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ラブソングの女王、梁靜茹。

梁靜茹Fish Leong『靜茹&情歌-別再為他流淚』(2009)

fish-leong2009

 

本命登場~^^。1978年生まれ、マレーシア出身の実力派女性シンガー・梁靜茹(リャンジンルー)です。英語名のFish Leongは、名前の中にある『茹』と『魚』の広東語の発音が同じことに由来しているそうです。今までに200曲以上のラブソングを歌ってきたことから『ラブソングの女王』とも呼ばれています。

彼女にとって10枚目となるこのアルバムのコンセプトは、『過ぎ去った愛にサヨナラを告げて、怖がらず新しい愛を求めよう』。やっぱりプライベートの部分が音楽性にも影響を与えたのでしょうか、これまでの梁靜茹とはちょっと違うポップな面も織り交ぜていて、コンセプトどおりしっかりと前を向いて歩いて行こうとしている姿が目に浮かびます。癒される全12曲入りのアルバムです。

 

珍しくアップテンポな曲。2曲目『没有如果』。青山テルマ feat. SoulJa『そばにいるね』の中文カバーです。作詞は厳爵Yen-jが担当しています。

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毎年6月に行なわれる台湾のグラミー賞『金曲獎』にノミネートされる作品は、その前年の1月から12月までの1年間にリリースされた作品が対象となります。それ故、年の前半よりも後半に作品を発表したほうが有利とも言われています。本作も当初2008年12月の発売を予定してたのですが、彼女はさらなる完成度を目指してレコーディングを延長。結果、リリースは翌2009年1月となってしまいました。そこまで入れ込んだ作品ということですね。たしかに中のブックレットには『2008.12.16』の日付けが印刷されています。

 

1996年、梁靜茹はマレーシアで行なわれた創作歌唱コンテストで第3位に入賞、滾石唱片Rock Records(マレーシア)からコンピレーションCDに参加する機会を得ました。その女性らしい魅力的な歌声がヒットメーカー・李宗盛Jonathan Leeの耳に留まり、1997年、滾石唱片(台湾)と正式に契約。北京語や広東語を学ぶところからじっくりと育てられ、一時、李宗盛の厳しい要求に応えられず自信を喪失、ホームシックで故郷に逃げ帰ったこともあったようですが、1999年9月17日、1stアルバム『一夜長大』で念願のCDデビューを果たしました。ところがその4日後の9月21日、台湾中部でM7.6の大地震が発生。結局プロモーションをすることもままならず、残念ながらデビューアルバムは注目をされませんでした。彼女の名前は翌2000年リリースの2ndアルバム『勇氣』の成功で広く知られることとなります。

 

5曲目収録の『情歌』。この『情歌』と徐佳瑩の『身騎白馬』は2009年の同時期、CVC-Chinaでヘビーローテーションされていたことを憶えています。

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その後もヒットアルバムを連発し続け、『ラブソングの女王』、『アジアの歌姫』と呼ばれるアジア地域を代表する女性シンガーとなった梁靜茹ですが、プライベートのほうでは2007年、それまで4年間交際を続けてきた五月天Maydayのベーシスト・瑪莎との関係にピリオドを打ったとのニュースもあり、これが本作にも影響を与えているのでは…と思ったりもしました。

それにしてもこれだけ良作を出し続けていながら、金曲獎ではノミネートはされるものの受賞がないというのはどういうことでしょう…。無冠のままじゃかわいそすぎるよ~。

 

ところで梁靜茹は2010年2月、アメリカ国籍の台湾人・趙元同氏と結婚しました。媒酌人を務めたのは彼女を見出した恩師・李宗盛。またレコード会社も環球音樂Universal Musicに移籍し、新たな気持ちでリリースした11thアルバム『情歌没有告訴你』は、これまでのしっとりと落ち着いたイメージとはかなり違う、ウキウキと明るく華やいだ彼女の気持ちが溢れ出ているような作品となっています。

 

11th『情歌没有告訴你』から、1曲目収録の『LALALALA』。聴いたことない、見たことのない梁靜茹がそこにいる~。なんかカワイイ^^。

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