珮は7歳にして初めての楽曲を創作。15歳のときカナダの高校に留学し、帰国後、一人暮らしで感じた様々なことを歌にしてネットで公開したところ、これが1万アクセスを超える人気に。その評判を聞いた台湾の音楽プロデューサーに見出され、2001年、1stアルバム『氣球』でデビューしました。タイトルソングの『氣球』は彼女が19歳のときにダウンロードサイト・滾石可樂RocKaColaに発表し年間ダウンロード数トップとなった曲で、許哲珮はこのアルバムで第13屆金曲獎最佳新人獎にノミネートされています。ちなみにS.H.Eはこのとき一緒に新人賞候補となった同期です。

 

デビュー作『氣球』から、タイトルソング『氣球』。もう既に彼女独特の世界がそこにあることを実感させてくれるナンバーです。

 

デビューこそ順調だった許哲珮ですが、契約していたレコード会社が経営不振に陥ってしまい、その後6年もの長い間新作を発表することが出来なくなってしまいました。そこで彼女は舞台裏でクリエイターとして働くことを決意。米・ボストンのBerklee College of Musicでジャズボーカルを学び、またこの間に100を超える楽曲も創作します。2006年には現在も彼女が所属する独立系レーベル・彎的音樂Wonder Musicの3人組バンド・Tizzy Bacの2ndアルバム『我想你會變成這樣都是我害的』にプロデュースで参加。翌2007年、この作品で第18屆金曲獎最佳專輯製作人獎を共同受賞しました。彼女にとって初めての金曲獎受賞です。

その金曲獎ノミネート作品が発表される前日の2007年5月4日、許哲珮はついに6年の沈黙を破り、2ndアルバム『許願盒 Peggy's Wish Box』をリリースします。

 

6年分の想いを詰め込んだ2ndアルバム『許願盒』から、10曲目に収録の『瘋子』。Google翻訳すると『狂人』。それまでの辛かった気持ちを象徴するナンバーとなっています。

 

3rdアルバム『美好的』は、それから2年を掛けてリリースした珠玉の1枚。2ndアルバム『許願盒』とはうってかわって明るく華やいだ雰囲気ですが、残念ながらMVはほとんど見当たりません。アルバムタイトルとなっている『美好的』くらい。一方その続編とも言える4thアルバム『雪人』は、スゴイMVがゴロゴロ出てきています。

 

4thアルバム『雪人』から、『Intro』に続く2曲目に収録『無賴』。ちょっとコワイ感じですが、穏やかで優しい曲もありますので。

 

2010年9月には5枚目…でいいのでしょうか、5曲入りのミニアルバム『馬戲團1號』をリリースしています。馬戲團というのは許哲珮率いる…いや彼女を支えてくれているバンドの名前で、今のところそれが最新作となっています。

 

『馬戲團1號』から、1曲目に収録の『巧克力之吻』。バンド色を前面に出したナンバーです。

 

同じく『馬戲團1號』から、一番のお気に入りMV『游泳圈』。たぶん妖精が存在するとしたら、こんなカンジだと思う。もうメロメロ~^^。

 

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