sasanoji電台【台湾ポップス専門】

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ライブが主戦場、呂莘。

呂莘Connie『孩子氣的堅持』(2008)

connie2008

 

生年は未公表。インディーズレーベル・喜國娛樂Cheer Music所属、アコギ片手にライブを主戦場とする女性シンガーソングライター・呂莘(リュシェン)の2nd EPです。

基本的には本作も、デビューEP『心動的時刻』(2007年)の流れを汲む弾き語りメインの内容となっていますが、ロックナンバーは敢えて外したのか、ブルース調やフォーク調などしっとり染み入るポップス、聴かせる曲が揃っている印象です。シンプルで派手さはないけれど、真摯に語りかけてくる彼女のスタイルはどこか懐かしくて気持ちがいい。全6曲入りのミニアルバムです。

 

2曲目に収録、タイトルナンバー『孩子氣的堅持』。

ライブを中心に根強いファンが多いというのも納得。それにしても6曲じゃ短かすぎるよ~。いっそのことライブ盤を出したほうがいいんじゃないかな~。喜國娛樂さん、ぜひ^^。

 

2007年リリースのデビュー作『心動的時刻』は4曲入りEPだったのですが、呂莘は翌年この作品で第19屆金曲獎の新人部門にノミネートされました。EPで…というのは異例中の異例だそうで、メディアへの露出もそんなに多くなかったはずですし、いかにライブでの評価が高かったのかを物語っています。ただ残念なことにその年は新人賞候補の多くがインディーズ出身で、知名度がなかったことなどから主催者側が授賞式で彼女らがパフォーマンスする機会を用意しなかったとの話もあります。その際彼女は『ノミネートされたからといって売れるとは限らないよ』と、みんなを慰めていたみたいですヨ。ちなみにその年受賞したのは彼女と同じくインディーズ作品でノミネートされた、クリエイター出身の女性シンガーソングライター・蕭賀碩Debbie Hsiaoでした。

 

デビューEP『心動的時刻』から、3曲目に収録の『Mr. Wrong』。

 

2作目のプロモーション活動を終えた後、たくさんのライブハウスから出演依頼が殺到したそうですが、発表した作品数が少なく期待に応えられないとして全て辞退するなど頑固なまでのこだわりを見せる呂莘は、音楽と向き合う中でスランプに陥ってしまい、ひと月ほど離島の大自然の中で乱れた気持ちをリセットしていたそうです。戻ってからの彼女は、焦ることなく、自らの作品に対する自信が持てるまで定期的にライブ活動を行なってきました。そして昨年12月、呂莘は自身の英語名を冠した新作『Connie』をリリース。全11曲入りで、彼女にとっては初めてのフルアルバムとなります。

 

ニューアルバム『Connie』から、ちょっとしんみりしてしまうナンバー、10曲目『別說穿了是為誰』。

 

2年を掛けて生み出した新作は、2作目よりもむしろデビューEPを進化させたような、バラエティに富んだ力作です。『Connie』ではそんな新しいコニーが楽しめるようですヨ。もっともボーイッシュで飾らないスタイルを好む彼女にとって今回のロンドンでのロケは、かなりの冒険だったみたいですけどネ^^。